■千年女優
2002年9月6日 有楽町朝日ホール

 英語題『CHIYOKO MILLENNIAL ACTRESS』。原案&脚本&キャラクターデザイン&監督:今敏(『東京ゴッドファーザーズ』ほか)。脚本:村井さだゆき。キャラクターデザイン&作画監督:本田雄。作画監督:井上俊之&濱洲英喜&小西賢一&古屋勝悟。美術監督:池信孝。演出:松尾衡。撮影監督:白井久男。音響監督:三間雅文。主題歌&音楽:平沢進『ロタティオン[LOTUS−2]』。アニメーション制作:マッドハウス&ジェンコ。2001年、日本映画(製作:WOWOW&角川書店&GENCO&クロックワークス&バンダイビジュアル)。カラー・ビスタ。ドルビー・デジタル。上映時間87分。2002年9月14日から全国松竹・東急系にて公開。チェーン・マスターは渋谷東急3(現:廃館)。配給:クロックワークス。世界配給:ドリームワークス映画。
 声の出演者は以下の通り。現代の藤原千代子(声:荘司美代子)。最盛期の藤原千代子(声:小山茉美)。少女時代の藤原千代子(声:折笠富美子)。ビジュアル・スタジオ・ロータスの社長である立花源也(声:飯塚昭三)。銀映の先輩女優である島尾詠子(声:津田匠子)。銀映専務の甥で後に監督となる大滝(声:鈴置洋孝)。千代子の母(声:京田尚子)。千代子を見出した銀映専務(声:徳丸完)。あやかし美濃(声:片岡富枝)。番頭(声:石森達幸)。若き日の立花源也(声:佐藤政道)。ビジュアル・スタジオ・ロータスの社員である井田恭二(声:小野坂昌也)。千代子の憧れの鍵の君(声:山寺宏一)。特高の傷の男(声:津嘉山正種)。
 第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞受賞。第6回ファンタジア映画祭(カナダ)最優秀アニメーション作品賞芸術的革新賞受賞。第33回シッチェス映画祭最優秀アジア映画作品賞受賞。東京アニメアワード劇場映画部門最優秀作品賞受賞。第57回毎日映画コンクール大藤信郎賞受賞。第76回アカデミー賞長編アニメ賞ノミネート(この時の受賞作品は『千と千尋の神隠し』であった)。
 さて、船の排気(蒸気?)が動いていないとか、雪の中走る千代子の息が白くないなど、細かい部分が気になったが、全体的には良く出来た作品である。注目すべき点は、「鞍馬天狗」や「くノ一」モノ、黒澤作品を彷彿とさせる時代劇、そして、世界的な原水爆モンスターにソックリな怪獣映画など、日本映画ファンなら嬉しくなること請け合いのネタが散りばめられている点だ。邦画ファンを自認するなら、是非、一食抜いてでも観るべきであろう。
 閑話休題。現実世界と千代子がかつて出演した映画(架空の世界)と千代子の空想(妄想?)が段々と混じり合い、最終的に1つになって昇華するという構成は素晴らしく、『ロタティオン[LOTUS−2]』が流れるエンドクレジットでは、あまりの心地良さに戦慄を覚えたほどであった。それだけに、前記、細かい部分が気になる。もう少し煮詰めれば、傑作になり得ただけに惜しい作品であった。

●おすすめ対象
 (特に旧作の)邦画ファンなら、散りばめられたオマージュにニヤリとできるだろう。

●一言で言えば……
 名作邦画への賛美歌♪


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