戻る - 参加 

こもあ生物学

日記帳33

胎盤の科学

日記帳5と重複している

日記帳33は、鈴木善祐ほか著『新家畜繁殖学』(朝倉書店)からまとめた。

2005年5月11日 (水) 1 着床の種類
1) 中心着床  一般に家畜はこの様式をとる。胎盤胞は子宮腔内に拡張して、栄養幕が子宮内膜全面に接する
2) 偏心着床  ウサギ、マウス、ラット、ハムスターなど、小型で拡張しない胚盤胞をもつものは、子宮腔内の壁のくぼみにはいって発育し、子宮腔の中心からはなれて偏在して着床する
3) 壁内着床  ヒト、サル、モグラなどは、胎盤胞が子宮内膜上皮を通って内膜内部に侵入して着床する
4) 壁内着床では、Decidua capsularis(被包脱落膜)が分娩時に脱落する

2005年5月11日 (水) 2 胎盤
1) 胎盤は胎盤胎児部と胎盤子宮部から構成され、胎児と母体の循環系は混じらない。絨毛膜が子宮内膜に密着する部分のことを胎盤という
2) 母子循環系間に横たわる組織、細胞や非細胞性物質からなる層を胎盤関門と呼ぶ
3) 胎盤関門を構成する層は動物種によってさまざまである
4) 基本型は6層である
5) 臍帯から出た動静脈は尿膜に分布し、やがて絨毛膜にまでのびて胎盤にいたる

2005年5月12日 (木) 3 胎児と免疫
1) 家畜が妊娠したときに起こるもっとも早い反応は、早期妊娠因子の出現である。免疫反応の抑制作用を現すが、作用機構は不明である
2) 胎児から何らかのシグナルが出され、プロスタグランジンF2αの合成や放出の阻止が起こり、黄体が妊娠黄体として持続する
3) 胎児は免疫学的に未熟で抗原性に欠ける
4) 母体はホルモンによって免疫学的に不活発である
5) 胎盤が免疫のバリヤーになっている
6) 胎児抗原をとりこんだ母体は、少量ずつなので免役寛容になっている(脱感作)
7) 子宮は免疫学的に特殊である
8) 胎児側抗原により抗体がつくられるが、この抗体が逆に胎児側抗原をマスクしてしまうらしい。抗体がつくられると続いてリンパ球感作が起こるが、抗体が胎児側抗原をマスクすることによって、感作リンパ球が胎児抗原を識別できなくなる。細胞性障害がそのためなくなる。

2005年5月12日 (木) 4 6層の組織
1) 母体と胎児の胎盤血管との間には6種類の組織が介在する
2) 絨毛が子宮内膜に侵入すると、胎盤の種類によっては、6層の組織のあるものが消失して隔壁が減少する。その減少の程度によって胎盤は4種に分類できる
3) 子宮内膜上皮と絨毛上皮が接する:上皮絨毛性胎盤、ウマ、ブタ
4) 絨毛上皮と結合組織が接する  :結合織絨毛性胎盤、ウシ、ヒツジ、ヤギ
5) 絨毛上皮と内皮が接する    :内皮絨毛性胎盤、イヌ、ネコ
6) 母体の血液が絨毛膜と接する  :血絨毛性胎盤、霊長類、齧歯類