シンポジウム 『こころの危機を支えるネットワーク〜地域、医療の連携について〜』

平成16年11月6日 財団法人 日本精神保健福祉連盟 企画 
精神保健福祉ならびに精神障害当事者・家族の視点による
精神科救急システムの充実のための支援等事業報告書
支援センターアゼリア からの報告 より


ただいま紹介いただきました村田でございます。

家族会活動を35年くらいやっておりますので、今日の話の中でも家族会の話が出てくると、

また昔の話かということになるかもしれませんが、地域のネットワークということになりますと、

先ほど村田先生(注;日本精神保健福祉連盟企画実行委員会委員 村田信男氏)もおっしゃったように、

荒川区には精神科の医療機関が少ないということから

家族会の活動の中で地域の心の支えというのが非常に大きな問題となりますので、お話したいと思います。


本題に入りますけれども、どうしても切り離せないのは医療機関が区内になかったということから、

当事者が通院したり家族がそこに付き添って行く時に顔を合わせる。

特にお母さんが多いんですが、お母さん方が何人か自分の家のことを、

それから相手の家のことを聞いているうちに3人5人と集まって、

それではこの人たちをどういうようにしていったら自分たちのためにいいんだろうということから、

まだ会にならないほんの4〜5人のお茶のみ話程度から始まったのがだんだんまとまって家族会となったわけです。


それから保健所の相談員さんに非常に努力していただきまして、ここは町工場が多い下町ですので、

メッキ工場や家具屋さんに10人くらいの当事者を出しまして、何時間か働いて、

働くというより動いていることが大事なんだということで、

相談員が朝晩見回ったりして始まったのが職親の前の前の段階ですね。

それから私や家族会の中で自家営業をやってる人たちが、

それでは自分の自営業を手伝ってもらったらいいのじゃないかということで、

その頃の工賃は非常に安かったんですが、何人かの人たちに来てもらって、

何時からでもいいとか、あるいは時間に限らず来てすぐに帰ってもそれはそれでいいのではないかということで、始まりました。


私はこの辺も非常に進歩的だと思うんです。

今はいろんな点で社会資源を使って、相談の方々がいて、

次々と段階を踏んで就労が出来るんですけれども、その頃はそういう手段がございませんでしたから、

とにかく出てくればいいと。


ある例を言いますと、私の知っている事業所に朝弁当を持って出かけた当事者が、

弁当はお昼に食べたんですが、それまでは眠っていた。

食べてからも3時まで眠って、それで家に帰った。

そういうことが家族会の話でもでましたけれど、その当時から家族というものは

本人がどう動いたら我々が安心するかということに非常に気を遣っていたわけです。

それから、当事者にしてみればいかに動けるかあるいは働く、賃金を得る。

このことがおそらく100%の人がそうじゃないかと思いますが、この気持ちが大きかったんです。

それで、その気持ちと家族の気持ちが合致して、地域で働かなければならないということが身についたように思います。

それを守るのが家族であって、じゃあ2つばかりではよくないのかということで、

会では色々な事業の中でこのネットワーク式のものが出来はしないかということで、

レクや講演会、色々なことを事業として入れていったと思います。

たとえば先ほど入院の話が出ました(注;シンポジウムの前に発表された調査内容)けれども、

入院していてもレクの日は外泊をそのときに合わせてもらってレクに行くということは当たり前に考えていました。