ブルージュへの訪問は、パリからベルギー国際高速列車タリス号(タイリス号とも)に乗っての日帰りベルギー旅行を企画した際に実現しました。
この日、朝7時4分パリ北駅発の特急タリス号に乗るため、準備と余裕を見て、朝5時起きを余儀なくされました。ホテルに無理を言って、朝食代わりにサンドイッチを弁当に作ってもらって、リヨン駅から5km程の距離をタクシーでパリ北駅へ。ちなみに、この時間、タクシーは早朝割増料金が掛かっていました。
 6時過ぎ、余裕で早朝のパリ北駅に到着。まだまだ暗い中、ワインレッドに映えた憧れのタリス号。チケットは日本で代理店で手配済み(US$58)。ちなみに、駅には日本のような改札口がなく、駅から電車までの出入りは自由ですが、ホームの端っこのところに小さな郵便ポストのような自動検札機で刻印してチェック完了です。車内は、日本の新幹線等の特急同様、進行方向を向いた椅子型の座席で、そんなに混み合ってもなく、時折大きな荷物を持った外人さんが国際旅行気分を感じさせる程度の、気軽な長距離電車の旅です。車内で、ホテルで作って貰ったサンドイッチを食しながら、早朝のこととて、電車なのに舟を漕ぐしばしのまどろみ。ちなみに、車内では検札はおろか、パスポートチェックもなし。この結果、折角のベルギー入国にも関わらず、パスポートには足跡なく、いわば密入国状態なのでした。
 ジャスト2時間掛けて、9時4分にブリュッセル南駅へ到着。ブリュージュには、ここからローカル線に乗り換えねばなりません。国内ローカル線ということで、事前にチケット手配は出来無かったので、ここでしばし、駅内をウロウロ。案内所でブリュージュ行きのチケット売場と乗り場を確認して、チケット売場で2ndクラスのチケット(US$18)をゲットして、急ぎホームへ。こちらはローカル線、しかも人気スポットのブリュージュということだけあって、車内もコミコミ。コンパートメント・タイプの座席で、向かい側や隣には、白人の親子だったり、若い黒人の男性だったり、その距離の近さに、少しばかり緊張感が走ります。約1時間で、念願のブリュージュへ。ちなみに現地語では「ブリュッヘ」です。ローカル線のこととて、車内は英語なし。更に緊張が走ります。でも、車内表示や、お客さんの動きでも分かりますし、到着時刻でもわかります。最後は駅名を確認してバッチリ。
  地図を見ながら、駅からテクテク歩き出すと、すぐに「ベギン会修道院」と「愛の湖」が見えてきます。しかし、トンボ帰りで昼過ぎにはブリュッセルに行かねばと思っているので、感慨も無く、記念写真だけ撮ると、足早に中心街へ向かいます。途中、聖母マリア教会の覗き見し、それから、ブリュージュといえば「レース」ということで、レース屋さんでウィンドウ・ショッピングなどしながら、デイバー通り沿いの橋の袂にある遊覧船乗り場で遊覧船に乗船して(BF150)、ブリュージュ市街を運河の水上から観光。遊覧船では各国の外人同士で乗り合わせますので、当然のように日本語アナウンスは無いため、何となく景色だけを見物。乗り場から、先程の愛の湖まで行ってUターン。ヤン・ファン・エイクの像のある所でまたUターンして、最初の乗り場まで。
 ちなみに、この間、当然幾つもの橋の下を過ぎる訳ですが、ブリュージュ(=Brugge)とは、橋(=Bridge)の意味ということですから、さもありなんです。ブリュージュをして、「北のヴェニス」と呼ぶとのことですが、その眺めは、さながら、イタリアのヴェニスを少しこじんまりさせて、更に中世ヨーロッパのおとぎの国に誘(いざな)ったという感じでしょうか。かつて、西ヨーロッパ随一の貿易港として栄え、15世紀に入って土の沈殿で水路が閉ざされて、中世の時間ごと閉じ込めて保管されたというその美しさは、確かにヨーロッパでも屈指の美しい街という印象です。
 船を降りて、いよいよ中心街を目指して歩きます。定時毎に鳴るカリオンで有名なベルフォルト(鐘楼)を横目に、そのまま進むとマルクト広場に行き当たります。
マルクトのマルクト(=Markt)とは市場(=Market)の意味ということで、当然のようにそこには市が立っています。野菜やら果物などの食料品から生活品まで、通常の青空市場といった感じで、広場の中心にテント張った下で売買がなされています。いかにもヨーロッパ的な光景です。そして広場の周囲には、典型的な中世っぽい建物が壁のように林立していて、可愛くって、荘厳であって、綺麗です。
そして、その建物に沿うような形で、また別のテントの群れが。カフェやレストランが沢山並んでいます。ベルギーに来た最大の目的は、800種類もあると言われるベルギービールを飲むこと。いよいよその目的を果たす瞬間がやってきました。
並び立つレストランの一つ、黄色いパラソルのお店に入って、まずはホワイトビールを飲むことにしました。ヒューガルデン・ブロンシュ、そう、日本でたやすく手に入るあの一品です。その爽やかな香りは、朝から殆ど潤していない喉には心地良く、あっという間に平らげてしまいました。次には聞き慣れない「レッドビール」を、ということで、ベルビュー・クリークを注文しました。そう、日本ではアサヒビールが輸入代行しているあの一品。今思えば滅茶苦茶勿体無い。折角の機会をこんなビールに費やしてしまったとは!でも、素人とは往々にしてこういうもんなのでしょうね。でも、その結果、ズブズブと深みにはまることができたわけですから、それはそれで良かったのでしょうけど。。。
食事に小一時間ほど費やして、その後は、道々レース・ショップを覗きながら駅の方へと向かいます。もう少し時間が欲しかった所ですが、日帰り旅行のこととて、しかもこの後にブリュッセルも回らなければならないという強行日程であるため、既にブリュージュもタイムアップが近づいていました。今思うにつけても勿体ない。。。でも、元々、日本で旅行企画している際に、ブリュージュ、ブリュッセルとも、美術館や博物館に寄らないのであれば、各々半日で充分行ける、と代理店の人から聞いていたので、それはその通りかなと。数時間は少し物足りないとしても、1日あればとりあえずは堪能出来るのかな?という印象はありました。
ともあれ、運河の水鏡が映し出してくれる中世からの時の流れは、歴史というものの重みを感じさせてくれて、なかなか日本人好みな街並みと感じました。 |