築地市場移転問題

 

 環状第2号線の整備について述べるに当たり、築地市場の移転問題は切っても切れないトピックだ。マスコミ等にもしばしば登場するのでご存知の方も多いと思うが、ここでは環状第2号線整備の視点に立って、概略をまとめてみたい。

 

○築地市場、豊洲新市場、環状第2号線の位置関係

 環状第2号線の築地地区におけるルートは現・築地市場の敷地上に設定されており、整備は築地市場の廃止後となる。一方、豊洲地区では、三つ予定されている新市場の区画を、環状第2号線が割って走る計画となっている。

 図にまとめたのでご覧頂きたい。


※クリックして拡大

 新市場の「5〜7街区」とは整備予定地の名称である。5街区は青果の、6・7街区は水産物の市場となる。新市場の整備完了は平成24年度の予定。

 

○築地市場移転と環状第2号線

 築地市場移転を推進する東京都の思惑は概ね以下の通りだ。

  • 築地市場は狭隘かつ老朽化も進んでいるので、改善を図りたい
  • 現在地での再整備も選択枝の一つだが、都心に位置する築地市場の用地は、できれば高密度の商業地域として転用したい。
  • 新市場を、物流の動脈である湾岸道路と都心部との中間に移動することで、交通の分散と円滑化を図りたい。環状第2号線整備はその受け皿となるが、それには築地市場の廃止が前提となる。

 お分かりいただけただろうか。築地市場移転と環状第2号線はあくまでセットであり、「ニワトリとタマゴ」のようなものなのだ。

 

○中央区はこの計画に反発していた

 中央区は本移転計画に強く反対の立場を取っていた。理由は簡単だ。

  • 築地市場の持つ歴史的価値の損失
  • 「築地」の名に基づいた食文化の受けるダメージ
  • 市場周辺の地域経済の衰退と、それによる税収減

 特に経済面での損失は大きく、日に20億円の取り引きがあるとされる築地市場が移転してしまうと、単純計算でも年に7000億円を超える経済を失うことになる。中央区が反発するのは良くわかる。
 こうして「全面戦争」の様相を呈していた東京都と中央区の対立だが、2006年に入り、ついに決着がついた。中央区や地元業者、町会などでつくる「築地市場移転に断固反対する会」が2006年2月17日をもって解散したのだ。現実的に移転が不可避な情勢となるなか(2006年3月開業のゆりかもめ延伸部には、豊洲新市場予定地付近に「新市場」駅がある。気の早い話だ)、都と対立するよりも、移転跡地の活用法について積極的に議論したほうが建設的であるとの判断からである。
 環状第2号線にとっては、全線開通へ向けての大きな一歩を踏み出したと言えるだろう。

 

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