日記帳01 遺伝学と進化論

(H15年7月29日) 対立遺伝子と染色体

 1)ここまで対立遺伝子も染色体も定義をしないで使ってきた  2)対立遺伝子は、同一遺伝子座を占める変異型同士を互いに対立遺伝子という  3)大腸菌の染色体をどうこうするという言い方があることを知っていようか
   4)実は染色体には二種あるのである
 5)ゲノム染色体と真核細胞の細胞分裂に出現する染色体である
 6)染色体はもともと真核細胞の」細胞分裂のときに出現する巨大な核内構造物で塩基性色素に染まるもののことを意味していた
 7)分子遺伝学の進歩につれて原核生物が遺伝学の材料に使われるようになり、分子遺伝学者が、原核生物のもつ遺伝子を、染色体遺伝子と称するようになった
 8)今では染色体という言葉で、原核生物のゲノム全体を表すようになった
 9)そこで今では真核細胞でも、ゲノム全体のことを表すときにも使われるようになった
2003年07月29日 14時37分23秒

(H15年7月29日) 構造遺伝子突然変異に二種ある

 1)生殖細胞構造遺伝子突然変異に二種ある
 2)新しい「遺伝子」の生成という「ハード」面の突然変異とm、既存の遺伝子の新しい利用方法が変わる「ソフト」面の突然変異である
 3)動物の爆発的多様性の増加を理解するのに、新しい遺伝子の生成は必ずしも必要ない
 4)上記の「ソフト」が生成されれば、形態も変化する
 5)つまり、「ハード」と「ソフト」の二種があることになる
2003年07月29日 14時11分49秒

(H15年7月29日) 生殖細胞突然変異に二種ある

 1)構造遺伝子突然変異(私の造語に近い)と中立突然変異である
 2)中立突然変異が分子進化の原因である
 3)構造遺伝子突然変異が形態進化の原因である
 4)もちろんどちらも、生殖細胞において起こった突然変異で、次世代に伝わるものである
 5)だからもっと正確に記載するなら、生殖細胞構造遺伝子突然変異、生殖細胞中立突然変異となる
2003年07月29日 13時58分42秒

(H15年7月29日) 突然変異に二種ある

 1)進化の原因は遺伝子の突然変異である
 2)突然変異に二種ある
 3)体細胞突然変異と生殖細胞突然変異である
 4)体細胞突然変異は、進化の原因ではない。生殖細胞突然変異だけが、進化の原因である
2003年07月29日 13時45分42秒

(H15年7月16日) 実際の計算方法

 1)分岐年代の計算は、塩基配列を用いても、アミノ酸配列を用いても、原理は同じであるから、ここではアミノ酸配列の違いをもとに計算する方法の原理を示す
 2)ヘモグロビンは、arufa鎖とbeta鎖からなるタンパク質である。このうちアルファー鎖のアミノ酸配列の違いは、木村資生「分子進化学入門」9ページの図1-1のようになる
 3)ウシとヒトの共通の祖先が分岐したのは7500万年前(根井による。ただし根井はウマも7500万年前としている。木村は、ウマとヒトの分岐年代は8000万年前としている)である
 4)分子進化の速度は、先の計算式に当てはめると、アルファー鎖は141個のアミノ酸からなるから、(17/141)/(7.5x(10・7乗)x2)=0.00804x10・(-7乗)=0.8x10・(−9乗)となる。これは10億年に0.8個の変化に相当する
 5)ヒトとコイは68個のアミノ酸が違っている。コイのアミノ酸数は142個である。ヒトとコイは何万年前に分岐したのか、の計算式は、(68/142)/(0.8x10・(−9乗)x2)=3億年となる
 6)実際は4億年前だから、まあ正しいといえようか。こうしてアミノ酸でできることは、DNA塩基配列でもできるが、それは省略する
2003年07月16日 18時30分56秒

(H15年7月12日) 分子進化速度

 1)アミノ酸配列でもDNA塩基配列でも、二つの種のあいだで相同部位を比較したときに両種に差異があるのは、共通の祖先から分岐した時間(T)のあいだに変化が起こり、突然変異が蓄積したからである
 2)この突然変異の数を座位あたりKで表し、これを進化距離とする
 3)分子進化速度は、Kを2Tで割って求める。Tを2倍するのは、両種のあいだの進化距離の長さは、その二つの系統の共通祖先からそれらの種にいたるまでの進化距離を足したものになるからである
2003年07月12日 10時10分06秒

(H15年7月11日) 中立理論

 1)分子進化学の基礎理論を作ったのは、木村資生である
 2)木村は、分子で起こる進化は、淘汰に有利でも不利でもない「中立な突然変異」が偶然に広まる結果起こる、と主張した
 3)「中立な突然変異」が起こる部位を「中立部位」と呼び、中立部位に起こる突然変異(中立突然変異)に基づく進化を「中立進化」と呼んだのである
 4)逆に、この「中立進化」は、淘汰に有利でも不利でもないので、形態上の進化はもたらさない。つまり、分子中にだけ集積していく進化で、「分子進化」と呼ばれる所以がこれである
 5)分子進化学(論)、中立進化説(論)のどちらも同じものを指し、形態進化学(論)に対置されるものである
 6)この中立進化説を使って種の分岐年代を推定し系統樹を作成する方法が、各種考案されているが、次の項にその方法の基本概念を説明する
2003年07月11日 11時14分00秒

(H15年7月11日) 進化論に二つある

 1)「生物学の原理は二つ」の項にちょこっと述べたように、進化論も二つある
 2)形態進化論と分子進化論である
 3)メンデルの遺伝の法則の再発見後の遺伝学の進歩によって、進化は突然変異と自然淘汰によって起こるという考えが確立した
 4)この進化は主として形態上の進化に対応したもので、私は、形態進化論と称することにした
 5)一方タンパク質の解析が進み、相同のタンパク質を種のあいだで比較してみると、アミノ酸配列にかなり相同の部分があることが分かってきた
 6)さらに、種の分岐年代と、異なっているアミノ酸の数とを対比させたところ、アミノ酸の変異は分岐年代からの時間の経過につれて増えることが明らかになった
 7)変異が一定の割合で増えることが時を刻むのに似ていることから、この性質のことを「分子時計」と呼ぶことが普及しだした
 8)逆に、生物のタンパク質の変異を比較することで、種の分岐年代を知ることが可能になったのである
 9)分子によって進化を跡づけることができるわけである。そして分子によって進化を研究する分野を「分子進化学」、よって立つ理論を「分子進化論」と呼ぶようになった
2003年07月11日 10時38分52秒

(H15年7月10日) 遺伝学に二つある

 1)メンデルは、染色体上にある対立遺伝子に由来する「形質」の集団内での分離について研究し、メンデルの法則を発見した。その発見が現在の遺伝学の発展の基礎である
 2)その発展は、まったく別の二つの方向に進んでいった
 3)一つは、メンデルが要素と呼んだ遺伝子とは何なのか、遺伝子はどんな働きをしているのか、ということを探求する方向で、現在では、分子遺伝学と呼ばれる
 4)もう一つは、集団内の遺伝子の分布状況について探求するもので、現在では、集団遺伝学と呼ばれる
 5)つまり、遺伝学には、分子遺伝学と集団遺伝学の二つがあるのである
 6)分子遺伝学は後述の形態進化論につながるもので、集団遺伝学は中立進化論につながるものである
2003年07月10日 17時58分50秒

(H15年7月8日) メンデルの法則

 1)純系の親世代(P)で、一方の親が優性対立形質、もう一方の親が劣性の対立形質の表現系の雌雄を交配すると、子世代(F1)は、優性形質を示す。これを優劣の法則という
  AAxaa=Aa
 2)子世代(F1)の雌雄を交配すると、孫世代の分離比は、優性:劣性=3:1の比になる。これを分離の法則という
 3)分離比に関する適合度検定にはkai2乗検定が適用される。kai2乗は次式で求められる。kai2乗=siguma((観察値ー期待値)2乗/期待値)
 4)対立遺伝子の組が複数あるとき、それらが互いに独立に遺伝することを独立の法則という
2003年07月08日 16時09分49秒

(H15年7月6日) 遺伝学とは

 1)子が親に似る現象を遺伝という
 2)その現象によって親から子へ伝えられる体の特徴や性質のことを形質という
 3)遺伝は両親の形質の混合である
 4)形質の混合はアズキとダイズの粒を混ぜ合わせるのに似ている
 5)メンデルはアズキやダイズに相当するものを要素と呼んだ
 6)要素が染色体上にあることを1902年サットンが示唆した
 7)要素は後に遺伝子と呼ばれるようになった。その遺伝子のひきおこすさまざまの現象を調べるのが遺伝学である
2003年07月06日 17時18分27秒

(H15年7月6日) 生物学の原理は二つ

 1)生物学の原理は二つである。進化の理論と核酸がすべての生物の遺伝物質である、ということである
 2)生命の多様性は、少数の共通の祖先生物から長い年月の間に次第に変化して今日の多種多様の生物が存在するようになった結果である
 3)この考えが進化の理論である。その進化の原因に適応を考えるのが、ダーウィニズムである
 4)遺伝物質の解析が進むにつれて、突然変異が起こっても何の影響も後代に与えない部位があることが知られてきた
 5)その部位を中立部位といい、そこでの突然変異を中立突然変異という
 6)進化の原因に、中立突然変異の偶然の集積を考えるようになった。この考えを分子進化といい、分子進化を研究するために必要な理論を中立説という
 7)しかし、分子進化では形態進化(表現型進化)は説明できない。現在は、分子進化と形態進化をどのようにして橋渡しするか、が必死に探求されているところである
2003年07月06日 10時26分24秒


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