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こもあ生物学

日記31 

2005年5月2日 (月) アニマルテクノロジー 第5章 安全性を考える
1 飼料の安全性

 飼料になるトウモロコシなどには遺伝子改変作物が使われている可能性は排除できない。栽培中にも収穫後においても農薬がつかわれることがある。口蹄疫は粗飼料の稲わらが原因で発生したことがある。

 飼料とともにエストロジェンを投与することがある。成長ホルモン、βーアドレナリン、モネンシン、サリノマイシンなども投与される。

 有害物質を含有するか、またはその疑いのある資料を家畜に与えてはいけないことになっている。そのことは飼料安全法で定められている。それに抵触しない酸化防止剤、カビ防止剤、抗生物質、合成抗菌剤、抗線虫剤、抗原虫剤などが加えられている。

 これらはおそらくヒトが摂取しても無害な食材、飼料添加剤であるに違いない、と『アニマルテクノロジー』147ページ5〜7行を読めば読み取れる。

2 BSE

 BSAはウシの病気である。脳が海綿状となり、空胞ができ、異常行動が現れる。一方、ヒトにもクロイツフェルト・ヤコブ病という病気があり、BSEの病変と近似している。BSEの病原体が畜産物を通してヒトに感染し、クロイツフェルト・ヤコブ病を引き起こすことが示唆され、不安を与えることになった。病原と病気の判定法、危険部位は分かっているので、日本においても適切な処置がとられている。『アニマルテクノロジー』149ページを読んでもらいたい。

 牛肉、牛乳の安全性の宣言は、研究者や行政の担当者の対応は慎重だったため、「[食べて、あるいは飲んでBSEにかかるおそれは]きわめて可能性は低い」という表現だったという。

3 人畜共通伝染病

 世界を脅かした新型肺炎SARS、その原因は新種のウイルス「SARSコロナウイルス」だった。エボラや西ナイルなど、突如現れて人間を襲うウイルスを「エマージングウイルス」といい、近年世界各地で次々と出現している(HPのコピー)。

『アニマルテクノロジー』153ページ終わりから2行目の「エマージングウイルス」は、上記の人間を襲うウイルスを指すのではなく、野生動物を襲うウイルスである。[ただ、野生動物のあいだだけのエマージングウイルスが、いつか突然ヒトに感染しヒトのエマージングウイルスにならないとも限らない]。だから、家畜や野生動物を絶えず監視し、それらの健康を維持する必要がある。

 人畜共通伝染病の例を『アニマルテクノロジー』153ページで確認だけしておいてもらいたい。

4 家畜の排泄物の安全性

 家畜の排泄物が安全性を脅かす事例がある。O-157はその代表である。

 病原大腸菌のなかで、もっとも毒性が強いのがO-157である。ウシやヤギの0.04〜3.4%のものが、腸管にO-157を持つという。この処理については、『アニマルテクノロジー』154〜155ページに詳しい。

 クロプトスポリジウムも家畜の排泄物がかかわる感染症である。腸管に寄生する原虫による。どちらも、家畜の糞便を適切に処理することで防げる

2005年5月5日 (木) アニマルテクノロジー 第5章 安全性を考える
5 食糧としての体細胞クローン

 体細胞クローンウシについては、胚の死滅、流産の割合が高く、胎盤異常の頻度もやや高い。しかし、病理学的な異常はない。

 クローン作製の問題点は二つあると『アニマルテクノロジー』では述べている。

 卵子の培養液や操作に使うピペットがウイルスに汚染していたら、ウイルスは卵子に感染する。訓練された技術者によって操作されることで防げると著者は述べている[と思う]。

 二つ目は、ミトコンドリアDNAの問題である。そのうちのひとつは、核DNAとミトコンドリアDNAが別個体由来のものとなることである。二つ目は、融合した胚では卵子のミトコンドリアと移植した細胞のミトコンドリアが混在することである。

 核DNAとDNAが別個体由来だと、遺伝子発現が変化する可能性がある。また、ブタなどはDNAのなかに内在性ウイルスが潜んでいるので、それらの発現性を調べなくてはならない。

 クローンヒツジを誕生させたウイルムット博士は、すべての体細胞クローンは異常であると警告しているという。

 まったく問題がないとは言い切れないが、まったく問題がない食材はないことも事実である。[時間に解決してもらうしかあるまい。]


6 ヒトの医療と安全性

 異種移植臓器には、内在性ウイルス感染の危険性がある。ヒトへ移植可能な臓器を生産するブタの開発に疑問をもつ研究者もいるという。[私には、このことは考慮する必要はないように思える。]

 不妊治療に人工授精、体外受精はヒトに対して安全な技術であると『アニマルテクノロジー』の著者は結論している。


7 生物倫理

『アニマルテクノロジー』の著者は、生物倫理も考慮せよ、というが、どう考慮し、どうすればいいのかは、述べてくれていない。

8 反省

 ヒトが食べても安全なものを飼料とする。

 家畜そのものが100%安全なものではないことを常に念頭におく必要がある。

 体細胞クローンや遺伝子改変家畜の安全性については、短期間では答えは出ない。