Trane's Works 55, 56
1957, 3/22, Fri. INTERPLAY FOR 2 TRUMPETS AND 2 TENORS session
1. Anatomy
2. Interplay
3. Light Blue
4. Soul Eyes
5. C.T.A.
■曲名はコメントにリンクしています      
1 - 4 : Idrees Sulieman (tp), Webster Young (cor),
John Coltrane (ts), Bobby Jaspar (ts), Mal Waldron (p),
Kenny Burrell (g), Paul Chambers(b), Art Taylor(ds)
5 : John Coltrane (ts), Red Garland (p),
Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)
Van Gelder studio, Hackensack, New Jersey.
○この時、アイドリース・シュリーマン33歳7ヶ月半、ウェブスター・ヤング25歳4ヶ月、ジョン・コルトレーン30歳6ヶ月、ボビー・ジャスパー31歳1ヶ月、マル・ウォルドロン30歳7ヶ月、レッド・ガーランド33歳10ヶ月、ケニー・バレル25歳8ヶ月、ポール・チェンバース21歳11ヶ月、アート・テイラー翌月6日で28歳。
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■セッションの概観
" Interplay For 2 Trumpets And 2 Tenors " のセッションはツアー中、シカゴとボルチモアでの公演の間を縫い、3月22日金曜日にニュージャージー、ハッケンサックのルディ・ヴァンゲルダー・スタジオで行なわれました。チェンバースが参加した " Red Garland's Piano " のセッションも同日同所で、このセッションに先行して行なわれています。
●前回 Mating Call (56, 11/30)のセッションから約4ヶ月、Tenor Conclave と同様プレスティッジ特有のリハーサルなし、リーダーレスのスタジオ・ジャム・セッションです。フロントにスタイルが対照的なトランペット2本、テナー2本が配され、ソロイストの数が多いので、曲が長い割にソロ・スペースが短く、聴きづらいのが難点です。しかしコルトレーンはこのセッションでいわば56年スタイルの完成型とでもいうべきソロを披露しており、57年の演奏ですが、56年の歩みの掉尾を飾るものとして敢えて取り上げました。“完成型”といっても、最早なんら感興をもたらさぬ類の凝固してしまったようなものではなく、非常にヴィヴィッドな即興で、感動的です(この後、ステレオタイプ化して固まってしまう前に、コルトレーンは次の新たなステージへと進みました)。
(西内)
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1. Anatomy ( Mal Waldron ) 11:53
All The Things You Are のコード進行(一部変更)がベースのマル・ウォルドロンの曲。各人のソロには All The Things You Are の雰囲気が濃厚。
●ハード・バップ的な Anatomy よりは、やはり All the Things You Are のテーマにより馴染みそうなメロディックなフレーズ(何かの引用でしょうか?)の反復で始まりますが、後が続かず、1小節空いて唐突な感じで Little Melonae (55.10/27、1stコーラス26小節=3:52)で使っていたフレーズが飛び出します(6小節、6:14)。続くダブル・タイムもやや途切れ、前半はいまいちかな。後半は緩急取り混ぜ、すんなりこなしています。
●ジャスパーとのソロの交換ではダブル・タイムの応酬があって、12小節のパートや最後の4小節など、かなり強烈なプレイも聴かれますが、とってつけたような激しさという感じがしないでもなく、スポンティニアスな盛り上がりとはいえないんじゃないでしょうか(何か曲調とそぐわないような気がします)。
(西内)
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2. Interplay ( Mal Waldron ) 9:36
●1巡目のコーラスはやや抑えた通常のプレイ・モード、2巡目のコーラスで俄然勢いが増し、Weejah " Informal Jazz " 収録)や We Six " Whims of Chambers " 収録)の時のようなタンギングが異様に際立ったプレイ・モードに突入、この傾向は3巡目でも維持される。一つ一つがくっきりした音の連なりが変てこだが56年の時より一層精度が増して小気味よい。ここでは結果的な滑稽感というより、確信犯的なユーモアも感じられる。くまなく確かめたわけではないので断言できないが、このデクスター・ゴードンのある部分をデフォルメしたような吹き方がこれほどの顕著さで聴かれるのはもしかするとこのセッションが最後かもしれない(ゴードン・ライクなプレイはもっと後まで続くが······。57, 5/31のセッションにこの傾向がいくらか感じられる。ことに I Hear A Rhapsody 。だがこれほど極端ではない、と思う。少なくとも変てこさはない)。
●意外とアート・テイラーの手数が多くソロイストをおおいに盛り立てている。
(吉野)
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3. Light Blue ( Mal Waldron ) 7:49
●1コーラス目の最初の4小節が助走=序奏で、次の4小節でどうにか離陸、最後の4小節で急上昇、2コーラス目では見事な滑空、といった感じです。迷いやためらいのないスムーズなダブル・タイムを披露しています。56年の後半と比べて、タンギングの精度がかなり上がっているんじゃないでしょうか。さらに、ちょうど一年ほど前のチェンバースとの2度のセッションと比べると、進歩の度合いがはっきりと聴き取れます。
(西内)
□memo□
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5. Soul Eyes ( Mal Waldron ) 17:29
●17分を超える長さで聴くのが大変。テーマ提示(1コーラス)だけで2分以上かかる。コルトレーンのソロは6分44秒から。テーマ提示部Bセクションの中高音が印象的。音数の多い、動きのあるバラードでの即興だが、くどくなく、静謐な曲調を乱すことはない。56年9月10日の How Deep Is The Ocean に比べるとより締まったシャープな音の輪郭。多用されるダブルタイムも滞りなく、力演と言えるんじゃないかな。しかし曲のせいか、ドライなコルトレーンの特性のせいか、色気がない。ないものねだりかね。
(佐々木)
□memo□
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5. C.T.A. ( Jimmy Heath ) 4:40
I Got Rhythm のヴァリアント。
●ぶっきらぼうでやや粗いが、奔放でスポンティニアス、テンションは高い。初期特有の無骨な荒々しさの魅力に溢れたプレイで、ふてぶてしいようなサウンド。このタイプの“激しさ”はこのセッションが最後(たぶん。以後、主体のイニシアチヴとは無縁の“激しさ”のタイプへと移行する。それは最早“激しさ”と呼ぶべきものではないのだが······)。チェンバースは当然として、テイラーが Interplay 同様非常にアクティヴで、ガーランドも巻き込まれた感じで熱演(ちなみにこのセッションの直前に行われた Red Garland's Piano のセッションはバラードとミディアム・テンポのスタンダードが中心で、テイラーはブラシでのプレイに終始していた)。
(吉野)
□memo□
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Trane's Works 55, 56