| 2006年12月20日 (水) |
免疫系の発生・分化 |
免疫系の発生・分化については、最近の研究の結果、分かってきたことが多い。ここに記載するのは、表題に示したとおり、理化学研究所 免疫・アレルギー科学総合研究センター 河本宏免疫発生チーム長に、私がご教示いただいて、私なりに理解したところをまとめたものである。オリジンは河本先生であるが、文責は私にある。間違っていたら、それは私の理解不足と表現不足である。
1)造血幹細胞の祖先はAGM領域[AGM領域は大動脈の近傍にあるという。それがどこにあたるのかは、今とっさには私には分からない。もともと造血幹細胞は卵黄嚢に発生すると覚えていた]に発生し、この場所で造血幹細胞になる
2)胎児期、造血幹細胞はAGM領域から肝臓に移住する。そこで各種血液細胞をつくるとともに、自らも旺盛に増殖する
3)出生の前後に幹細胞は肝臓から骨髄へ移動する。成体では、したがって肝臓は幹細胞の供給源にはならない
4)T細胞になる幹細胞は、胎児期には肝臓でT細胞の前駆細胞(T系列に決定された前駆細胞、T前駆細胞)となり、その前駆細胞が胸腺へやってくる
5)成体ではT細胞になる幹細胞は骨髄でつくられて、やがて前駆細胞が胸腺にやってくる。しかし成体では胸腺に、多能性前駆細胞が入ってくるのかT前駆細胞が来るのか確定されていない。つまりどういう分化段階の前駆細胞が胸腺にやってくるのかはまだ不明なのである
6)胸腺は、こうして前駆細胞の供給を受け、T細胞をつくり続ける。抗原レセプターを発現するところまで、胸腺で分化する
7)T細胞は、このあと脾臓・リンパ節に移りすんでから、じっさいに働ける細胞へと分化・成熟する
8)B細胞になる幹細胞は、胎児期には肝臓で前駆細胞となり、さらに抗原レセプターを発現するB細胞にまで分化する。これは末梢循環中に出ていき、リンパ節や脾臓に移りすみ、実際に働けるB細胞になる
9)成体ではB細胞になる幹細胞は、骨髄で前駆細胞となり、さらに抗原レセプターを発現するB細胞にまで分化する。これは末梢循環中に出ていき、リンパ節や脾臓に移りすみ、実際に働けるB細胞になる |
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