障害児を描いた映画

 このコーナーでは、僕の映画鑑賞の趣味を生かして、数ある障害児が描かれた映画をご紹介したいと思います。けっこうハリウッド映画でも障害児(者)が主人公となった映画が年に一本は作られているんですよね。そのだいたいが見せ物的なお涙頂戴映画っぽいんですけど。そういうのも含めて、あらためてそれらの映画を評価したいと思います。

タイトル                 公開年
監督         脚本        
出演

作品の評価 (10段階)   涙度 (5段階) リアル度(5段階)

描いている障害         

【あらすじ】

【感想】
         

サイモン・バーチ            1998年 作
 

監督:マーク・スティーブン・ジョンソン   脚本:マーク・スティーブン・ジョンソン     

出演:イアン・マイケル・スミス    ジョセフ・マゼロ   アシュレージャット   ジム・キャリー

作品の評価: 7     涙度: 3   リアル度:1

描いている障害:  ?

【あらすじ】
 生まれつき体の小さいサイモンは、そんなハンデにもめげることなく、父親のいない親友のジョーと一緒に元気いっぱいに生きている。ところが実の両親の愛には恵まれず、ジョーの美しくて優しい母親、レベッカのことを愛していた。体は小さくとも勝ち気で弁の立つサイモンはなにかと目立つ存在。そんな彼を理解してくれるのはジョーとレベッカだけだった。そんなある日、サイモンが打った野球のボールがレベッカの頭に当たってしまいレベッカは死んでしまう。そんな悲劇を乗り越えてジョーとサイモンの友情は強くなっていく。母の死をきっかけにジョーの本当の父親さがす二人。はたしてジョーの父親は誰なのか。そして、サイモンがこの世に生まれてきた意味とは?

【感 想】
 原作がアメリカの文学作品らしく作り話度が高い。サイモンの障害はおそらく小人症(これ間違っていたらごめんなさい)なのだけれど、体が小さいというだけでサイモンのコンプレックスになってこそあれ、普段の生活には障害とはなっていない。だから障害児とは言えないかも。もちろんその容姿のために奇異の目で見られてしまうのはいたしかたないところだけど、親友とその母親の存在が救いとなっている。サイモンはそのコンプレックス故にキリスト教に傾倒し、自分の存在が神の計画のせいなのだと信じる。それが最後のクライマックスにつながっていく訳だけれども。それがいかにもあざとい。ただしこれはリアルな視点から見るとそう感じるだけで、単純にフィクション、寓話として見れば、少年時代の感動友情物語として楽しむことができる。この映画自体はあまり障害を中心に描いた物語ではないみたいだし、障害児の存在意義を寓話的に描いた点、あまりひねくれた見方をしない方がいいかも。記念すべき一本目の映画にしてはちょっと中途半端だったかなあ。主演の子どもは実際に病気をもった子どもなんだけど、いい演技してます。 
 

カーラの結婚宣言   1999年作

監督:ゲーリー・マーシャル  脚本:ボブ・ブラナー  

出演:ジュリエット・ルイス  ダイアン・キートン  トム・スケリット  ジョバンニ・リビシ

作品の評価:7.5   涙度 4   リアル度2   

描いている障害:知的障害(中度ぐらいかな)

【あらすじ】
 軽い知的障害をのあるカーラ(ジュリエット・ルイス)が全寮制私立学校(おそらく養護学校)を卒業し、大富豪の両親の元に帰ってきた。彼女を愛するあまり何かと口出しをする母(ダイアンキートン)。でもカーラは自立することを望み、職業訓練学校に通い、一人暮らしをはじめ、そして同じ知的障害のあるダニエル(ジョバンニ・リビシ)と恋をする。カーラは母の心配をよそに真剣にダニエルを愛することになるのだが・・・・・?

【感想】
 知的障害者の恋と性を描いたヒューマンドラマ、といっても重苦しい映画ではなく、ヒューマン監督ゲーリー・マーシャル(代表作:プリティーウーマン)らしいアットホームなヒューマンドラマ。この手の映画でまず気になるのが障害者を演じている俳優の演技。今回知的障害を描いていて対象者が二人いるわけですが。二人ともさすがに上手い。特に恋人(ダニエル)役のジョバンニ・リビシの演技はなかなか注目に値しますね。主演のジュリエット・ルイスも悪くはなかったけど少々演技臭いところがあったかな。あと大事なのが障害児・者を過度に美化するところ。その点この映画は心配なかったです。服装や演技において大富豪の娘でも障害者特有の雰囲気を醸し出していて。実に気持ちが良かった。なんたってジュリエット・ルイスの全然美女でないところが良かった。ストーリー的には結局知的障害者同士の恋が中心で、最後はハッピーエンドなのですからいわずもがななんですが、ダイアンキートン演じる母親がストイックにカーラを愛するあまり、カーラの希望をことごとく反対するところは、ダイアンキートンの名演もあいまってぐっとくるものがあります。対照的に父親と姉妹はものすごくカーラに寛容なんですけど、そういうところが障害者の映画を重くしていない点でしょうか。これは映画なのであまり深く描いてませんが、実際に知的障害者どうしの結婚には困難がつきもの。だからといってあまり意地悪く見てはいけませんね。そう思わせるほどまとまった映画でした。最後はやっぱりほろっときてしまいました。カーラとダニエルにはほんとに幸せになって欲しいですね。
 

ギルバート・グレイプ    1994年

監督:ラッセ・ハレストルム  脚本:ピーター・ヘッジス

主演:ジョニー・デップ  レオナルド・ディカプリオ  ジュリエット・ルイス

作品の評価:9  涙度:1  リアル度:3

描いている障害:知的障害(重度)

【あらすじ】
 アメリカのとある片田舎に住む青年“ギルバート・グレイプ”(ジョニー・デップ)。彼は父親が死に、長男が出ていってしまった家族のために、一家の大黒柱となって家族を支える日々を送っている。家族には過剰に肥満している母親と重度の知的障害のある弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)がおり、二人を献身的に愛しながらも、人妻と不倫に落ちたり、家族の世話をする生活に鬱々した思いを抱いていた。そんな中偶然この町に訪れた旅の娘ベッキー(ジュリエット・ルイス)と出会い、彼女と触れあいながら、自分や家族について見つめ直すギルバート。弟アーニーの誕生日の日に思いがけない事件が起き、ギルバートはある決心をする。

【感想】
 まず、この映画は青年ギルバートを中心とした青春映画であって、ディカプリオ演じる知的障害児アーニーを主眼とした映画ではありません。だから、アーニーの障害がこの映画の物語の重要な要素とはなっていなく、あくまでもギルバートの物語の一要素にしかなっていない。だからこの映画は素晴らしい。障害を見せ物的に扱っていないからです。夫を亡くしたショックで超肥満となってしまった母親や重度の知的障害のあるアーニーに向ける彼の愛が心にしみます。途中あまりにいうことをきかないアーニーに暴力をふるってしまい自己嫌悪に陥ってしまうシーンは共感するものがあり、ぐっときます。それにしても、アーニーを演じたディカプリオはすごいです。まさに天才と言われた所以がわかりました。まるで本当に知的障害があるのではないかというほどの演技です。えてして障害児・者を演じる役者は少なからず演技臭さを漂わせているもんですが(レインマンのダスティ・ホフマンもしかり)このディカプリオ演技には本当に感動すら覚えます。ちょっと見直しちゃいましたね。彼のことを。このディカプリオの演技を見るだけでも必見です。監督のラッセ。ハレストルムはサイダーハウスルールでもそうでしたが、静かな中にも奥深いものがある叙情的な映画を撮るのが本当に上手いんだなあと再確認しました。静かすぎて物足りなかったように思ってたんですが、見方を変えます。次回作が楽しみです。

 

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