Trane's Works 55, 56
1956, 3/1or2, Thu or Fri. CHAMBERS' MUSIC session
1. Dexterity
2. Stablemates
3. Easy To Love*
4. Visitation*
5. John Paul Jones
6. Eastbound
7. That's What I've Been Thru
( unissued )*          
*no solo
■曲名はコメントにリンクしています
John Coltrane (ts), Kenny Drew (p),
Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)
Western Recorders, Los Angeles, California.
○この時、ジョン・コルトレーン29歳5ヶ月、ケニー・ドリュー27歳6ヶ月、ポール・チェンバース20歳10ヶ月、フィリー・ジョー・ジョーンズ32歳7ヵ月半。
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■セッションの概観
●このセッションは西海岸ツアー中、ジャズ・シティ出演の最終日3月1日(木)、或いはその翌日2日(金)にハリウッドのウェスタン・レコーダーズで行なわれました。
●前回 " The New Miles Davis Quintet " (55, 11/16)のセッションから約3ヵ月半ぶりのスタジオ入りです。マイルス・デイヴィス・クインテットの3人に、54年後半から56年前半まで西海岸で活動していたケニー・ドリューが加わったメンバーで、コルトレーンは6曲中4曲に参加、全てジャズ・ミュージシャンによる曲になっています。56年中、コルトレーンのワン・ホーンでの録音は2度ありますが、そのうちの一つです(もう一つは11/30、ダメロンとの "Mating Call" )。約一年半後(1957/9/15)、同じこのリズム・セクションで "Blue Train" が録音されました。
(西内)
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1. Dexterity ( Charlie Parker ) 6:38
I Got Rhythm のコード進行をベースにしたパーカーの曲。
●過去2回のマイルスとのセッションに比べると、明るくのびのびとしていて解放感がある(チェンバースとフィリー・ジョーも同様でもっと顕著)。調子っぱずれに変テコなフレーズを繰り出すという、この時期ならではのコルトレーンらしさが出ており、これほどの素っ頓狂さはこのセッションと次回4月20日同じくチェンバースとのセッションだけにしか聴けない。ラルフ・グリーソンのレコード・レヴュー(註)に " freakish " (奇妙な、風変わりな、奇怪な/気まぐれな、移り気の、むら気の)という言葉が使われていて、無論否定的に使われているのだが、オレはこの freakish さに愛着がある変態なので、この演奏には freakish な魅力が溢れている、という風に肯定的な意味で使って讃辞を呈したい。
註). C.O.Simpkins, "Coltrane A Biography", p.55.に引用されているものによる。56年11月14日の『ダウン・ビート』に掲載。
●55, 11/16の The Theme に比べ、ダブル・タイムの切れが良いようで、3ヵ月半の進歩があるのかもしれない。
●ゴードン的な変テコさはなぜか稀薄。
(吉野)
□memo□
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2. Stablemates ( Benny Golson ) 5:50
●55, 11/16に続き2度目のレコーディング。→Stablemates (55, 11/16)
●クインテットでのヴァージョンに比べるとテンポ・アップして非常にスインギー。ドライヴするフィリー・ジョー・ジョーンズのドラミングが気持ちいい。ドリューも軽快だし、チェンバースのピチカート・ソロも曲の勢いを削がない切れのある力演なんだけど、コルトレーンはやや緩い音の抑え気味なアプローチで、ちょっと物足りない。ゴードン的な変テコさは4曲中もっとも良く出てるんだけど。
(佐々木)
□memo□
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3. Easy To Love ( Cole Porter ) 3:50
no solo.
●コルトレーンはイントロとエンディングのみに参加。チェンバースのアルコ弾きのソロがメインだが、バッキングのドリューの音が大きくて少しうるさい。
(佐々木)
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4. Visitation ( Paul Chambers ) 4:55
no solo.
●コルトレーンの抜けた、チェンバース、ドリュー、フィリー・ジョーのトリオによる演奏で、テーマの提示もソロもすべてベースのピチカート。
C. O. Simpkins, " Coltrane - A Biography " (p.55) " Down Beat " 56年11月14日号のラルフ・グリーソンによる " Chambers' Music " のレコード・レヴューが引用されているのだが、そこでグリーソンはコルトレーンのオリジナル曲 John Paul Jones を誉めつつも、 Visitation におけるコルトレーンのトーンとアタックはそれほど珍妙、突飛 freakish ではなく、最も良いようだとかなり痛烈な反語的讃辞を呈している。
(吉野)
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5. John Paul Jones ( Trane's Blues ) ( John Coltrane ) 6:55
●このセッションの二週間後、3/16にマイルス作 Vierd Blues として " Collector's Item " のセッションでレコーディングされ、さらに約2ヵ月後、5/11に今度はコルトレーン作 " Trane's Blues " として最初のマラソン・セッションでレコーディングされる。誰が本当の作曲者か、真相は不明。
●ダウン・ホームなテイストに斜に構えたような厳かさ、といったコルトレーン特有のブルース・フィーリングが既に濃厚に感じられる、破綻のないそこそこにまとまった好演。アプローチが全く違うとはいえ、5/11の Trane's Blues の不様さとは大違い。もちろん後のあのめくるめくような高速のパッセージはないし、やや締まりに欠けているとも言えるので、約一年後の Chronic Blues や約一年半後の Blue Train までの距離は意想外に近くかつ気が遠くなる程遠い、といったところ。 Vierd Blues のロリンズと比べてはいけない。
●ヴァンゲルダーのデジタル・マスタリングのせいか、フィリー・ジョーのバス・ドラがよく聴こえて印象的。
● → Trane's Blues (56, 5/11).
(吉野)
□memo□
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6. Eastbound ( Kenny Drew ) 4:20
●ケニー・ドリューがこのセッションのために書いたマイナーの曲。
●アップ・テンポの曲で自信がないからか、初見の曲でやはり自信がないからか、あるいは何らかの表現上の意図があってのことか、理由はわかりませんが、とても抑えて吹いている、というより、ほとんどボソボソのつぶやきです。 How Am I to Know (55/11/15) と同じ様な吹き方で、こっちの方がひどいです(もしかしてこれってスタン・ゲッツ風?)。 Dexterity とはまるで別人。例によって口ごもったようなフレーズや、最後まで言い切らずに途切れたようなフレーズが所々に聴かれます。コルトレーンのボソボソ加減の結果として、ドリューのピアノがテンポの速さにもかかわらずよりくっきりと、そしてフィリー・ジョー・ジョーンズの怒とうのドラム・ソロが仮借ない(ほとんど恐いほどの)ものに聴こえます。
(西内)
□memo1□     □memo2□
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7. That's What I've Been Thru ( unissued )
●未発表テイク。
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Trane's Works 55, 56