Trane's Works 55, 56
1955, 11/16, Wed. MILES ( THE NEW MILES DAVIS QUINTET ) session
1. Stablemates
2. How Am I To Know
3. Just Squeeze Me
2. There Is No Greater Love*
5. The Theme ( Miles' Theme )
6. S'posin'
*no solo
■曲名はコメントにリンクしています
Miles Davis (tp), John Coltrane (ts),
Red Garland (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)
Van Gelder studio, Hackensack, New Jersey.
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■セッションの概観
●バードランドへの出演を終えたマイルス・デイヴィス・クインテットは翌日10月27日(木)から11月9日(水)まで、グリニッジ・ヴィレッジ、バロウ・ストリートのカフェ・ボヘミアに出演、このクラブは以後クインテットの拠点となりました。この出演の1週間後の11月16日水曜日、ニュージャージーのヴァン・ゲルダー・スタジオでこのセッションは行なわれました。前回10月26日1回目の "'Round About Midnight" のセッションから約20日です。プレスティッジ、コロンビア間で同意された発表期日の制限のため、こちらのセッションの方が10月26日のクインテット初レコーディングに先立って発表され、 "The New Miles Davis Quintet" のタイトルでクインテットのアルバム・デビューとなりました。いわゆる“歌物”の、スタンダードが中心の選曲で、マイルスのミュート・プレイが聴きどころとなっています。翌年1956年、ダウン・ビート5月16日号のレコード・レヴューで、ナット・ヘントフは他のメンバーの貢献を称賛する一方、コルトレーンを個性に欠けると酷評、それを理由に5つ星を付けるところを4つ星に減点してアルバムへの評価を下しました。マイルスのコンセプトへの同調が徒となり、またその結果の抑制感が仇になっているような気がします。
(西内)
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1. Stablemates ( Benny Golson ) 5:21
●A(14) B(8) A(14)、1コーラス36小節で、通常のポピュラー・ソングとは異なる形式。コルトレーンが持ち込んだ曲。作曲者ベニー・ゴルソンはフィラデルフィア時代からのコルトレーンの友人で、1954年にはホッジスのバンドで一緒だった。
●マイルスは抑制の効いたプレイでそつなくこなし、コルトレーンもマイルスのアプローチに同調してソフトでクール。非常に透明感のある中高音が印象的。ゴードン的な変てこさはやや薄れているが、フレーズの流れが不自然で、別の意味で変。ミディアム・テンポのせいか、あるいは自らが持ち込んだ曲のためか、破綻はない。
● → Stablemates (56,1or2).
(吉野)
□memo□
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2. How Am I To Know ( Jack King / Dorothy Parker ) 4:38
●1929年のMGM映画 Dynamite の主題歌。“歌物”の類だがアップ・テンポでプレイされる。
●最初の印象······冒頭、何か迷って、探っているような感じの途切れ途切れのフレーズと間。後半は何とか乗り切っているよう。
●よく聴いてみると······意図としては、間を置いた短いフレーズの散発から始め、次々に音を繰り出してラインを結ぶというやり方なのだろうが、その冒頭の短いフレーズの幾つかが自信なさそうにおずおずと出されるので次にどんなフレーズを出そうか考えあぐねているような印象を与えてしまう。或いは、抑えて吹いているのがそう聴こえてしまうのか。
●アップ・テンポゆえの乱れ(たどたどしさ、もつれ)と局部的な驚くほどの流暢さの混在、というこの時期に特徴的な、むらのあるプレイとなっている。馴染みのあるバップ・チューンではない“歌物”ということもあるのかもしれない。
(吉野)
□memo□
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3. Just Squeeze Me ( Duke Ellington / Lee Gaines ) 7:26
●派手なリード・ミスがあったり、例によってたどたどしい部分もあるんだけど、不自然な抑制感がなくて、ミディアム・スローの曲であるにもかかわらずこのセッションの中では以外なことに最もヴィヴィッド(と言うと大げさだけど)なように思う。単に粗さによってだけでなく、演奏内容でもマイルスと良いコントラストをなしているんじゃないだろうか。よく言われている程ひどくないし、曲の雰囲気をぶち壊してしまうようなソロでは決してない。
(佐々木)
□memo□
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4. There Is No Grater Love ( Isham Jones / Marty Symes ) 5:18
no solo.
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5. The Theme ( Miles' Theme ) ( Miles Davis ) 5:18
●ライヴでのエンディング・テーマ。 Workin' でもアルバム中のアクセント的な短いヴァージョンとして取り上げている。イントロの後いきなりチェンバースのピチカート・ソロでスタート。ガーランドのソロ・スペースはないが、ソロとソロの間に挿入されるテーマ・メロディーのバックで控え目に即興している。
●長めの間が多いゆったりしたスタート。徐々に音数が増えてゆく。ロリンズ+ゴードン風のゆるめのフレーズと速いフレーズが交互に現われ、2ndコーラスの中ほどで長めのダブル・タイムに突入して盛り上がり、ラストはペット・フレーズと決めぜりふ的なスティットのリックで締め括る、という具合に割とわかりやすい構成。タンギングの精度はいまいちだけど、破綻なくダブル・タイムを乗り切っていて、ほっとする(聴いているこっちがハラハラしてしまう)。所々に聴かれるユーモアのニュアンスはコルトレーン本来のものではなく、借り物(ロリンズ+ゴードン)じゃないかと思う。
(吉野)
□memo□
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6. S'posin' ( Paul Denniker / Andy Razaf ) 5:14
●シナトラがらみの曲ですかね。 How Am I To Know と同じく“歌物”をアップ・テンポでやってます。
●ここでもかなり抑えて吹いてます。特に1stコーラスはソロの展開からくるものもあるでしょうが、音数は多いですけどソフト。2ndコーラスに入るとフィリー・ジョーのバッキングともよく絡んで、非常にリズミックになります。このリズムの乗り方、間の使い方はちょっとロリンズっぽいのかなと思うんですがどんなもんでしょうか。大きな破綻はないですが、この時期の変てこなコルトレーンらしさがあまり感じられないように思います。
(西内)
□memo□
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Trane's Works 55, 56