道路構造例について 〜 道路の技術的基準

 

○道路構造令とは

 ひと口に道路といっても、そのつくりは千差万別だ。自動車を運転していると、「この道は走りやすいな」とか、「危なっかしい道だな」などと意識させられることがあると思うが、大抵の場合、それは道路のつくりによるものだ(もちろん、路上駐車や大型車の交通量といった要因もあるが)。
 そんな道路のつくりを決定するもの、それは幅員、勾配、線形(曲率半径)、視距(「見晴らし」のこと、実際は細かい定義がある)、交差点(立体 or 平面交差)、路面(舗装)状態などの物理的条件だ。これらの要素の積み重ねが、最終的に我々の感じる「道の走りやすさ」を決定づける。
 ところで、「走りやすい道」は、一般的に「安全な道」といえるが、それはある決まった速度の中での話だ。設計上(物理的条件上)、安全に走行できる最高速度というのは決まっている。それが、いわゆる「設計速度」だ。

 「道路構造令」とは、道路を用途と交通量によって分類した上で、それぞれに要求される「物理的条件」とそれに応じた「設計速度」を定めたものであり、いうなれば道路づくりの統一基準だ。これによって、日本全国どこでも、安全かつ円滑な交通を均質に確保しようというのである。
 ちなみに道路構造令は、道路法第30条 第1項及び第2項の規定に基づいて制定された、いわゆる「政令」である。

 

○道路の区分

 道路構造令では、道路を用途によって大きく四つに分類している。

地方部
都市部
高速道及び自専道
第一種
第二種
その他の道路
第三種
第四種

 

○第一種

 第一種は都市間高速道路のほとんどが該当する。東名や関越、中央などの「大きな」高速道路を考えていただければいいだろう。これらの高速道路は都市部に食い込んだ起・終点部をもつが、基本的に全線第一種となる(第二種とはならない)。
 第一種はさらに、「計画交通量」、「高速自動車道かそれ以外か」、「平地部か山地部か(地形)」によって、第一級から第四級まで細かく分けられるのだが、その分類表がかなりややこしい。ここは細を穿つのを避け、例でお示ししよう。

 中央自動車道は「高速自動車道」の例として好適だ。なにしろ、第一種第一級〜第三級までがひとつの路線に揃っているのだ。計画交通量、地形条件、設計速度とともに表にしたのでご覧頂きたい。

 

区間
種別・等級
計画交通量(台/日)
地形
設計速度
三鷹料金所〜八王子IC
第一種第一級
30,000以上
平地部
120km/h
八王子IC〜大月JCT
第一種第二級
10,000以上30,000未満
山地部
80km/h
起点(環八)〜三鷹料金所
第一種第三級
10,000未満
平地部
60km/h

 

 三鷹料金所〜八王子IC間は第一種第一級で、その設計速度は何と120km/hだ。しかし、ご存知の通り法定速度は100km/hである。第二東名高速の開通の際には法定速度の引き上げも噂されているが、設計速度でみれば120km/h走行可能な区間はいたるところに存在するのだ。

 ついで、八王子IC〜大月JCT間である。第一種第二級の設計速度は本来100km/hと規定されている。しかし、地形の状況や、その他特別の理由があれば、80km/hと設定することが許されており、何本かの長大トンネルで山岳地帯を潜り抜ける様に走る当区間は、80km/hとなっている。

 最後に起点(環八)〜三鷹料金所間だ。若干5km弱の当区間は、諸事情により、計画交通量を10,000未満(台/日)と、極めて低く見積もることで、道路の規格を第一種第三級にまで落としている。さらに、環八付近〜高井戸IC間では、本来小型自動車の通行しか認められない幅員(3.25m、通常は3.5m)しか確保されておらず、設計速度も規定の80km/hに対し、60km/hと設定されている。

 

(続く)

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