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基本事項 動物の飼養に当たって、その種類や品種を選ぶ上で考慮すべき事項は次の通りです。 @ 飼養目的 A 動物の特性 それぞれの鳥種の生態、習性、食性、適応環境、行動パターンや成長・性別・繁殖期における気質や性質の変化、成長したときの大きさ、平均的な寿命。 B 飼養環境 鳥舎の構造・面積、周辺環境への対策(糞等の臭い・粉塵、鳴き声) C 経済的負担 D その他 ・ 家族の同意 ・ 家族構成とそれぞれの年齢(飼育動物が寿命を迎えるまで飼うことが出来るか?) ・ 家を留守にする回数・時間 ・ 今飼っている動物との関係、相性 ・ 今までの飼育経験、知識
終生飼養 動物を飼い始めるときは、途中で飼育を放棄することなどないと、誰もが考えているのではないでしょうか。しかし、転居、近隣からの苦情、子供のアレルギー等の理由により飼えなくなってしまう例がみられますし、ヒヨコがニワトリになって持て余してしまうというのは昔からよくあったことです。 また、チャボ等のニワトリで10年余、クジャク等大型の雉類では20年程度の寿命があり、このような鳥を飼う場合は、その長い期間責任を持って飼い続けることができるかどうか飼い始める前に十分検討する必要があります。 動物を遺棄する(捨てる)行為は、『動物の愛護及び管理に関する法律』により処罰される違法行為です。 鳥は飼えなくなったら放してやれば生きていけると安易に考える傾向がありますが、飼われていた鳥は警戒心が薄く、犬・猫やイタチ、タヌキ等に襲われ生き延びる可能性はほとんどありません。また、生き延びて環境に馴染んでも生態系に影響を与えることが考えられます。 一見「自由にしてやる。」というよいことのような響きがありますが、飼鳥を放す事は捨て犬、捨て猫と同じ犯罪行為だということを理解してください。
適正飼養 動物の飼い主には適正飼養が義務付けられています。この動物を適正に飼養するということには2つの意味があります。1つは、その動物の生態、習性、生理等を正しく理解して、動物が健康に生活できるような環境で飼育するということ。もう1つは、その動物を飼うことにより、周囲や近隣に迷惑を掛けることの内容きちんと管理して飼育するということです。動物の健康と周囲の環境に対する配慮の両面を考えて、適切な飼育設備を整え、正しく飼育管理しなければ適正飼養とはいえません。 @ 動物の健康に対する適正な飼養 まず、鳥の大きさや特性、羽数に応じて十分な広さの鳥かごや禽舎、適切な温度、湿度、採光の取れる飼育場所や食性に合わせた飼料等の確保をしなければなりません。 A 近隣環境に対する適正な飼養 ニワトリ類(チャボ等含む)や雉・クジャク等は体も大きく、屋外に禽舎を設置して飼育するようになりますが、汚物や羽毛などの処理は雑になり勝ちです。また住宅密集地域ではニワトリやクジャク等鳴き声の大きな鳥を飼うことは相当の設備と周囲への配慮が無ければできないことでしょう。これは飼い始める前に十分考えなければならないことです。
迷惑と危害の防止 @ 近隣への迷惑の防止 保健所等に寄せられる飼い鳥に関する苦情の主なものは、 ・ 清掃の不徹底による羽毛・糞の飛散 ・ 多数飼育や不良環境下での臭い、害虫の発生 ・ ニワトリ、クジャク等の鳴き声 などです。 これらの苦情の原因の多くは、飼い主が適正使用の義務を果たしていないところにあります。自分たちさえよければという身勝手な考え方では、地域の理解を得られないだけでなく、苦情などの問題が発生することになります。 地域の中で人と動物が調和のとれた生活をしていくためには、動物の飼い主と飼っていない人の相互の理解が欠かせません。それにはまず、飼い主が周囲の人の立場を考慮して責任ある飼い方をすることが最も重要です。 また、コミュニケーションが希薄な地域では、些細な問題が苦情や大きな揉め事に発展する傾向があるので、近隣関係を良好に保つような配慮も必要です。 A 人への危害防止 ニワトリや雉の仲間は、猛禽類や大型の走鳥類と比べて直接の人への危害は少ないと思われますが、大型のニワトリや繁殖期のクジャクなどは人を蹴ってケガをさせることがあります。また庭や畑の農作物を食害したり物を壊したりする場合もありますので、必ず囲まれた施設の中で飼い、逃走しないよう注意を払って飼育管理しなければなりません。
生物多様性の保全 地球上の多様な生物をその生息環境とともに保全し、生物資源の持続的利用を目的として『生物多様性条約』が締結されました。これに基づくわが国の『新・生物多様性国家戦略』では、ペットの遺棄や逸走による移入種による生態系の撹乱を生物多様性の危機のひとつと位置づけています。 ペットショップなどで売られている鳥類(国内飼育下で繁殖した鳥を含む)のほとんどは日本以外の国に生息しているものです。これらが故意または過失で自然の中に放たれると、交雑、捕食、食物競合による圧迫などにより、日本在来種が大きな影響を受ける場合があります。また、感染症の媒介、農作物の被害など、人の生活に直接影響を与える場合もあります。 いったん国内の環境で繁殖して個体数が増えると、これを捕殺するなどコントロールしていくためには莫大な経費がかかることになります。これらの鳥を飼う場合は、特に終生飼養と逸走させない確実な管理が不可欠です。
関係法令 @ 動物の愛護及び管理に関する法律 動物の虐待防止、動物の適正な取扱等を通じて生命尊重等の情操涵養に資するとともに、動物による人の生命、身体、財産への侵害を防止することを目的として、飼い主の責務、動物販売業者の責務、動物取扱業の規制、危険な動物の飼育の規制、犬・猫の引き取りなどを規定しています。 A 家庭動物等の飼養及び管理に関する基準 動物の愛護及び管理に関する法律に基づいて、家庭等で飼育される動物の取扱について具体的な基準が示されています。 B 鳥獣保護及び狩猟の適正化に関する法律 鳥獣の保護を図るための事業を実施するとともに、鳥獣による生活環境、農林水産業または生態系のかかる被害の防止、猟具の使用にかかる危険を予防することを目的としています。鳥獣の捕獲等の規制、鳥獣(国内に生息する)の飼養、販売の規制、鳥獣保護区の指定などを規定しています。(野生鳥獣は都道府県知事または環境大臣の許可がなければ捕獲出来ません。傷病鳥獣を保護した場合も原則として飼養許可が必要です。都道府県の担当者に連絡してください。)
C 家畜伝染病予防法 伝染病が発生した場合の届出、患畜の隔離、消毒などを行うことにより家畜の伝染病の発生、蔓延を防止し、畜産の振興を図ることを目的とした法律です。 表1)鳥類の法定伝染病
表2)鳥類の届出伝染病
家畜(家禽)を対象とした法律ですが、愛玩鶏、キジ類も感染しますので、感染源とならない様、飼育環境を清潔に保つとともに、病気発生時は、獣医師や家畜保険所の指示を仰いでください。
D 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 昔の「伝染病予防法」が改正されたもので、感染症の予防と蔓延の防止を目的として、新感染症などに迅速に対応することができるよう、医療等に関する措置を定めています。 主な感染症を5つの種類に分けて対策を講じていますが、このなかで四類感染症に定められている疾病には、人と動物の共通感染症が多くふくまれています。
E 絶滅の恐れのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法) 野生動植物が、生態系及び自然環境の重要な一部として人類の豊かな生活に欠かすことのできないものであることから、絶滅の恐れのある野生動植物の種の保存を図ることを目的としています。 捕獲及び譲渡の禁止、国際希少野生動植物種の個体登録、生息地等の保護に関するヶ製などを規定しています。(国際希少動植物は、商用目的で繁殖された固体でも、登録したものでなければ販売、譲渡、陳列はできません。譲渡、販売にあたっては、登録票があることを必ず確認してください。また、販売、頒布目的で陳列するときは、登録票を備え付けなければいけません。) F 絶滅の恐れのある野生生物の種の国際取引に関する条約(CITES) 通称ワシントン条約と呼ばれ、絶滅の危機に瀕した野生の動植物を国際取引を規制することで保護していくことを目的とした条約です。 条約では絶滅が危惧される野生動植物の種類を、その度合いに応じて『付属書T・U・V』に区分しています。付属書Tに掲載されている主は最も絶滅が危惧されており、商業目的の国際取引が原則的に禁止されています。
飼育管理
飼育環境 鳥にとって有効で快適なスペースを用意することが、よい飼育環境を作りだします。
禽舎 キジ類・シャコ類・ニワトリ類及び水鳥類は一般には屋外の禽舎で、うずら類やアメリカ鶉類は飼育かご・ケージで飼うのが一般的です。 禽舎製作・管理時の注意事項 ・屋根の構造 全体が屋根に覆われた屋内式、半分が屋根の覆われた半露天式、天井部を網で覆った露天式がありますが、雨の多い地域では露天式は不向きです。また露天・半露天式とも露天部分が長年使用していると、排せつ物や餌のかす等により排水が悪くなり不潔になりやすいので、製作時に排水や後日の清掃・客土を考慮しておくとよいでしょう。 ・金網等 ・採光(日当たり) ・保温 ・清掃
飼料・水 ・ 飼料 キジ類、ウズラ・シャコ類、水鳥類の多くはニワトリ用配合飼料を主食に飼育することが出来ますが、種類により野菜、果物、鳩用飼料、小鳥用飼料(アワ・ヒエ等)、ミルワーム等の昆虫類を与えることが必要です。また繁殖期や雛にはエッグフード等栄養価の高い飼料を添加すると良い結果がえられます。 これらの餌を容器に入れて与えるのですが、脚で掻き出して無駄にすることが多いので、容器を掻き出せ無いよう工夫するとともに、与える量も1日で食べきる量に調整してください。 ・ 水 水はいつでも新鮮な水がのめるようにするのがベストです。毎日水入れを清掃し水を入れ替えてください。 ・ 添加物 繁殖期には、ガーリックパウダーやサナギ粉を添加し受精率の向上を目指しています。また潟tローラのペット用HB101やニオワンダフルを添加すると、鳥が元気になったり、糞尿の臭いが減少します。 パプリカパウダーを添加すると黄身の色の赤いきれいな卵をうみます。 その他、病気予防に抗生物質等を添加する場合がありますが、獣医師の指導が必要です。育雛用の飼料には抗生物質の添加されたものがありますので、産卵中の鶏には与えないで下さい。(飼料袋記載の注意書をよく読んで記載に従ってください。) 病気と健康管理 ・ 主な病気とその予防 鳥は哺乳類と比較して明らかな症状を出しません。羽が膨らんでいる、寝る時間が長い、食欲が落ちている 下痢をしているといった症状が多くの病気に共通して見られます。また病気のほとんどが栄養障害や不適切 な給餌など、飼育管理に起因することが多いようです。 前述の適切な飼育環境で新鮮な飼料・水を与えるとともに、日々観察を行い少しでもおかしいと思ったとき は獣医師に相談するなど適切な飼育管理に務めなければなりません。 @多くの鳥類に共通する重要な病気 ・肥満 飼い鳥全般にみられる病気です。過度の肥満は産卵・繁殖の妨げとなります。 配合飼料を与えている場合でも、餌を与え過ぎず粉まで食べさせるようにし栄養のバランスに注意します。 自家配合する場合は粗食を心がけ、出来るだけ青菜を与えるようにします。 ・卵塞 卵が肛門(総排泄穴)から生み出せず、動きが鈍く羽を立ててふくらみ放置すれば死亡することもあります。 小型のチャボや雉等で早春寒い時期に初めて産卵するときにおこることが多い。 初期段階であれば、ヒマシ油等を肛門に塗り暖かい部屋に置くと無事産卵に至ります。輸卵管が反転して 肛門部より突出している場合などは、卵を割って取り出します。 ボレー粉などカルシュウム分の給与と寒さに注意します。 ・感冒 くしゃみ、咳、流涙、眼結膜の発赤・腫腫、鼻汁の排泄、異常呼吸音、呼吸速迫、声の異常といった症状が 発現します。これらの症状は鶏特有の病気の症状と同じものが多く、複数の鶏に症状が診られる場合は、 獣医師に相談してください。 ・毛食い(羽つつき) インコ類のように自分の羽を抜くことは稀ですが、中雛から若鳥にかけて換羽中の羽軸をつつき、血が出る と皆でつつき、肛門から内臓を引き出し殺してしまうこともあります。(雉類で多く出現します。) ホルモンバランスや栄養障害など原因は様々ですが、精神的ストレスによることが多く、飼育環境を改善 し(広い場所で飼う)青菜を多く与えることにより発生を減じることができます。 A鶏・鶉・雉類で重要な病気 1)ニューカッスル病(ND) NDウイルスの感染によって起こる伝染性の強い病気で、強毒ウイルスが流行すると高致死率による甚大 な被害をもたらすため、法定伝染病に指定されています。ワクチンが普及しており適切なワクチン投与により 発生を抑えることができます。 2)鶏インフルエンザ(AI) A型インフルエンザウイルスの感染によって起こる局所または全身性の病気で法定伝染病、届出伝染病に 指定されています。不顕性感染するものから急性経過で死亡する高病原性鳥インフルエンザ(法定伝染病) まで病態は様々です。予防にはワクチンが有効ですが、我が国では実用化されていません。 3)マレック病(MD) ヘルペスウイルスに属するMDウイルスの径気道感染によって起こるTリンパ球性の白血病で、届出伝染病 に指定されています。初生雛が最も高い感受性を示します。予防には生ワクチンがつかわれますが、ワクチ ンはウイルス感染までは防止しませんので衛生管理が重要です。 4)伝染性ファブリキウス嚢病(IBD) IBDウイルスの感染によって起こる急性伝染病で、届出伝染病に指定されています。 この病気はリンパ組織の壊死と炎症反応を特徴とするため、著しい免疫抑制を引き起こします。したがって 最近などの二次感染による症状の増悪が問題となります。予防は適切な時期でのワクチン接種および消毒 による汚染の低減が重要となります。 5)マイコプラズマ病 鶏のマイコプラズマ病は2種類のマイコプラズマによる慢性呼吸器病で、まれに関節炎もみられます。 通常は不顕性感染ですが、飼育環境の悪化や他の微生物の複合感染により発症します。予防にはMG (マイコプラズマ・ガリセプチカム)ワクチンの生または不活性ワクチンが使われています。 6)サルモネラ症 サルモネラ菌感染による人と動物の共通感染症で、特定の血清型では法定伝染病または届出伝染病に 指定されています。本来は幼雛の敗血性疾病で死亡の多くは2週令頃までにみられ、一般に保菌鶏は無症 状で経過することが多いようです。食中毒の原因菌としても重要です。 ワクチンおよび競合排除法により予防します。 7)コクシギウム症 アイメリア属の原虫感染によって起こる病気で、下痢、食欲不振・廃絶、体重減少、貧血、産卵低下などの 症状を呈し血便がみられるものでは、高死亡率を示します。 予防及び治療には、サルファ剤や抗原虫剤を投与します。 8)その他 上記のはか、伝染性気管支炎(IB),伝染性喉頭気管炎(ILT),鶏痘(FP)、などのウイルス病、家禽コレラ 伝染性コリーザ、大腸菌症などの細菌病、アスペルギルス症などの真菌病、ロイコチトゾーン症、ヒストモナ ス症などの原虫病などがあります。 B寄生虫 1)内部寄生虫 鶏回虫、鶏毛体虫、鶏盲腸虫、気管開嘴虫、鶏糞線虫などの内部寄生虫があります。 雉等地面で飼う鳥は1年に1度は駆虫剤を投与することをお勧めします。 2)外部寄生虫 ハムシ(鶏丸羽虱、鶏頭虱、鶏羽虱)腹部、脇下、肛門周辺の軟羽の多い部分に寄生、 ワクモ(鶏ダニ)明るいうちは鶏舎壁やその他の隙間に潜り込んでいて、暗くなると出てきて寄生し吸血する 疥癬虫、ダニに属する小さい寄生虫で脚鱗の内部組織内を穿ってトンネルを造って寄生する。 3)その他 蚊(鶏痘の仲介者、吸血によるストレス・衰弱等)、ハエ Cワクチン 感染症の予防のために、鶏用のワクチンは野外で広く応用されています。ワクチンのプログラムは個々の 飼育場所での感染状況、衛生環境、立地条件、周囲の流行状況などによってことなりますので、獣医師に 相談のうえプログラムを組み立てる必要があります。 人と鶏の共通感染症(4類感染症) @オウム病 病鳥や保菌鳥の糞中のクラミジアを吸い込むことで感染します。 発病した鳥は元気がなく眼を閉じ、羽を逆立ててふくらんでいます。雛や若鳥で症状が重く、死亡することが 多いのですが、成鳥では無症状のことがあります。 人が感染すると高熱、頑固な咳など風邪に似た症状がみられ、重症の場合は肺炎をおこします。 A鳥インフルエンザ ウイルス感染による家禽類を含む鳥類の疾病で低死亡率で感染すると呼吸器症状、下痢、産卵の低下をも たらす低病原性(弱毒型)タイプと、「家禽ペスト」と呼ばれ、沈鬱状態、神経症状を示し、ほとんど死に至る高 病原性(強毒型)のタイプがあります。 鳥インフルエンザが人に感染した場合、重症例になることが多いといわれています。 Bウエストナイル熱 ウイルスによる人と鳥の共通の感染症で、主に蚊を介して人に感染し発熱や脳炎をおこします。 我が国ではまだ感染例はありませんが、ヨーロッパやアメリカなどでは1990年代中頃から発生しています。 鳥類では普通は症状を示さず、鳩、鶏、カラスなどでは脳炎、死亡または長期間のウイルスの持続感染がお こると言われています。 人では感染例の約80%が無症状で、発症した場合でも多くは発熱、頭痛など風邪に似た症状で、1週間程 度で回復します。髄膜炎、脳炎症状をおこす重症者は感染者の1%で、高齢者に多いようです。 Cその他 サルモネラ症やカンピロバクター症は人には食中毒原因菌として食中毒を起こす。 真菌病のクリプトコッカス症などがあります。 病気が疑われる場合は早いうちに医師または獣医師にご相談ください。
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