| 2005年10月4日 (火) |
1 ヒツジ肉を食べたウシが発症した |
1)狂牛病に感染して死亡したウシの脳には、スポンジ状の孔が多数生じている。海綿状脳症(bovine spongiform encephalitis)と呼ぶ
2)1988年に英国で多数発病しはじめた。1992年にピークとなり、これまで16万頭以上の発病が報告されている
3)感染したウシの肉を食べたヒトにも感染する疑いがある
4)ヒツジのスクレイピーは50年以上前から知られていた
5)草食性の家畜に類似の病気が報告されている
6)病気にかかった動物の脳にはスポンジ状の孔があった
7)ヒツジの肉や臓物を乾燥飼料にしてウシに給与し、その飼料を食したウシがほとんど感染した
8)感染牛を焼却することで発生が沈静化した
9)クール病(ヒト)は死者の脳を食べる風習のある部族に特有であった。食脳廃止で発病が治まった |
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| 2005年10月4日 (火) |
2 日本における狂牛病発生の経過 |
1)平成13年9月10日、わが国最初の牛海綿状脳症(狂牛病)の発症を農林水産省と千葉県が発表した
2)同10月3日に第39回肉用牛研究会が熊本市で開催された
3)牛肉消費や卸売市場での枝肉価格にじわりと影響が出ていた
4)肉骨粉のとりあつかい、背割りの問題、検査を全頭にするのかどうか、ということが、肉用牛研究会の先の大会で討論された
5)狂牛病は、異常プリオンタンパク質を摂取しなければ決して伝染しない。そこで本症を撲滅するには、(a)異常プリオンタンパク質を含む餌を決してウシに与えない、(b)本症に罹患していないことが証明されたウシの枝肉だけを流通させる、の二つがもっとも大切で必須であると結論した
6)ウシの全頭検査を会長見解として打ち出した
7)10月4日、農林水産省は肉骨粉輸入を全面禁止し、9日に国内での肉骨粉の製造流通使用を法的に禁止した。厚生労働省は全頭検査を打ち出した |
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| 2005年10月4日 (火) |
3 BSEの臨床診断(表は席上配布すること) |
1)BSEでは脳や眼以外の臓器にプリオンタンパク質が蓄積しないため、ヒツジのような生体診断は確立されていない
2)BSEの臨床診断基準(イギリス)は表1−1に示すとおりである
3)BSEの検査は以下による (a)ELISA法 BSEの異常プリオンタンパク質が酵素に強い性質を使って、正常なプリオンタンパク質を酵素分解し、残った異常プリオンを抗原抗体反応で発色させてよみとる (b)ウェスタンブロット法 残ったプリオンを電気泳動で分離し、抗体で蛍光発光させる (c)免疫組織化学染色法 異常プリオンの存在部位を抗体を用いて特定する |
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| 2005年10月4日 (火) |
4 プリオンの科学(図は席上配布すること) |
1)プリオンは核酸をもたない
2)プリオンに含まれる成分は宿主動物の遺伝子によってつくられたタンパク質(プリオンタンパク質)である
3)プリオン病は、プリオンタンパク質が変化したものが脳に蓄積しておこる
4)異常プリオンは正常プリオンと一次構造は同じであるが、立体構造が異なっている。それをPrPsc(上付き)と記す(図1-2)
5)神経細胞にPrPsc(上付き)が感染すると、正常なプリオンPrPc(上付き)を次々と発症型に変えてゆき、ついにはPrPsc(上付き)を蓄積する(図6-14)
6)プリオンの働きについては分かっていない |
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| 2005年10月4日 (火) |
5 プリオン病の種類と感染性(表は席上配布すること) |
1)プリオン病はヒトを含めた哺乳類に広く発症する。表1-5に示すとおりである
2)ヒトのプリオン病 (a)クールー:異常プリオンによる。伝染。クールー斑が見られる (b)CJD :遺伝性、硬膜移植、散発性(原因不明)。出生後の遺伝子変異の可能性 (c)変異型(v-)CJD:BSE病原体の経口感染が疑われている (d)ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病(GSS):異常プリオンによる。CJDの亜種
3)種の壁 ヒツジのスクレイピーは約250年前から知られているが、ヒトに感染した報告は見られない。プリオンタンパクをつくる遺伝子のコドンの違いが種の壁になっている。ヒツジとウシのプリオン遺伝子は254個のコドンのうち7個しか違わない。ウシとヒトでは30個以上異なっている。しかし、種の壁を越えて感染することが知られており、表1-7に示すとおりである
4)v-CJDとBSEの病原体はよく似ていて、BSE牛の臓器を食べたことによるとされている |
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