建設協力金方式(リースバック方式)

平成4年3月に借地借家法が改正され、新借地借家法による「定期借地権」制度が施工されるまでは、建物所有を目的のために 土地を貸すと、余程の正当事情がない限り地主に戻ることはありませんでした。そこで借地権を発生させないために、テナントが建物の建築代金を建築協力金と言う名目で地主に無利息或いは低金利で融資し、建物を地主が建てるという形をとりました。そして、その建築協力金(建物が完成した後は保証金)は賃料収入と相殺して返済するというものです。この方式ですと、地主が直接銀行から借入するのと違って、テナントが途中撤退しても担保が補償(通常、テナントからの途中解約は保証金放棄)されることと、賃貸住宅経営のように入居率の心配がなく賃料収入が安定しているということが利点になります。
  
ただし、銀行借り入れの場合は利息部分は全額控除されますが、建築協力金の場合、建物竣工後はこれを保証金に切り替えるため債務控除がなく、実際には賃料と相殺後の手許金であっても、賃料収入は相殺分を含め全額所得税の対象になってしまいます。このため思ったより収支は良くなかったということもあり得るので、事業化する際は事業収支だけでなく、所得税対策もしておかなければいけません。

途中解約に関して

  リースバック方式ではテナント側が途中撤退しても、前述のように契約条文で保全してあれば地主の被害は最小限で済みますが、問題はコンビニエンスストアなどの業態です。この業態は既存店舗より売上が伸びそうな場所があれば、ペナルティーを払ってでもすぐに撤退してしまいます。
 一つ事例をご紹介します。大手コンビニの例ですが、15年契約で敷金1,100万円、保証金1,500万円で、解約違約金は未返還分の放棄となっています。この未返還分の放棄は最高限度が1,000万円です。建築費が1,700万円、このケースの場合、賃料と相殺した保証金の残額が1,000万円以内であったので問題はありません。しかし、敷金の1,100万円は全額返還しなければならないことと、撤退するくらいですからその後の建物の利用が難しい。コンビニ側からすれば、違約金を払ってでも売上げが伸びればその分をすぐに回収してしまうので撤退をするのでしょうが、地主としては、コンビニの場合、途中撤退のリスクがあるということを肝に銘じておかなければいけません。

リースバックの今後
 
リースバックは、いずれ、事業用定期借地権に変わるでしょう。地主は相殺分の所得税負担が大きいし、建築協力金を相殺して建物を取得しても、その建物は次の入居者がそのまま使うことは考えられない。再契約したとしてもテナント側は建替えを要求するか、そのまま使うにしても賃料の大幅なカットを要求してくると思います。地主は土地だけを貸し、建物はテナント側が建て、SPCを設立して移管するか、または、第三者、例えばファンド等が建てることもある。


    
       

   当社が企画した荒造成後のリースバック用地

  
リースバックの事例

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