そこは典型的な昭和時代の日本家屋。こじんまりとした畳敷きの居間で、やや古びた卓袱ちゃぶ台にいくつもの書籍が重なっていた。
 それらを読むのは一人の少年。いま彼が目を通しているのは月に関する科学読本だ。
「また図書館から借りてきたのかい。あの日以来ずぅっとそんな調子じゃなあ」
 熱心に読書にふける少年に向け、彼の祖父が声をかける。
 その声に、少年はようやく顔を上げた。はつらつとした表情で答える。
「当然だろ! いつか俺は宇宙に行くんだから、いまからちゃんと勉強しねえと」
 かれこれ半月ほど前に世界的に報じられた、ソ連のガガーリンによる人類史上初となる有人宇宙飛行達成。その歴史的偉業を目の当たりにしてから向こう、この少年は宇宙の事を学ぼうと様々な書籍を町の図書館から借りてきては、熱心に勉強していたのだった。
 その原動力はたったひとつの夢。自分もいつか宇宙へ行くために。
 老人はそんな孫の姿を好ましく思いつつ、
「まあ勉強熱心なのは良いことだが、少しは身体も動かさんとな。ほれ」
 そう言って彼に一降りの木刀を差し出す。
「あれっ? もう稽古の時間だっけ?」
「いまはそちらに精を出しとるようだしなあ、今日は軽めに済ませるか?」
「そうもいかねえよ。宇宙に行くんなら身体だって鍛えないと駄目だもんな!」
 紐のしおりを挟むと、木刀を受け取り、さっそくというように自宅に併設された道場へ向かった。その顔もまたはつらつとした表情。
 宇宙を見据えた勉学と、心身を鍛えるための稽古。少年の日々はいままさに充実していたのだった。


 場所は地球。
 ユーラシア大陸より東、極東とも呼ばれる島国日本の、とある町とある民家での一幕。

 物語は此処より118光年の彼方・・・・・・・・で繰り広げられる。



 

 

 

 

 


流星剣閃 クラウソーラス2

 

 

 

 

 

 



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