| 2005年7月11日 (月) |
1 組織の強さは、細胞外マトリクスか細胞骨格による |
1)多細胞生物の中で大部分の細胞は、組織という協調的な集団を構成している
2)その組織をなりたたせる「強さ」の問題からまず考えることにする
3)細胞の中には細胞骨格繊維の骨組みがあり、細胞の外には分泌によって作られた細胞外マトリクスがある
4)真核細胞の細胞質には中間径フィラメント、微小管、アクチンフィラメントという細胞骨格があり、それらが空間秩序を維持している
5)細胞は細胞外マトリクスを介して結合したり、あるいは直接に細胞結合で結合したりする
6)細胞は、細胞外マトリクスと結合することで細胞の構造と配置を正常に維持することができる
7)植物では、植物細胞が分泌した細胞外マトリクスである細胞壁までいっぱいに膨潤することで組織を固く保っている
8)動物では、骨や腱では細胞外マトリクスの量が多く、それが強靱さのもとになっているが、筋肉や皮膚では細胞外マトリクスは少なく、細胞骨格が構造強度に対応している |
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2 結合組織細胞がマトリクスをつくり、それにその他の細胞が結合して組織が形成される |
1)動物の組織は、結合組織、上皮組織、神経組織、筋組織の4種に分けられるが、基本は結合組織とその他の組織の二つである
2)動物の結合組織は、大部分は細胞外マトリクスが占めており、その中にマトリクスをつくる細胞がプリンのなかにレーズンが散在しているように存在している
3)動物の結合組織では、引っ張り強度を担うのはコラーゲンである
4)コラーゲン繊維は、それをつくりだす繊維細胞、造骨細胞などからつくり出され、開口分泌によって放出される
5)放出されるのはプロコラーゲンといわれるもので、これが細胞外に存在しているコラーゲンによって末端ペプチドが切り落とされて、コラーゲン繊維として巨大な集合体をつくりあげる
6)コラーゲンに秩序をもたらすのは、それを分泌する細胞である
7)コラーゲンにあるフィブロネクティンがインテグリンを介して細胞骨格のアクティンフィラメントと結合する。基底膜中にはフィブロネクティンの代わりにラミニンがある
8)細胞はこうして細胞の構造と配置を正常に維持している
9)プロテオグリカンという圧力に抗する結合組織マトリクスもある |
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3 密着結合が上皮の特徴を形成する |
1)上皮組織は、多細胞動物の進化の早い段階で現れた重要な多細胞生物の保護シートである。細胞に対する細胞膜の役割をもっている
2)上皮層は極性をもち、頂端は外気や液体にさらされる面であり、基底面は結合組織に接し、そこに付着する
3)上皮の基底面を支える基底層は、中にラミニンを含むコラーゲンである。ラミニンが上皮細胞の細胞膜にあるインテグリン分子との接着部位になる
4)上皮はこの極性をもった構造に合うようにゴルジ体、分泌小胞、細胞骨格がすべて非対称に配置され、機能に合わせている
5)上皮に特徴を与えているのは密着結合で、細胞と細胞の間から分子がもれて出ないようになっている
6)頂端領域の細胞膜は基底領域のものとは異なっている。それは頂端領域の近くを取り巻いた密着結合のおかげで細胞膜タンパクの移動が自由にはできないからである。このことは極性を維持する上でも大切な役割を担っている |
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4 カドへリンを使う細胞間結合とヘミデスモソーム結合 |
1)上皮の結合に3通りある
2)カドへリンをつかう結合、コネクソンという橋わたしの道具を使うギャップ結合、インテグリンをつかう上皮細胞と基底層との結合の三つである
3)接着結合、デスモソーム結合は、どちらもカドへリンと呼ばれるタンパク質である膜貫通タンパク質のまわりにできる結合である
4)接着結合は、カドへリン分子が連結タンパク質を介してアクティンフィラメントと連結している。アクティンフィラメントの束が上皮全体をつないでいる
5)デスモソーム結合は、カドへリン分子が付着タンパク質を介してケラティンフィラメントと連結している
6)ヘミデスモソーム結合は、細胞内の中間径フィラメント(ケラチンフィラメント)を基底膜に結びつける結合である
7)ケラチンフィラメントは、付着タンパク質円板、インテグリン、ラミニンと結合して、上皮細胞を基底膜に位置づける。デスモソームが半分になったような形態である |
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5 ギャップ結合を通して水溶性分子が移動する |
1)ギャップ結合は、6個のタンパク質からなるコネクソンというタンパク質が細胞膜を貫通する結合である
2)水溶性分子の通路となっている。電気的、代謝的共役が可能となる
3)細胞膜が密接して平行している領域として見える
4)植物細胞では、ギャップ結合に相当するものがプラスモデスムである |
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6 組織の維持 |
1)組織にはいくつかの専門の細胞集団があり、共通の基本条件がある
2)細胞間どうしの情報伝達、選択的接着、細胞記憶の三つを通して、つねに組織は維持される
3)分裂細胞に体細胞突然変異が起きて、その細胞がはびこるもの、それががんである
4)一回の突然変異でがん化するのではない
5)発生は、細胞の位置と履歴とによって細胞が変化する過程である
6)位置情報のマスター遺伝子はホメオチック遺伝子で、すべての動物でその構造は似ている |
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