メドローアは極大羊の夢を見るか
『ダイの大冒険』雑感



 とりあえず、一番大事なことを最初に宣言しておこう------
ポップは俺の嫁。これは決定事項。文句がある奴は前へ出ろ。俺は誰の挑戦でも受ける!(←そこまでいきがるほどのことか)。

 


 
『ダイの大冒険』はポップの大成長物語でもあると思う。圧倒的な素質と心の強さを持つダイはまさに勇者と言うに相応しい。それに比してお調子者でヘナチョコですぐに弱音を吐いて臆病なポップはまるで正反対の凡人代表のようなものだ(魔術の素質だけで言うなら天才レベルだと思うが)。
 
 だがちょっと待って欲しい。最初から強い人間が更に強くなるのもそれはそれで素晴らしいが、弱い人間が自らの弱さを克服して強くなろうとする姿こそ何より素晴らしいのではないか。恐怖にへこたれない者よりも、恐怖を知りながらなおそれに立ち向かおうとする姿勢こそ立派なのではないか。
それこそがまさに勇気ではないのか。勇者という単語を「ドラクエにおけるエリートクラス」と解釈するなら、それが相応しいのはまさしくダイだ。だが勇者を「勇気を持って立ち向かう者」と解釈するならポップ以上に相応しい人間はおるまい(これは本編でも触れられていたことだが)。ほとんど絶対的と言っていいほど力の差がある相手に対し、決して諦めず、無茶をせず、勇気と知略を以て立ち向かう姿は、まさに”自分にとっての勇者”の理想像である。絶対的な戦闘力を誇り、ダイの最強の奥義であるギガストラッシュさえ完封した大魔王バーンの奥義『天地魔闘の構え』をポップが正面から打ち破ったときには危うく失禁しそうだった。これだよ、これ! 勇者って奴はこうでなくっちゃ!! ”三刀流”ゾロの兄貴の男気にも痺れるが、こういうタイプの勇者もやっぱり素晴らしいと思う。とりあえずポップの成長だけに焦点を絞っても、『ダイの大冒険』は十分に読む価値のある傑作だと思う。もちろんそれ以外にも魅力的なキャラが大勢登場するので、十分に楽しい作品ではあるのだが(ダイも結構好きだし)。以下に好きなキャラをつらつらと。




俺は不死身の伊達男・ヒュンケル
 やっぱり良いね。こういう暗い過去を背負った二面性のあるキャラは。その
影のある魅力を存分に発揮できたキャラだったと思う。ちょっと大人びた兄貴分として、困ったときにはすかさず現れるお助け役として、大活躍してくれたしね。「ブラッディースクライドだけでは後半の強敵相手には辛いかなー」と思っていたら、ちゃんと新技身につけてきたし。一歩間違っていればこっちが主人公になっていてもおかしくない設定だよね。キングの部隊を一人で撃破したときには痺れた。ラーハルトと完全にキャラが被っていたときには笑ったが(こいつら武装まで被ってやがる)。




ヒュンケルに勝てれば満足です・ヒム
 
良いよねー、こういう単純熱血バカ。ものを考えない性格が良い方に転がっているというか。初登場の時に彼がここまで大躍進すると誰が考えただろうか。下手すりゃ(文字通り)駒の一つで終わっていたかも知れなかったのだから。ミストバーンの闘気滅砕陣を一踏みで蹴散らしたときにはゾクゾクしたね。やっぱり強敵(とも)を持っているキャラは輝いているよ。

ヒム「俺にとってアンタは”壁”なんだよ!!」

 個人的にはすげー応援してやりたいキャラなのだが、きっと
ヒュンケルには永久に勝てないんだろうなあ(苦笑)。いっそのこと魔法生物である利点を生かして、年食ったヒュンケルに挑むというのはどうだろう?------五十歳くらいのヒュンケルにあっさり返り討ちに遭いそうだが。




我が人生に一片の悔い無し!・ハドラー司令
 
俺はハドラー司令(覚醒後)のためなら死ねます! いえ、いっそ「死ね」と命令してください、司令! 覚醒前のハドラーは実力の割りには性根がみみっちい小者でしかなかったのだが。覚醒後の司令はラオウともタイマンが張れそうな”漢(おとこ)”に大進化である。まさにバルスキー(by『メタルダー』)と並んで理想の上司ナンバー1だろう。ダイのアバンストラッシュ・クロスの前に覇者の剣を叩き折られてねじ伏せられながら、何事もなかったかのように立ち上がり闘気で刃を作り上げたときには危うく失禁しそうだった(よく漏らす男だな)。そして最後の最後まで命を燃やし尽くした挙げ句、生涯の宿敵たるアバンの腕の中で満足そうに逝った最後はまさに男泣き。ラオウの最後と並んで最高の大往生と言えるだろう。司令! 俺は司令のためなら(以下同文)。




絶対最強に偽り無し・大魔王バーン
 
これほど「大物」という言葉が似合うラスボスもいないだろう。何というか、単に「強い」だけでなく懐の広さというか志のでかさを感じさせる辺りは、さすがとしかいいようがない。まさにカリスマ。ダイという最強の勇者を前にして、一歩も色褪せない存在感は特筆に値すると思う。やっぱり悪役が輝いている作品は名作が多いなあ、っていうか……すみません、ハドラー司令。自分は……こちらにも……惹かれるものが(笑)。



 
 -----と言うわけでつらつらと語ってきたが、結論としてはこうなる。
ポップよ。俺の嫁になる前に早く三角関係を清算してこい!!


おしまひ


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