Trane's Works 55, 56
1956, 9/21, Fri. WHIMS OF CHAMBERS session
1. We Six
2. Omicron
3. Tale Of Fingers*
4. Whims Of Chambers*
5. Nita
6. Just For The Love
7. Dear Ann*
*no solo
■曲名はコメントにリンクしています
Donald Byrd (tp), John Coltrane (ts), Horace Silver (p),
Kenny Burrell (g), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)
Van Gelder studio, Hackensack, New Jersey.
○この時、ドナルド・バード23歳10ヶ月、ジョン・コルトレーン2日後9/23に30歳、ホレス・シルバー28歳19日、ポール・チェンバース21歳8ヶ月、ケニー・バレル25歳2ヶ月、フィリー・ジョー・ジョーンズ33歳2ヶ月。
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■セッションの概観
●3回目最後の 'Round About Midnight セッションの11日後、9月21日金曜日にこのセッションは行なわれました。前回同様、カフェ・ボヘミア出演期間中(8/31∼9/27)のことです。このセッションがきっかけでコルトレーンはブルー・ノートの共同経営者アルフレッド・ライオンの目に留まり、57年に入って行なわれたジョニー・グリフィン " A Blowing Session " 、ソニー・クラーク " Sonny's Crib " 、そして自身のリーダー・アルバム " Blue Train " へと続くブルー・ノートへのレコーディングの端緒となりました。この日吹き込まれた全7曲中、コルトレーンは4曲に参加、そのうち2曲は自作曲を提供しています( Nita, Just For The Love )。ソロイストの数が多く、ソロ・スペースが短いのが少々物足りないですが、この時期のコルトレーンに特有の奔放さや奇想をそれぞれの曲で聴くことができます。
●ドナルド・バードとケニー・バレルは57,8年に度々コルトレーンと共演しましたが、ホレス・シルバーとのレコーディングはこれが最初で最後のようです。
Dizzy Gillespie Sextet : Dizzy Gillespie (tp) John Coltrane (as, ts) Milt Jackson (vib, p) Kenny Burrell (g) Percy Heath (b) Carl "Kansas" Fields (ds) Freddy Strong & Calypso Boys (vo). 1951, 3/1. Detroit. —— これはコルトレーンがスタジオ録音で始めてソロを取ったとされる We Love To Boogie のセッションですが、もしかしてケニー・バレルのレコード・デビューもこの時のセッションなんでしょうか?
(西内)
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1. We Six ( Donald Byrd ) 7:39
●マイルスとのセッションでのような抑制感のない、力の籠った、荒々しいコルトレーンで、粗さも気にならぬ勢いがあり、溜飲が下がる。堂々たる風格さえ感じさせる。跛行しつつも身体ごとぶつかってゆく、均衡を欠いた突進、って感じ。曲も“歌物”よりこのようなアップ・テンポのマイナー・キーがコルトレーンには相応しい。音の表情は Weejah の時に近く、コルトレーン特有のタンギングが際立ち、思わず笑ってしまう(なんか所々舌先で声を出しているっぽい)。やっぱ変テコで、おれはこの変テコさを偏愛している(Coltrane on Coltrane で名前の上がっていたタブ・スミスがふと思い浮かぶが、実際の所、この変テコなタンギングは誰に由来するのだろうか)。
(吉野)
□memo□
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2. Omicron ( Donald Byrd ) 7:15
●後テーマのBセクションの部分、チェンバースのバックで、バードとコルトレーンが交互に Woody'n You のやはりBセクションの部分のメロディに似たフレーズを吹いてます。 Woody'n You を元に書かれた曲なのでしょうか。6/8拍子でラテン風のイントロとコーダでのバードはちょっとガレスピーっぽいのかなとも思う。
●実際にはそれほど派手なプレイをしているわけではなくて、むしろ8分音符主体に長めの間を挟みつつ、そこそこまとまった1コーラスになっているんですが、受ける印象は非常にハードです。トーンがやたら騒々しく耳障りでノワズなものになってます。これはデジタル・マスタリングのせいばかりではなくて、やっぱり目一杯強く吹いているせいなんじゃないでしょうか。即興に穏やかさや洗練を求める向きには、演奏内容を吟味する以前に、トーンで拒否反応が起ってしまうかもしれません。
(西内)
□memo□
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3. Tale Of Fingers ( Paul Chambers ) 4:41
no solo. ピアノ、ベース、ドラムスのトリオによる演奏。チェンバースのアルコ・ソロは五つ星の出来。
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4. Whims Of Chambers ( Paul Chambers ) 4:03
no solo. ピアノ、ギター、ベース、ドラムスのカルテットによる演奏。
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5. Nita ( John Coltrane ) 6:03
●変則的な構成のコルトレーンの曲。テーマの提示部は、AABの30小節。( 1bar + )
A ( 8bars ), A ( 8bars ),
B ( 14bars = Byrd solo : 6bars + Byrd solo : 6bars [ pedal point ] + break : 2bars )
●曲名はコルトレーンの妻ナイーマ(回教名:意味 = Happiness, peaceful, bliss )のクリスチャン・ネーム、ファニータ Juanita の愛称(他に Neet とも)。
●最初の印象······出だしのブレークでのハードな音色と勢い、素っ頓狂なフレーズ、ペダル・ポイント直前のもたつき等のせいだと思うが、1コーラス目は雑然とし、とっ散らかった感じ。2コーラス目は5小節に渡る(実質4小節かな)、コルトレーンには珍しい、間というには不自然に長いプレイの中断があり、その後ややおとなし目で、全体としてはぎこちなさが目立っていて、力に余る難しい曲を持ち出してしまった、あるいは自分の能力を超えて果敢に挑戦したが、はかばかしい結果が得られなかったのではないか、と高を括っていた。
●が、聴き込んでみると······ あるメロディックなフレーズを形を変えて何度か使っているのに気付く。提示部Aセクションのフレーズをもとにしたもののようにも聴こえるし、Bセクションでバードが使っているフレーズにも似ているように聴こえるし、バードの即興か、コルトレーンが予め用意したフレーズなのか分からないのだが、そのフレーズを効果的に所々挿入しつつ、出だしを勢いよく初めて1stコーラスではそれを維持、2ndコーラスではやや抑え目にして、最後のペダル・ポイントでまた盛り上がるといった、そこそこ考えられたソロになっているのではないかと思うようになった。聴き込んで耳が慣れたのでそんな風に聴こえるのだろうか。よくわからん。2ndコーラスの不自然な中断ももしかしたら意図的なものじゃないのかとも勘ぐり出した。これもまたコルトレーンの奇想なのか。この曲に限って1テイクしかないのもちょっとひっかかる。ミスやアクシデントだったら録り直せばよかったわけだから。でもやっぱ······ 不自然だよな。何か意味があるのじゃないかというこちらの勘ぐりが聴き取りに反映してそんな風に聴こえるというだけなのだろうか? 皆さんどう思います?
(佐々木)
□memo□
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6. Just For The Love ( John Coltrane ) 3:41
●もろバッピッシュなテーマで、実際コルトレーンのソロもメカニカルなフレーズが多用されているが、このセッションの他の3曲に比べるとテナーのトーンはやや“歌物”同様の抑制感のあるもので、所々ブルースらしからぬメロディックなフレーズがなんかちぐはぐ(1stコーラス6,7小節目=0:36、11,12小節目=0:43、2ndコーラス6,7小節目=0:52)。ややぎこちなく、無器用さが感じられる。
(吉野)
Nita 同様コルトレーンの作品で、一応12小節のブルース形式の曲です。しかしですね、各人のソロはブルースっぽく展開されるのでブルースだよな? と思って聴いていると、ブルース特有の結末というか“落ち”がなく、はぐらかされます。でもそれが結構心地よく、別のものが軽く通り過ぎていきます。
(西内)
□memo□
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6. Dear Ann ( Paul Chambers ) 4:18
no solo. コルトレーン抜き。クインテットの演奏。
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Trane's Works 55, 56