天上人は神の国の夢を見るか
〜『ガンダムダブルオー考察』〜



 とりあえず意味もなく『ダブルオー』の考察を書いてみる。いや、本当に大した意味はありません。最近不眠症気味なので、眠れない間につらつらと考えたことを駄文に変換して書き流してみます。



☆神を倒すのはいつだって人間だ
 いきなり大上段に振りかぶっているが、実は全く分かっていなかったりする(笑)。とりあえず憶測全開なので、話半分に聞いていただきたい。

 この場合の「目的」とはすなわちイオリア・シュヘンベルグの目的と言い換えても問題ないと思う。彼以外の全て(今は亡きヴェーダも、恐らくはリボンズも)は彼の目的の上で踊る道化に過ぎない。あえて違いを挙げるなら、賢く立ち回る道化と、失敗して生け贄に捧げられる道化に別れるというくらいか。イオリアの狙いは二つのポイントに要約されると思う。一つは
エネルギー問題の解決。そしてもう一つは地球圏を統一する勢力の確立。この二つは必ずしも不可分ではないが、彼はあえて二つを同時に解決する手段を選んだ。それがソレスタル・ビーイングの設立ではなかろうか。


 古来より映画でもお馴染みだが、「圧倒的科学力(戦闘力)を誇る異星人の侵略」という要素は、実に容易く人類を一体化させる。そう、現代でもどこぞのテロ国家がやっているように、外敵を設定して一致団結を図るというのは、非常に効果的な方法なのだ。だからイオリアは
圧倒的戦闘力を持ち人類そのものに等しく攻撃を仕掛ける”外敵”としてソレスタル・ビーイングを設定した。人類の意志を一つにするために。ソレスタル・ビーイングは「支配者」でも「正義の味方」でもない、「敵」として設定されたのではないかと推測する-----そしてそれは、ソレスタル・ビーイングが予定調和(ハッピーエンド)の中では滅びなければならない存在であることも意味している。

 もちろんイオリアが戦争根絶を本気で信じて、ガンダム四機で地球征服を企んでいた、というあんも決してゼロではないと思う。だが、これだけの科学力を持ち気が遠くなるような計画を立てる人間が、そんな子供じみた思慮だけで動くというのは考えにくいのではなかろうか。


 かくして予定調和の幕は開ける。人類全ての敵として猛威を振るった四機のガンダムは人類の意志を一つにまとめ、そして”偶然にも”ガンダム側のオーバーテクノロジーが地球側に漏洩する。まさしく映画のシナリオ通りではないか。いや、今どきハリウッドでもここまで陳腐なシナリオは作らないだろう。地球圏は曲がりなりにも統一され、そしてエネルギー問題も解決された。ここまでは(・・・・・)イオリアのシナリオ通りだろう。



☆そして人間の最大の天敵は、人間
 だが、イオリアのシナリオから外れた要素が二つあった。一つは生き残った刹那たちソレスタル・ビーイングと彼らが有する太陽炉。その製作において技術的ハードルよりは、恐らく時間的ハードルが高いであろう真・太陽炉は、地球側の手には渡らなかった。これが本当にイオリアのシナリオには無い要素なのか、実は自分には断言できない。

 しかしイオリアの願った当初の目論見が成就したあとでなお、統一されたはずの人類が愚行を繰り返して進歩を停滞させしまう可能性まで彼が読み切っていたのなら、そして人類を力ずくでも進化させる要素として対人類用恒久性外敵(ソレスタル・ビーイング)を設立し無限機関である真・太陽炉を託したというなら、もうそれは
神の領域だ。星の歴史や種の進化に干渉するレベルの、人ならざる神の御業だろう。


 そしてもう一つのイレギュラー要素はリボンズだ。自分は先に「リボンズも道化に過ぎない」と書いたが、これはある意味では正しいし、そしてもしかすると間違っている。彼が道化として設定され、道化として踊り、道化として消えていくこと自体は間違いないと思う。ただ彼は「自分が道化であり、踊らされている」ということを自覚している数少ない人間に見える。

 かつてアレハンドロは踊らされることを否定し、自らが踊らせる立場に立とうとしたが、結果はご覧の通り。小説の登場人物が、自ら小説の書き手になることが出来ないように、身の程に過ぎた野望に破滅させられ、消えていった。


 だが、自分から見る限りリボンズは踊らされること自体を否定していないように思える。とりあえず自分が一番効率よく、要領よく踊って実利を得れば、それが他人のシナリオで踊らされているのでも構わない。リボンズは登場人物から書き手に変わって物語を支配するのではなく、
登場人物のままで物語を思い通りに操ろうとしているように見える……何だか抽象的な表現でスマソ。要は他人の尻馬に乗って美味しい目を見ようとしているコバンザメ野郎って感じかな。

 これだけならそれほど脅威でもないのだが、それにあの恐るべき
王大人(ワン・ターレン)-----じゃなかった、王留美(ワン・リューミン)が加わると劇的な化学反応を起こしそうで怖いね。同じく世界の変革を望む者でありながら、その向いてるベクトルは恐らく真逆。世界の終わりを目指す者と、世界の始まりを目指す者。共に第一手は大いなる破壊。イオリアが世界と人類の再生を願って鍛えた天上剣(ソレスタル・ビーイング)をどう使うのか。セカンドシーズンのキーポイントはその点ではないだろうか、と愚考する次第。




 -----というわけでダラダラと書いてみましたが、意外と文章になるもんですな。頭の中で考えていたときはもっと漠然としていたんですが。何でも形にしてみるものです。ちなみに
以上の文章は自分の妄想120%全開なので、もし全然違っていたらごめんなさい。自分よりよっぽど詳しい人は大勢いると思いますので、こんな駄文を考える奴もいる、くらいに読み流していただければ幸いかと。


おしまひ


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