オーディンスフィア


 まず最初にしっかりお断りしておくが、今回のレビューは徹頭徹尾批判に終始するつもりである。いや、もっと平たく言うなら
本作のクソゲーたる所以を、あらゆる語彙と罵倒語を駆使して徹底的に”解説”するつもりである。よって本作のファンの方が読めば100%間違いなく不快を感じることをあらかじめ保証しておこう。だから以下の文章に目を通す方は自己責任でお願いしたい。



 さて。
自分が本作の致命的な欠点と考えるのが「パワーゲージ」である。と言ってもこのゲージの存在そのものは欠点ではない。無軌道な連打攻撃を抑制するための制限と考えれば、料理次第では作品を面白くするスパイスにも成り得ただろう。ただ、本作においてその料理法は最悪(素人以下のレベル)であると言わざるを得ない。

 「パワーゲージが無くなったら攻撃力半減」というならまだ分かる(自分としてはこれが適当だと思う)。百歩譲って「パワーゲージが無くなったら攻撃不可」でもまだ何とかなったかもしれない。だが本作では
パワーゲージが無くなったら無条件でピヨるのだ。正直言って自分は未だかつてこんなシステムにはお目にかかったことがない。言葉にすると「へぇー」ってな感じだけど、目の当たりにするとビビるよ? 普通に攻撃ボタンを連続で押してるだけで自動的にピヨるんだよ? こんなことを正面から聞くのもどうかと思うが、製作スタッフは正気か? あるいは一回でもテストプレイをしたのか? 「テストプレイしてない」というならプロ失格だし、「テストプレイした」と言うならセンスが無いにもほどがある。



 アクションゲームの肝の一つに「状況に応じて最良のアクションを選び、それをより速く、より正確に実行する喜び」というのがあると思う。然るに本作ではパワーゲージが無くなりかける(友人曰く「カラータイマーが点滅する」)と、もう逃げる以外に道がない。
なんじゃそら? と思う、マジで。これだけ選択肢が少ないアクションゲームって珍しいだろう。「サイファーやアイテムがある」と反論する人もいるかもしれないが、そういった副次的要素とは関係ないアクションゲームとしての選択肢が絶望的なまでに乏しいと思う。

 自分なら「パワーゲージが無くなったら攻撃力&防御力半減」辺りが適当ではないかと考える。良質のアクションゲームには『流れ』がある。敵の戦力、敵のアクション、敵のHP、敵の攻撃方法など千変万化する状況の中で、最良のアクションを選択し実行するのがアクションゲームの喜びだろう? ボスの懐に飛び込んでコンボを叩き込んでいる最中にパワーゲージ切れ。一端引いて仕切り直すか? それとも攻撃力と防御力が半減するリスクを背負ってでも畳み掛けるか? これだけでも既に二択が発生している。これに「パワーゲージが切れている最中にガードで相手の攻撃を受けると、ゲージ回復速度UP」を加えると、あえて相手の攻撃圏内にとどまり攻撃を凌ぎまくってゲージ回復を目指す、という三択が生まれる。「パワーゲージが切れている最中は『投げ攻撃』が可能(ただし敵の投げ抜け、投げ返し有り)」にすれば四択になる。自分のようなド素人でもこの程度は思いつくのだから、曲がりなりにもプロを名乗るならこの倍の選択肢は思いついて欲しいし、そのうちの半分くらいは実現して欲しいと思う。それが出来ないならプロを名乗るな、とまでは言わないが、少なくともプロとしては大いに恥じ入って欲しい。今どきなら同人作品でさえ、
本作より遙かに高い次元で基本コンセプトを組み立てている作品がいくらでもあるのだから-----マジで恥ずかしいぞ?



 そんでまた敵も鬱陶しいんだ、これが。ザコ敵でさえスーパーアーマー標準装備。相手が攻撃モーションに入ったら、即死できる攻撃を繰り出す以外に止める術がない。こっちは「のけぞり」があるんだけどね。しかも複数同時登場。分かる人ならこれだけでどれだけウザイ状態になるか分かってもらえると思う。『ストリートファイター』で例えるなら、
スーパーアーマー搭載のケンを五人同時に相手にしているリュウ(必殺技封印、攻撃ボタン連続十回押しで自動的に気絶)みたいな感じ。何て言うかね……逃げるしかないのよ(苦笑)。難易度を保つためにプレイヤーキャラに山ほど制限を課すなんて、ハッキリ言ってセンス無さ過ぎ。せめてタイマンだったらまだ救いようがあったのかも知れないが……。ボタン連打による単調なごり押しゲームにしたくなかったという志は感じるのだが、結果として単調な逃げ回りゲームになってしまっているのがこのメーカーの実力を物語っているのでは無かろうか。

 シナリオに関してはクリアしていない身なのであまり多くは語れないが。グウェンドリン編の序盤だけプレイした感想を言わせてもらえば、
ハウス名作劇場・ゲーム版って感じ。主人公のやることなすこと全て裏目裏目に出て、ただひたすら不幸になっていくだけのストーリィを面白いと感じるなら十分有りだと思う。



 それで結論は最初に出ているのだが、改めてもう一度言わせてもらうなら本作は「グラフィックだけは素晴らしいクソゲー」、あるいは
「アクションRPG風味の良質グラフィックソフト」という所だろうか。ホント、グラフィックだけは掛け値無しに素晴らしいレベルなんだけどね。それ以外には何一つ見るべき所はない。それを覚悟で手を出すなら、多分楽しめるのでは無かろうか。


おしまひ


 戻る