ハルシオンランチ 一巻
沙村広明 講談社



 自分はこんなに酷い漫画を読んだのは久しぶりである(注:褒め言葉)。いやもう酷い、色んな意味で。どれくらい酷いかというと、酷くないところを捜そうとしてもほとんど見つからないんじゃないか、といいたくなるくらい酷い。中身スッカラカン。ストーリィ? 何それスワヒリ語? 設定は邪気眼厨二病全開。サブカル、ヲタネタどっぷり。酷い。

 しかし何が一番酷いかって、
この作品のお陰で俺は危うく笑い死にするところだったのが一番酷いんじゃないかと思う。久しぶりにベッドの上で腹を抱えて笑い転げてしまった。腹筋強化完了! 一コマに込められたネタの密度が半端ないのに、それを全然くどく感じさせずにテンポ良く読ませてしまうこのリズム感を何に例えればいいのだろうか。贔屓目かも知れないが、これこそまさしく天性のセンスではないかと思う。


 
「いいか! これが『この世で勝手に喰っていいモノ』リストだ!! このリストにないものは今後絶対俺の許可無く食うな!! 破ったらモンゴリアンチョップにて制裁するッ! どんなチョップだか知らんが!


 内容はナンセンス不条理ギャグでしかないのだが、先に述べたテンポの良さに加えて、微妙にツボに入ってくるヲタクネタ&時事ネタといい、ノリツッコミだけで突っ走る狂気と常識の綱渡りといい、
おっそろしいバランスの上に成り立った最低に最高なゲテモノ漫画であるといわざるを得ない。いや難しいこといわなくても、単なるゲロ漫画で済んじゃうんだけどね。『地球外美少女がイート&オート』-----本作の煽りなのだが、これほど端的に本作品の内容を言い表した一文はあるまいて。


 「ガスで焼いた鰻なんて鰻じゃねぇんだ!!」

メタこはこんらんした!

 「サリバン先生! 我々を導いてくれ!!」

ステータス異常:やけくそ


 最後に登場人物を紹介することで、この作品の雰囲気(カオス)を少しでも感じ取ってくれればと思う。

・化野 元(あだしの げん)-----主人公。アラフォー。
超ひも理論を体現した(元)経営者。現在無職。

・ヒヨス------ヒロイン。昨日空間から現れた大いなるエニグマ(元さん談)。
超獣がっちゃん。

・メタ子------理系ヤンキー。お兄ちゃん萌え。多分一番まともにヒロインしている。

・沖 進次(おき しんじ)------元の元部下。こいつの持ち逃げによって元の会社は潰れた。
元カノの裸で貯めたゲージを、今カノの為に放出する男。

・トリアゾ-----ヒヨスの同族。本作中一番常識人っぽいが……。八戸壊滅の張本人。

・アスキー犬-----デコ電+ド○ラ+うまい棒+アスキーアート。一言で言うととても気の毒な存在。


おしまひ


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