Book shelf


ららら科学の子  矢作俊彦

20代の頃に読んだ物で一番心に残っている数冊の中の1つに矢作俊彦の『海から来たサムライ』がある
主人公はもとより臍を押さえながらアイスを食べる女も
ラ・マルセイユズを口ずさみながら硫酸の中の爆弾を手が焼きただれていくのを堪えながら処理していく男も
上は燕尾服下は褌姿!の博覧強記も
ファンタスティック!と呟きながら死んでいく悪者も
貧乏人も金持ちもみ〜んなカッコが良かった

それ以来の久々の矢作ワールド
30年も中国の田舎に潜んでいた男が日本に帰国しいろいろな事を知る
年末年始の酒も抜け落ち着いてじっくり読もうと思っていたが面白かった
あっという間に読んでしまった



牢屋でやせるダイエット  中島らも

以前テレビで
中島らもの生活ぶりを映していたのをみた
よれよれへべへべのジャンキーおやじ
正真正銘のばかおやじ
「なのに」面白いのか「だから」面白いのか

一番すごいのは中島らもの奥さんだ

愛情だのボランティア精神だの憐れみだの
ひっくるめて全部飲み込んでも
「中島らもに尽くせる奥さん」になれる人はそういない

才能があるというのはこういうことなんだなぁ



朝食抜き!ときどき断食  渡辺 正

昭和初期から朝ごはんを食べるなと唱えてきた学者がいた
万病が防げる!治る!
どれどれ試してみようじゃないのと
夫と2人朝飯抜いて1ヶ月
何よりも良かった事
旅館の朝飯を…の方にはお茶を一杯だせばいい
娘2人分の朝飯の支度の簡単な事ったらない
あとは…
そのうち何かが起こるだろうか
まだ私の体に変化はない



大きな暮らしができる小さな家  永田昌民・杉元 薫

家を建てようと決めた時
まず建築雑誌をたくさん買い込んだ
「狭小地に…」とか「小さい家の…」なんていうのを片っ端から

ところがこんな題名つけてるくせに
広いのだ掲載されてる家が
だいたい建坪が20坪前後あるのがほとんど
一桁の家なんて相手にもされてない

私らが建てようとしているのは
何しろ11坪程度の土地に7坪の家
参考にもなりゃあしない

結局建築家さんに
「いやあ小さい!初めてですよコンナ小さい家たてるのは」と
面白がられ
楽しくも苦しい時を経て
そして完成した
小さいけど面白い家

永田昌民さんの建てる家も
美しく気持ちのいい家ばかり
写真や間取りを眺めていると
その家の暮らしてる音や光や匂いが
伝わってきます



伊藤ふきげん製作所  伊藤比呂美

初めて出産した時に伊藤さんの育児エッセイに出会いました
母乳しか飲もうとしない娘
頑として哺乳瓶を拒絶する
おっぱいに目盛があればと誰かが言ってたけど
赤ん坊のお腹にもあればと思った

「ずぼらがさついいかげん」
「一番大切なのは生かしておく事」

これでどんなに子育てが楽になったことか知れません

ところが伊藤さんも私同様に不安で混乱していたのです
自分自身で勇気付けていたのです

「自分に自信を持つ」
「自分の子育てを肯定する」
「自分の子どもを肯定する」
「自分をも肯定する」
これでいいんだよって

思春期の子ども(この本の中のカノコもうちの娘もそんな年頃です)を
肯定するのはそりゃあ大変なことです
むこうが不機嫌になれば
こっちも不機嫌になります
そんな私をまたまた伊藤さんは応援してくれようとしています



くいしんぼうマニュアル  大田垣晴子

こんなモン買ってくんな〜!って本


小泉武夫の世にも不思議な食の世界  小泉武夫
地球を怪食する  小泉武夫


昨年末あたりから
小泉センセの本が本棚に増えつつある

色とりどりの「おいしそう」な写真が並ぶ
心身共に充実してないとキャべジン1瓶あっても辛そうなものが
小泉センセの笑顔と共に



アホー鳥が行く  伊集院 静・西原理恵子

競輪選手の個人名だされても
麻雀の絵(牌の並んでる…なんていうの?)書かれても
そんなもん判んないのに
でも伊集院静が書くと許せてしまうよなあ
美男作家コンテストなんてあったらきっと上位入賞
そんな伊集院静をアホウ呼ばわりしちゃう
西原ネーサンがだーい好きなのです



父の縁側、私の書斎  檀 ふみ

家を建てる時に普通の人が考える事は
例えば間取りだったり収納の事だったりする
しかし私たちにとって本当に大事な事は
「どんな暮らし方をするか」を覚悟することだった
4人のプライバシーを重視するための間取りや
思い出の品やいつか使うものの収納は
私たち4人の居場所を快適に作れない
そのために
「物を減らす」「物を増やさない」と
きっぱりと覚悟することが必要だった

ところがどっこい
新しい服を買いたい
図工の時間のでっかい工作は「捨てないで…」

そして何より厄介なのが本
建て替え時に11冊を手元に残し
5000冊以上の本を手放した
夫にはその時の心の痛みが今も深くあり
その反動か物凄い勢いで増殖させている
そしてその痛みは「2度と本は捨てない」と
決心させてしまったのだ

檀ふみさんもやはり家を楽しんで建てた
そして「片付かない部屋」を持ち
片付かない物たちをいとおしんで暮らしている

私はといえば
家族が出かけた後の散々に散らかした物たちを
ひとりぶちぶち「捨てちゃうかんな」と言いながら
見えないところを探して押し込むのだ

この本には檀ふみとその父檀一雄が暮らした家
石神井の家のことがとても詳しくでている
間取りをきちんと覚えていて
「火宅の人」を読んでどんなおうちだろうと想像していた私は
これがとても嬉しかった



蛇にピアス  金原ひとみ
蹴りたい背中  綿矢りさ


文藝春秋で2編をいっぺんに
「若い2人が同時受賞」という先入感たっぷりの状態で読んだ

ちょっといぢわる言うね
本を読むって行為は
男になったり少女になったり素敵な家の住人になったり
不倫したり死にそうになったりすることだ
若しくは読んでる間中
映画やお芝居を観ている観客になれるっていう事だと思う
そうなれない本は私にとって
つまんない本です
残念ながらこの2冊はそんな本でした



ドラマスティックなひと波乱  林真理子

TVでいきなりのドアップ
物凄いインパクトでなんのCMかわかるまで少しの間があった

マリコさんは
○スでデ○でまるで私のようだ
でも決定的に違うのは(才能は別として)
幸せになろうっていう気合の入れ具合だと思う

いい女になる為に
外見を美しくすることに日夜努力し
そして多くのことに興味をもって中身をも磨く
その努力の果てに必ず幸せがあると信じてる
そうそう巧くはいかないぞという事もマリコさんは知ってるが
仕事をしながら子育てしながら
それでも今日も何かしたい何か面白い事を!と

○スのヒガミもデ○のイジケもなく
素直に幸せを夢見てる
そんなマリコさんが大好きです

でもねテレビにはお出にならないほうが…



言いまつがい  糸井重里

この本は今我家において食事時の塩胡椒味噌醤油のような存在になってます
食卓に常に置きっ放し
誰かしらがいつも手に取りニヤニヤグフグフ
なんてったって糸井重里さんです
おいしい生活にはなくてはなりません

子どもたちが小学校低学年の時
お使いを頼んだときの事
娘たちの馬鹿笑いの声で帰ってきたことに気づき
「どうしたの?ちゃんと買えたの?」
まだろくに漢字も読めない妹がおねえちゃんに負けじと偉そうに口をとがらす
「お母さん!これ!なんて書いたのぉ?」
スーパーの袋の中身はちゃんと『ケチャップと玉子』
私が書いて手渡したメモにはおおきく
『ケチップ王子』
これは書きまつがい



おめでとう  川上弘美

ガーゼの浴衣着たまんまヌル〜い風呂入って屁こいちゃったら背中と浴衣の間にぷわぁーと出来た気泡がぱちんと弾けてちょっと哀しくなった…
そんな本っだったよって夫が言うのでどれどれと読みました

でも私には
夫が脱ぎ散らかしたびしょびしょの浴衣を洗って竿に干し乾いたら皺のばしながら畳んでる時のような本でしたよ
日常おこるほんの些細な辛い事や哀しい事も結構いいもんじゃないって
なんだかしみじみとした気持ちにさせてくれました



オアシス  生田紗代

姉妹と母の3人暮らし
母は家事を放棄し長女にパラサイトして生きている
フリーターの妹はそんなOLの姉や何もしない母に苛立ちを感じ…

私は娘たちの母であると同時に娘でもある
娘として母に対し実に優しくない
「眠れない」と愚痴をこぼす母に「寝なくても死なない」と言い放つ意地悪な娘です

この本の娘たちは私と違ってとっても優しい
仕事に行く時間が迫ってるのに母が食べたいのといえば豚汁(だったかな?)なんて面倒な物も作ってあげるのだ
「食べなくても死なない」なんて私みたいに言わない

優しい娘になるのは難しい
優しい娘をそだてるのはもっと難しい
いい母親には到底なれそうに無い



最後のアジアパー伝  鴨志田 穣・西原理恵子

西原さんのふざけた漫画とカモちゃんの渾身のレポート第5弾
911以降支離滅裂の様相を呈してきたアメリカ
もうボロボロだよねそろそろみんなに愛想をつかされてきてる
そんなアメリカのブッシュの命令をうけたおそらく一番末端居るような兵士たちの事でこの本は締めくくられている
アフガンから沖縄の基地に戻った幼い兵士をスナックのママがなぐさめる
みんな故郷が恋しいのだという
ママのところに帰りたいと
そうして飲んだくれて日本の若いねえチャンに騙される

今はカモちゃん疲れ果てて不眠症で飲みすぎで100エーカーの森の中彷徨ってるけど
西原の「自分で出て来いっ!」って言う優しい励ましでまたいつかこの続きを書いてほしいなぁ



花は志ん朝  大友 浩

家族で車で移動する時にかけるカセットテープ
アンパンマンやウルトラマン、おかあさんといっしょ…
下の娘が日本語を理解できるようになった頃からこれらに取って代わったのが古今亭志ん朝だった
聞きやすい声のトーンや明瞭な語り口で子どもでもよくわかる
何度か聞かせているうちに面白さもわかってきたようで
あれよあれよという間にすっかり落語好きになってしまった
そして今や休みの日には父親と寄席に行き
志ん朝のテープで聞き覚えた話を聞いてきたと喜んで帰ってくる
百川の「ひゃくべえさん」や化物使いの「杢助」はおそらく
ハリーポッターやナウシカと同じように娘の中で生き生きと楽しそうに暮らしているらしい

本物の志ん朝を聴くことは叶わなかったが
そんなモンお構いなしで楽しい方に突っ走っていく今時のムスメだ
寄席通いで次なる名人をきっと探してくるに違いない



Twelve Y.O.   福井晴敏

緻密に計算されたしかもスケールの大きな小説
一人のテロリスト『トゥエルヴ・12』がコンピューターウィルスを使った作戦「キメラ」で米国に挑む
「キメラ」は実は日米双方の利害共有のための狂言計画
しかし『12』は日米を裏切り敵に回し要求を出す
この後がちょっと変だ
父親が実は前米国大統領でその父と12歳の時に分かれたきりの自分も
戦後アメリカに頼りきりの日本も
12歳の子どものままで先に進めないでいる
だから父親に会いたいのだと要求するのだ
『アメリカ』『テロリスト』『日本』『自衛隊』
読み終えたころ かの国で「日本人3人武装グループに拉致」のニュースが入ってきた
正義がすべて正しいわけではない



the wish list  バーバラ・アン・キプファー 向井千秋・向井万起男 共訳

邦題は『4001の願い』
宇宙飛行士の向井千秋さんがアメリカで偶然見つけてご夫婦で翻訳された本
とても素敵な本です
どうせ生きるんだったらしたいように生きたいよねと
「元気を出して大きな声で言える勇気」をくれる本です
あれがしたいこれが食べたい人のために何かしたい人に何かして欲しい
ということが4001個もただただリストアップされてるだけです



「家をつくる」ということ  藤原智美

前半はプレハブ住宅を取材する事からはじまる
いわゆる「なんとかハイム」とか「○○ホーム」とかいうもの
建てては壊しという使い捨て住宅を反省して今は50年も100年も持つ住宅をつくっているという事がわかる
工場で規格に合わせた物を組み合わせる事でコストを下げる
廉価で質の良い住宅供給をということだ

ところが
「木目調」木じゃないのに木のように見える建材
せっかく永い事暮らそうとする家なのに 古びてこないのはおかしくない?
大黒柱まで樹脂と木屑で作っってしまおうとする(いくら木屑の再利用だとしても)
作者が言うように
そのうち本物の木を見て気味悪いと思う子が出てくるのではないか

後半は家と家族のかかわりについて
外とのつながり(パソコンや携帯そしてテレビ)はあるが内との接触を阻む(鍵付き)子ども部屋
個人の物で溢れよその人を招き入れる事の不可能なリビングルーム
これらが子育てにどう影響するのか
精神科医の言葉も交えて問題提起される

家を建てる前に読んでおきたかったなと思ったが
考えてみたら読んでから建ててもどうにもならない
7坪の家に子ども部屋をどうこうしようなんて悩む余地はない
トイレにさえ扉は無いんだから



NANA 1〜10  矢沢あい

本屋の払いは当然親という娘たちが自らの小遣いで買った初めての本(漫画)
おつむにオトコの事しか入ってないムスメさんと
成功夢見るバンドのコたちが
田舎から上京し偶然に出会い都会で暮らすお話
その日暮しのフリーターでお洒落な部屋に住みケータイの支払いを食費より優先する
今時のコたちが貧弱な体に貧相な顔つきになるのがナルホド頷ける
今のうちにうちの子たちにはいっぱい栄養付けとかなきゃなんて思いながらずんずん読んでしまった
結構面白いじゃん



エースをねらえ!  山本鈴美香

連載中(随分前のことですね)夢中になって読んだ
たてロールの女子高生お蝶夫人やベンセイシュクシュクを謡うトードーさんにはその当時でも不思議さはあったものの
宗像コーチの死にショックを受けたり心の成長という事を感じたり
学ぶ事の多かった漫画だったと思う
久しぶりにまた読んだ
面白いですよと夫に今薦めているが読む気配は…なさそうだ



  浅田次郎読本 待つ女  浅田次郎朝日新聞社文芸編集部編

浅田次郎は私より9つ年が上だ
私が9歳の時浅田次郎が18歳そして三島由紀夫は享年45歳くらいだったらしい
私にとって三島由紀夫はその死をニュースでかすかに聞きその後は国語の教科書の文学年表に出てくる作家でしかなかったが
浅田次郎にとっては偶然遭ったことさえもが自慢話になるくらいの存在だったという
同じように自衛隊に入り同じように文学の世界に入った

私は18歳のころに人生変えちゃうくらいの本に出会っているだろうか
あの頃読んでいたのは…五木寛之や村上春樹そして司馬遼太郎
人生変えちゃうどころか迷うばかりだったなあ
でもこの頃が本を読むことが一番楽しかった時かもしれない
寝る時間も勉強する時間も本を読む時間には勝てなかった頃

『待つ女』は30何年もの間女が自分を待っていてくれたもかもと都合のいいこと考えてる腹の出たおじさんのお話
そんな女いる訳無いよなあ!さっさと違う男と幸せになってるよ
と分かっていながら世のおやじたちはこれ読んで泣くのですね



ダーリンは外国人 1・2  小栗左多里

漫画家さんが書くエッセイの中でこれは相当面白いと思う
トニーさんが好いのだ
自分の信じる生き方を貫く強さを持っててしかもそれをほかの人に強要しない
加えてオクサンを包み込んで余りある心の大きさを持ってる

お〜い、私の周りにいる夫たちよ!
貴方たちの愛すべきお馬鹿ぶりはしぶしぶ認めるけど
トニーさん曰く「人間として変化していきながら自分たちの愛を養っていく力と決意」はありますか?
「人間としてなかなか成長せず自分への愛をひたすら養い続けてる」だけじゃだめなんだよっ!



毎日かあさん  西原理恵子

西原さんにしては実にしみじみとした哀しみがひしひしと伝わってくる一冊でありました
だいたい西原さんがちゃ〜んと子育てしているっていうのが驚きだ
子連れでメコン川泳いじゃう事を密かに期待していたのだ
ひらがなを教えるより先にマージャンの牌を教えてやって欲しかったのだ
そうしてさすが西原!と大笑いしたかった
でも実際は保育園で泣かずに我慢するムスメの背中にじ〜んとしたりして
毎日毎日かあさんしてるのだ

『いつか』という題名の中でカモチャンがいう
「僕はカンボジアでたくさんの死体をみてきたからカンボジア人の子供一人ほしいな」
西原が「いいよ」と答えると「ありがとう」とカモちゃんが言う
この漫画書いてる頃二人が別れたと知りますますじ〜んときちゃいました



夫・力道山の慟哭  田中敬子

恥ずかしいことに知らない事だらけだ
力道山のことは黒いタイツのプロレスラーとだけしか知らなかった
北朝鮮出身だった事も
相撲取りだった事も
自分で髷をちょん切り廃業してプロレスに転向した事も
暴力団と繋がりがあった事も
それなのに警察署長の娘の著者と結婚した事も
半年後に刺されて死んじゃった事も
著者がその後プロレス興行の会社を引き継いだ事も
本を読んで初めて知った
そしてなにより驚いた事は
僅か半年の結婚生活しかなかったこの著者が
40年経った今になって
「力道山が母国と日本両国の問題解決の秘策を持っていた」なんて 言っちゃう事だ
しかもその秘策というのが半島をスイスにするという事だからもっとびっくり
それからもうひとつ
著者曰くそんな力道山の跡を継ぐのは猪木なんだそうだ
確かにあの「元気ですか〜!」聞くと思わず笑っちゃうよね



刑務所の中  花輪和一

これは漫画です
なんか金もないしぃかったるいしぃそこらで誰かぶっ刺して来ようかぁ
なんて考えている人(そんな人回りに居たら怖いけど…)に読ませたら
それそれって実行しちゃうようなこわい漫画です
だって誰とも会わなくていいし仕事は頭を使わなくていいし
何より素敵なことに
「医者から見離されたがん患者も三ヶ月でケロリ」なくらいバランスの摂れた食事が忘れず3度3度出るんだよ
てな事が描いてある
私もいきたいなぁって言ったら夫の冷たい視線に刺されてしまいました



博士の愛した数式  小川洋子

いつも家族に対して 口うるさくガミガミしている私ですが
この本を読んだ後はなんだか「やさしいお母さん」になりましたよ!
ほんの数分ですがね
数学はけっして得意な教科ではなかったけれど たった一つ出た答えが正解だと嬉しかった
√-1は?存在しないのでは?と問いかける二人に 博士は胸を指差して「ここにあるよ」と教える
「遠慮深い数字で・・・小さな両手で世界をささえているのだ」と
こんな風にすてきに教えてもらったらもっと数学が好きになってただろうになぁと思う

読後に優しい気持ちにさせてくれる良い小説でした



誇大毛想  神足裕司編

最近マークグリーン先生のポストカードをPC脇に貼っている
8シーズンで逝ってしまったマーク
失意のあまりERをやめようかとさえ決意しかけたほどだ
それを見た家族や友人が皆納得したように肯く
「はげ好きなんだ…」

ちがうって!
まだER始まった頃のA・エドワードにも
出会った頃の夫にもまだ髪があった
いつの間にかだんだんとだんだんと…

「ハゲがハゲを相手にハゲを語りつくす」と題したこの本
面白いよ〜!

この本をレジのおねーちゃんに持ってったハゲの夫の勇気に拍手!



みんな誰かの愛しい女  林真理子

「最初で最後の出産記」
これが読みたくて買いました

子供にまつわる幸福な気分は「家庭内幸福感」であり他人にいうことでは無いとマリコさんはいう
そして読者から
「子供を持った時に子供を産んで人生が初めてわかった、
やっと人生を知った、という女の人だけにはならないで」と手紙を貰ったマリコさんは次のように書いている

『これから多くの体験をするだろうが、それを熟成させ、元の形がわからなくなるまで長く長く私の中にとどめておく。
そしてそれが幾つかの表現となって私の体から出て行く。そんな大人の分別と物書きとしての姿勢を持っていきたい』

私は子供がいる生活を決して特別なことだなんて身構えず
人間が生きていく営みーご飯を食べたり眠ったりそういうことの中の一つなんだと考えられたらいいと思う
美味しかったとか良く寝たとかと同じレベルで
淡々とよく大きくなったと喜びたい
それが本来当たり前のことなんだから
善いも悪いも自分の人生がどうこうなんて子供に背負わせたりしたくない



波のむこうのかくれ島 椎名 誠

いつか南の島で暮らしたいとなんとなく思っていた
幾度か訪れたバリ島で
暑くなったら木の下に行き腹が減ったらご飯と少しの辛い肉をバナナの葉に包んだ弁当?を食べ
夜になったら蚊取り線香を焚いて早起きするために早く寝る
そんな生活がすっかり気に入ってしまったからだ
泳げないし言葉もわからないがとりあえずビンタンと人懐っこいバリニーズがいれば飽きる事は無かった

現実には金も手もかかる娘たちや年老いた4人の親を思うと夢の話
でもシーナさんのこの本を読んでまた何処か南の島にいきたいなあとうずうずしています



洞窟オジさん 荒野の43年  加村一馬

作者=洞窟おじさんだとは驚いた
43年も山で暮らし社会に出てわずか4ヶ月で本を出してる!しかも自分で書いて!!
どこかの加村さんがおじさんの事を書いたのでは無く加村さんはおじさん本人なのだ
ついこの間テレビや新聞で話題になってた人が書き本になって本屋に並ぶこの速さ
おじさんはもっと驚いてるでしょうね
この勢いで早く家庭を持ち一人ぼっちだった寂しさを埋められるといいですね

巻末のサバイバル術
ヘビのたたきとかヘビ干しとか…
面白く読んだのだけどこれって誰の役に立つのやら…



精神道入門  小栗左多里

「ダーリンは…」がとても面白かったので期待大で読み始めたのだが
残念ですが最後まで読めずに寝てしまいました
本屋さんにお願いしたい
「ダーリンは外国人」と一緒に平積はしないほうがよろしいかと



大河な日日  三谷幸喜

高校生の時に読んだ「燃えよ剣」「天まであがれ」以来の新撰組ファンです
しかも大河では大好きな土方歳三をこれまた舞台で直に見て以来大好きな山本耕史クンが演じる
しかも三谷幸喜の脚本で!

実際放映された山本歳三さんはとっても素敵でした
しかし2〜3時間の映画ならまだしも日曜の8時に一年間はちょっと無理

普通の人のようで普通ではない人の日常を覗ける面白いエッセイ
三谷さんにごめんなさいをしながら読みました




行けば必ず後悔する超人気スポット  渡辺トモヒロ

読んで後悔したガイドブック


「北島康介」プロジェクト  長田渚左

今朝の新聞だったか
柔道選手のトレーナーをされている方の記事を読んだ
吉田選手が怪我をした晩「隣に寝て欲しい」と云うくらい頼りになる人だと言う

一番金メダルに近い北島選手にもそんな人たちが5人いる
驚いた事にそのひとたちがほとんどボランティアに近い形で携わっていると言う事だ
同じスポーツ選手の中にはたくさんのお金で一流のスタッフを雇い華々しい生活をしている人たちもいるというのに
作者の長田さんはそんなお金ではなく自らのプライドを一番大切にして生きてる人たちを見て欲しいと言う
頑張れニッポン!この暑い夏がますます暑くなりそうだ



海を越える想像力  加賀見俊夫

夫はとてもディズニーランドが好きだ
といってもミッキーさんやダンボが…というのではなく
TDLの内側の内情や経営術や裏話が好きなのだ
これまでにもたくさんそういう本を買ってきては読んでいる
その中で私が一番おすすめ!がこの本

作者の加賀見さんはオリエンタルランド社の社長さん
なんとこの会社の創立が1960年だそうでその後開園まで23年もかかっている
アメリカのレジャー会社がただ日本に進出してきたなんて単純な話ではなく
日本人のおじさんたちの大いなる意欲や夢や根性がTDLを作ったのだ
そういうことを知って遊びに行くとまだ少しは楽しめる
そうでなかったらあんな人工的な化学調味料みたいな気持ちの悪いとこは遠慮したい…と思う



気持ちのいい「ふたり生活」  渡辺 葉

作家さんの名前だけで買ってしまった
椎名誠さん一枝さんの長女
両親の書いたものは読んではいたがさすが娘さんも物書きになったんだ
と思ったのもつかの間
最近の流行の「普通の生活」とか「すてきごはん」とか「やさしいエコ」なんて感じでてんで拍子抜け
ソコラに置いとけば娘が読むかしら



バイトの達人  原田宗典

初めてのバイトは本屋だった
大型本屋がそんなに多くなかった頃だったので
さほど広くない売り場面積のお店だが駅前にあったせいか夕方には結構お客がいた
40代の店主のオクサンと20代の男性社員そしてアルバイトの私
学校帰りに行くとまず返品本の伝票書きとその荷造り
新書版や文庫はダンボールに詰め 雑誌は紐でくくる
倉庫の薄暗い片隅に大量の返品本があると今日はずーっとここかぁとため息
これがさっさと終ると店に出られる
売れた補充カードを見てストックされているものは棚に出し無ければはんこを押して注文用の封筒に入れる
それをたまにオクサンが見て注文したくない物は破って捨てる

金持ちの道楽で駅前に土地もあるし本屋でもやるかと始めたようなこの店
品揃えはオクサンの意見が反映されていた
そのころオクサンがはまっていたのが渡辺淳一で文庫も新刊もすべてきちんと揃っていた
店主はいつも商業会とか町会とかの集まりで留守が多くお店と子育てでイライラしていたのだろう
店主がこの棚充実させるようにと社員に指示していた経済の本棚の補充カードはことごとくオクサンが破っっていた


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