人権講演会H19.11.9

 山下さんからの手紙

 講演会を聴いて(感想文)

くじけそうになったときまたこのページへ足を運んでください。






講師は11年前に起きた神戸市連続殺傷事件の被害者、山下 彩香さんのお母さん、
山下 京子さん。「彩香がおしえてくれた幸福」 〜絶望の中に希望を拓くとき〜  という
演題の講演を聴きました。20数名の保護者の方も涙しながら聴いておられました。
 11月9日は彩香さんの21回目の誕生日のはず、豊高への講演は山下さんがこの日を
設定されました。


 簡単に紹介します。
 「一人の普通の主婦がなぜこのように講演をするのか、3つの理由がある。
  ○子どもたちにこのような事件の被害者や加害者になってもらいたくない。
  ○命の大切さを考えていきたい。
  ○私たちは事件以来多くの人に支えられて生きてくることができた、社会への恩返し。

 私は大切な娘を加害少年の「聖なる実験」で失った絶望の淵にいるとき、多くの人達の
励ましの手紙を頂いた。その中のひとつに「事件を悲劇だけで終わってしまってはいけない。
死を価値あるものに輝かせていくのはあなたしかありませんよ」という励ましの言葉で一歩を
踏み出すことができた。
 そうすると今まで憎しみと恨みだけで生きていたのが周りの風景が変わり人とのふれあい
があった。
今私は命の大切さを多くの人に伝えなければならない。中学校で行っている「トライやるウィー
ク」は人の役に立つ、自分の存在感の確立や人との結びつきを学ぶことにより命を大切にする
気持ちができてくる。
 人は決して一人では生きていけません。苦しいときや悩んでいるとき人に話してください。逆
に友達が悩んでいるとき「どうしたの?」と声をかけることのできる人間になってください。
息子は今24歳。高校時代から母からの距離が遠くなってきた。自暴自棄になっている様子。
ある日「彩香の死を受け入れられへん。こんなに苦しいのに何で生きていかなあかんのや?」・・・
母として仕事や講演で忙しくし息子と接する時間がなくなり息子は息子なりに苦しんでいたことが
素直に心を開き、接することによって息子の心を開くことができた。
 昨年の母の日に息子がカーネーションとともに手紙をくれた。
「何度この世に生まれ変わってもお父さん、お母さん、彩香と4人で暮らしたい」ほんとに嬉しい涙
を流すことができた。自分に負けずに挑戦する気持ちを与えてくれた二人の子どもに感謝。
 最後に昨年の11月9日の彩香さんに書かれた手紙を涙ながらに読まれました。
「20歳になったね、成人おめでとう・・・・・」

ご主人がプロジェクターでありし日の写真を・・・

山下さんからの手紙


豊岡高校の皆さんへ

 先日、ある新聞のコラムに心に残る言葉があったので紹介したいと思います。
「兆し」という漢字があります。意味は、これから起こるものごとを前もって知らせるような、
かすかな様子。前ぶれのことです。
兆しに「しんにょう」をつけると「逃げる」という字になります。また、兆しに「てへん」をつ
けると「挑む」(いどむ)という字になります。
目の前に大きな悩みが起きてきたときに、逃げるのか挑むのか、心の持ちようで180度結果は違っ
てくるという記事でした。

 私たち家族は、「彩花の死」という究極の苦悩と哀しみに直面しました。そのあとも、私が癌
になり、主人が事故や大怪我をしたり、息子との葛藤で悩んだりと何度も壁にぶつかりました。
目の前の現実から何度も逃げ出したくなりました。
生きることを放棄したくなったことも一度や二度ではありません。
でも、逃げませんでした。
 倒れても、また倒れても、困難なことに真正面から挑戦し、多くの人から支えられながら、ひ
たすら前に前に進み続けました。
捉えようによれば「ピンチはチャンス」です。
大変な時にこそ、自分が大きく強くなれるチャンスなのです。これから皆さんは大学生、社会人と
成長していきます。
 その道のりで、色んな出来事があると思いますが、どうか、苦しくても逃げないで、勇気を出
して真正面から挑んでください。
そうすれば、必ず、希望へと続く道が拓けます。あの時、逃げないでよかったと笑顔になれる日が
必ず来ます。                    
 
 人間は辛いことを体験するからこそ、人の痛みが解るようになり、優しくなれます。そして、
人に心を尽くし、人に喜んでもらうことで、自分の中の「生きる力」が湧いてくるのです。
「人の前に灯りをともせば、自分の前も明るくなる」という方程式です。

 もう一つ、「桜梅桃李(おうばいとうり)」という、私の大好きな言葉があります。
桜は桜らしく、梅は梅らしく、桃は桃らしく、李は李らしく、それぞれの花を咲かせるという意
味です。
桜は、どんなにうらやんでも梅にはなれません。梅も桃にはなれません。それぞれが他のどの花
にもなれないのです。

人間も同じです。
それぞれの花を見事に咲かせるように、人間もまた自分にしか出来ないことがあるはずです。
人と比較する必要などありません。命に優劣などないからです。もし比較するものがあるとした
ら、昨日の自分かもしれません。
自分とは違う相手の個性を認め尊重することが、「命を大切にする」ということにつながってい
くのです。

 皆さんのこれからの人生において、若しいこと辛いこと悲しいことがあったとき、あの絶望的
なところにいた山下でさえ、今こうして皆さんにエールを送る立場になれたことを、どうかどう
か思い出してください。

                              山下 京子

感想文
 
講演後あなたが考える「命を大切にすること」とはどう生きていくことだと思いますか?」
   というテーマの感想文の抜粋です。友達はどのように感じたでしょう?

● 今回の講演を聞いて、実際自分が山下さんの状況になったら、どん底まで落ちてきっと立ち上がれないと思います。だけどそんな時こそ周りの友達や先生などに頼るべきだと思いました。『いのち』たった3文字だけれどもされど3文字です。その背景には人それぞれの色があり、両親や周りの人からもらった愛情で輝いています。そんな『いのち』を私たちは軽く見すぎているのかな?と感じられました。「命とは地球よりも重い、何にも変えられぬもの…」その言葉が一番心に残りました。人や動物、この世にある命のあるものはいつかは死んでしまうけれども、死ぬまでという限られた時間の中でどれだけ有意義に生活していけるかが、人生が輝くか、輝かないかの差だと思ったし、ましてや自分からいのちを絶ったり、他の人のいのちを奪うなんて本当にあってはならないことだと思います。山下さんがしきりにおっしゃっていた“ありがとう”の言葉。私は親や友達に素直にありがとうと言えているか考えさせられました。今後はいのちの重要さと、ありがとうの大切さを考えながら一日一日を大事に生きて生きたいです。

● 最初いのちというものはどれだけの価値があって、どんなもので、そして何のためにあるのかを全く考えずに今日の講義を聞いていました。ただ、ひたすら聞いているだけでしたが、しかし、途中からいのちとは何なのかということを思い、考えるようになりました。そして最後まで山下さんのお話を聞いて、ようやく自分なりの答えが出せました。その答えのヒントは、山下さんと彩花さんからたくさん頂き、それでやっと答えが出せたのだろうと感じ、今日こうしてお話を聞くことができて本当に良かったと思っています。人はいつか死にます。だからこそ、今を精一杯生きなければならない。改めて深くそう思い、また明日を力強く生きる決心ができました。

● 自分に近い人が亡くなる。しかも殺されてしまう気持ちは体験してみなければ分からないけれど、命というものがいかに大切であるか、そして、今自分が生きているということがどれだけ幸せなことなのかを改めて考えさせられました。今自分は生きているけれど、考えてみれば、いつどんなことが起こって死んでしまうかわからないし、ある日突然この世からいなくなってしまうということも可能性のない話ではないと思います。人は生きている限り必ず死んでいくし、それは仕方のないことだけれど、一番大切なことは生きている今をどう生きるかなのだと気がつきました。いのちを大切にするということを難しく考えがちだったけど、自分が生きていることを実感し、悔いのないように出来ることを出来るうちに精一杯全力で取り組むことがいのちを大切にすることにつながっていくのではないかと思いました。生きていれば様々なことがあるけれど、それは生きている人の特権なのだと私は考えます。嬉しいことや楽しいことはもちろん、悲しいことや辛いことも、今しか経験できない特別なものとして生きていくことが大切なのだと思いました。

● 今回の講演を聞いて、「いのちを大切にすること」と言うことについて考え方が変わったような気がします。今まで「いのちを大切にするということ」は自殺をしないとか、人殺しはしないということだけだと思っていました。しかし、今回のたくさんの人に励まされ、たくさんの人を励ましてきた山下さんのように「いのちを大切にすること」というのは、人を幸せにして、自分も幸せになるということだと気づきました。
  自分は今まで、多くの人に幸せにしてもらっていたと思います。だから、人を幸せにすることができるような人になり、いのちを大切にして生きていきたいです。

● 山下さんの講演を聞くまでは、「いのちを大切にすること」はただ生きていくことだけだと思っていました。しかし、今回の講演を聞いて「いのちを大切にすること」は、“生きる”ことに感謝して、他人の気持ちも考えて生きていくことだと思いました。
  また、彩花さんの死から、山下さんと彩花さんの兄とのすれ違いなどの過去も話してくださって、非常に心に残る講演でした。このとても貴重な講演で、学んだことはとても多く、その学んだことを今後の人生に生かしていければなと思います。

● 今日の講演は、本当にお母さんの言葉のひとことひとことが重く心に響いた気がしました。毎日のように信じられない事件があるけれど、正直私はニュースを通して、ひどいことだ…とかは思うけど、どこかで「私のまわりは大丈夫だろう」という変な気持ちがありました。でも今日お話を聞いて、本当に身近にどんな危険があるか分からないということを実感すると共に、改めていのちの重さ、生きる意味など、大切なことを再確認できたと思います。私が思う「命を大切にすること」それは今生きていられることに感謝し、どんなことがあっても、倒れても立ち上がること。また周りの人の生きる支えにもなること。と今日聞いていて考えました。私の周りには今たくさんの友達、家族、知り合い…がいます。将来のことに悩んでいる途中だけど、私はその人たちが生きていくために役に立つ仕事(話を聞くとか…)、ちょっとでも力になれる仕事に就きたいと思いました。そして自分自身のことも一人の命じゃないから大切にしたい。

● 私は今までに自分なんていなくなっても何が変わるわけでもないし、生きていて何の意味があるのかな、と考えることがありました。毎日学校には来ないといけないし、毎日悩んだり嫌な思いをしたりして、本当に嫌で仕方ないようなときもありました。でも、今日の講演を聞いていて、自分の悩みなんてほんの小さなことだったんだと、すごく思いました。自分の子どもを亡くしてしまった人が、あんなに強く生きているのに、自分はくだらないことを考えていたんだなあと自分が馬鹿らしく思えました。命を大切にすることは、私にとって人生を無駄にしないことです。これを実行するためにも、毎日頑張りたいです。

● 自分の心を大切にすること。きれいな心を持って人に接すること。この世界にはどんな人も自分という人間は一人しかいないことは分かっていた。「いのちを大切にすること」これも何度も何度も聞いてきた言葉だった。でも今日新しく感じたことは「心」ということだ。「心」にある自分の気持、相手の気持ち。これはもうひとつの「いのち」だと思った。傷つくこともあれば、励まされ、一歩前に気持ちが前進することもある。成長する。自分の気持ち、相手の気持ちを考えるということは、「いのちを大切にすること」につながっていると思う。そうすれば自分のいのちも、誰かの他の人の命も傷つけることなんてないと思う。「いのちの大切さ」まだまだ分かっていないことばかりだろう。もっと重いものなのだと思う。それでも今日の講演で学んだことは多く大切なものをたくさん教えてもらった。

● 最近、幼い命が奪われる事件が本当に後を絶ちません。そんな話を聞くたびに身内の人じゃないから、知人でもないからという気持ちで、ただ「可哀想」という同情しかありませんでした。だけど今日の講演会で、最も身近に感じることができたように思います。お母さんから話される言葉にはすごく重みを感じ、涙が溢れてきました。「辛い経験をされたんだなあ」と思うと同時に、自分自身に大きく響いたものがありました。「いのちを大切にすること」とは、強く生きていくこと、人に幸福を与えること、かけがえのない尊い命を何よりも一番に考えることができるということだと思いました。限られた時間の中で、人間は生きていくのだから悔いのないものにしたいと思うし、そして何よりも両親に感謝することを忘れないように生きていくべきだと思いました。いつでも「ありがとう」という言葉を忘れずにいたいです。

● 中略・・・私は“いのちを大切にすること”は、長く生きるということだけではなく、その人生をどれだけかけがえのないものにしていくのか。ということだと思いました。一つの命の大切さや尊さの中から、何を私たちが学ぶのか、命を通して知るということは私たちにとっても重要だと思いました。

● 今回の講演を聴いて、ひとつの命はこんなにもたくさんの人とかかわり、大事にされ育てられているのだと感じた。私は、身内を亡くしたことがないから、彩花さんを失った山下さんやお兄さんが、どんなに辛い思いをされ、苦しまれたのかは分からないが、今家族と生活する中で“しあわせだなぁ”と感じる瞬間はある。みんなでテーブルを囲んで食事したり、今日の出来事を話し合ったり…。私はこの家庭で良かったと思う。今日の話を聞いて、もっとこういう時間を大事にしていこう!と思ったし、今私がこんなにも幸せに暮らせる環境を作ってくれる人たちに感謝しなくちゃ!!と思った。この世に無駄にして良い命なんてひとつもない。命を大切にすることは、思いやりのある温かな心を持ち続けて生きていくことだと感じた。
● 今当たり前に過ごしている毎日。明日もあさっても当たり前にあると思っていた。でも、今日の山下さんのお話を聞いて、もっと一日一日を大切に、意味のある毎日を過ごしていこうと思った。講演を聴きながら、色々なことを考えた。自分がどれほど親に愛されているか、どんなに幸せなのか・・・。生きることの意味、命の意味を真正面から考えることができた。私は今まで、身近な人の「死」を経験したことがないので、どれだけ苦しく、悲しいか分からない。でも、今自分がどう生きていくべきか、何をすればいいのか、わかった気がする。この先絶望的な壁にぶち当たったとき“「逃げる」のか「挑む」のか自分の気持ちで180度変わる”という言葉を思い出したい。「いのちを大切にすること」とは、私を支えてくれている家族、友達、先生、いろんな人に感謝し続け、生きている限り、恩返しをし、私がもらったたっくさんの愛を、私がたくさんの人に届けられる生き方をしたい。限りある残りの人生を精一杯楽しみ、笑顔いっぱいに過ごしていきたい。改めて…私を生んでくれてありがとう!精一杯生きていきます。

● 「いのちを大切にすること」とは、自分の命だけでなく、他人の命のことも考えて、思いやりのある温かな心を持って生きていくことだと思います。人として当然ですが、とても大切なことです。「他人を大切に思い、他人の幸せを願える人が一番幸せだ。」と講演の中でいっておられました。私も、その通りだと思います。他人の幸せを願える人は、心が豊かだから色んなところに幸せを見つけることができるのだと思います。10年前に起こった悲しい事件の加害者は、きっと心の豊かさの欠けていたのではないでしょうか。心が豊かなら、自然と人を思いやる気持ちは出てきます。私の心は、どのくらい豊なのでしょうか。私はどれくらい他人のことを大切に思って日々を過ごしているのでしょうか。もっと他人の幸せも自分の幸せとして共有できるような、そんな温かい、きれいな心を持った人になりたいです。
  今日の講演会を、私は前から楽しみにしていました。話の最初の方は聞いていて辛かったのですが、最後は心が温まっていました。「いのち」というものを、真剣に考えさせられた良い講演会でした。

● 今日の話を聞いて、感動したのと同時に、自分の今の生き方をもう一度見つめ直そうと思いました。山下さんの気持ちをわかった気にはなっているけど、実際は誰にも言うことのできない思いも持っておられると思いました。娘さんの生い立ちから亡くなられるまでの話を聞いていると、自分はなんて平和でよい環境にいるのだろうと改めて思いました。僕が思う「いのちを大切にすること」とは、ただ単に命を守ることではなく、「生きる」という意味を本当に理解し、一生を無駄にしないということです。それをするためには、具体的に身近なこと、たとえば授業を大切にすることや部活に打ち込むといったことからだと思います。それによって自分に自信を持つことが出来、生きている意味が見えてくるのだと思います。最後に山下さんが言われた「挑む」のか「逃げる」のかという話をいつも心に留めながら日々努力したいです。

● 今まで「いのち」についてあまり深く考えたことがなかったので、とても良い機会になったと思います。いのちを大切にして生きていくとは、次の世代に何かを伝えて生きていくことだと思いました。今日の講演会でも、10歳という歳で亡くなった彩花さんは「生きる」という大切さやひとつひとつの命の重さを人々に伝え、その自分の経験をもっと広めて様々な人に生きる希望を伝えています。僕ももっと自分の命を重く感じ一日一日を大切に、両親や、周りの人々に感謝の気持ちを忘れずに生活していこうと思います。また、悲しいことや辛いことがあっても、今日の講演会を思い出して乗り越えていこうと思いました。また、他人に「ありがとう」と言ってもらったり、言えたりできる人になりたいと思いました。

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