東京港トンネル(国道357号線)

 

○東京湾岸道路

 神奈川県横須賀市から千葉県富津市まで、東京湾をぐるっと取り囲むように走る東京湾岸道路。首都圏臨海部の開発を促進するとともに、神奈川・東京・千葉にまたがる交通を一手に引き受ける目的で計画された道路だ。その莫大な交通需要を捌く必要から、大規模な構造となっており、中・長距離の利用を目的とした「自動車専用道路(首都高速湾岸線、横浜横須賀道路、東関東自動車道)」と、短・中距離の利用を目的とした「一般道路(国道357号線、14号線、16号線など)」の二段組で構成されている(「一般道路」はさらに、生活道路である「第4種第1級」と、高規格な「第3種第1級」に分けられる。ちなみに「自動車専用道路」は「第2種第1級」だ)。総延長は約160kmに及ぶ。

 かように重要な使命を帯びた東京湾岸道路だが、ご多聞に漏れず、整備の進みは虫食い状だ。平成17年4月現在の供用区間の延長は、「自動車専用道路」で約95km、「一般道路」で約99kmとなっている。どちらも殆ど同じ進捗率(約60%)なのだが、実は、整備の進められ方には大きな相違がある。
 「自動車専用道路」はなるべく途切れ目を作らないよう、連続的に延びているのに対し、「一般道路」はトンネルや橋梁といった、コストのかかる構造物を後回しにしながら、細切れに整備が進められているのだ。これは、それぞれが想定している利用目的の違いを反映したものと言える。

○東京港トンネル

 そんな東京湾岸道路において、品川区大井〜東八潮(13号地)間の海底に、約2kmにわたって計画されているのが、東京港トンネルだ。「自動車専用道路」の該当区間は首都高速湾岸線として昭和51年に開通している。
 原則どおり、一般道路のトンネルは後回しにされている訳だが、1990年代から始まった湾岸エリアの急速な発展に伴い、東京港トンネルには慢性的な渋滞が発生するようになった。特に、混雑時の旅行速度は平成2年から11年までのわずか9年間で、半分以下に落ち込んでいる(68.3→33.2km/h)。

 このような状況の中、東京港トンネルの「一般道路」の建設を求める声が高まり、平成14年度に新規事業化が決定された。片側3車線のトンネルを、首都高速湾岸線の東京港トンネルの両脇に設置する計画となっている。

 さて、肝心の現況は、というと…正直言って、捗々しいとは思えない。
 事業化からすでに3年が経過しているのだが、未だにトンネルの工法や設計の検討会が開催されているに過ぎないのだ。今のところ整備完了予定年度も未定である。
 これは推測だが、平成13年度に開通した「臨海トンネル」が、東京港トンネル建設の緊急性を削ぎ、予算の縮小を招いてしまった可能性もある。

 開通の日は遠そうだ。

※臨海トンネルについては別ページで詳述

 

 

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