大小あわせて14の島からなる街ストックホルムは、その中心地をメーラレン湖に浮かべた島々を橋で結んだ水の都ですが、島々が隣接しているため、島というよりは、湖の方が川のように見える感じすらあります。
アーランダ国際空港からほどしばらく、市街地中心部辺り、エステルマルム広場近くに宿を取りました。既に午後になっていましたが、欧州の夏の夜は長く、取り分けても北欧ですから、明るい時間はたっぷりです。
到着してすぐに、旧市街地の「ガムラ・スタン」へ。ここには王宮や大聖堂、ドイツ教会といった昔の面影を残す建物が林立しています。途中、ヘランズホルメン島にある国会議事堂に立ち寄りました。ここは丁度国会議事堂の真中を擦り抜けることが出来ます。
国会議事堂をスルリと抜けて、ガムラスタンに入るともうすぐそこに王宮がありますが、その前に左に入って寄り道、そこにストックホルムで一番美しいと賞される貴族の館があります。これはかつて貴族階級による初の議会が行なわれたところでもあり、現在では室内楽のホールにも使われているようです。内部も拝観できるようなのですが、残念ながらお昼の時間帯だけの公開のようでした。まぁ、特に触手も動かされなったので、そのまま外観だけを見て、更に道を進んで、リッダーホルム島へ渡り、シッダーホルム教会へ。
街の何処からでも眺められる高い塔がランドマークとなっており、13世紀に立てられた古い教会ですが、この塔自体は1846年に建造されたものとのこと。このリッダーホルム教会もとりあえず外から見るだけ見て、ようやく王宮へターンバック。
王宮は1754年の建造ということですが、現在の王室は郊外のドロットニングホルム宮殿に移ってしまい、今現在はこの王宮には住んでいないとのこと。しかしながら、そこは王宮ということで、ものものしい銃剣などを携えた直立した軍隊が王宮を四六時中護衛しています。ただ、王宮を守る軍隊というと、何となくイギリスのあの軍隊を想像してしまうのですが、こちらは至って質素で、何となく警察のようにも見えたりします。なお衛兵の交替式が、お昼に大々的に行なわれるということで、この時点では既に終わった後でした。しかし、二時間おきには部分的な交替式があるということなので、それを楽しみにしつつ、先の観光を進めました。
さて、王宮を後ろ目にやり過ごして出ると、すぐ隣に大聖堂がやってきました。
大聖堂は、建造そのものは15世紀ということで、この辺、我々にとってはあんまりなじみのない北欧ですが、意外と歴史の深さのようなものを感じさせてくれます。この大聖堂は、国王や女王の戴冠式や結婚式が行なわれる由緒ある場所とのことで、その意味ではある種、明治神宮や伊勢神宮にも似たような存在とえいるんでしょうか?(笑)
大聖堂を抜けて行くと、直にストールトリエットと呼ばれる大広場に向かいます。ここはかつて「ストックホルムの血浴」と呼ばれる、貴族の大粛清が行なわれた場所です。建物は何処となしにブリュージュのマルクト広場や、ブラッセルのグラスプラスを思い起こさせてくれますが、それよりはもうちょっとモダンな感じがあります。色合いがカラフルなために、何となくお菓子細工の「お菓子の城」みたいなものを想起させてもくれます。スウェーデンというと、モダンなデザインな家具・調度類が有名らしいのですが、その由来のようなものを感じないでもないです。(^◇^;)
なお、広場には証券取引所が面しており、この最上階にはノーベル文学賞を選考するスウェーデン・アカデミーがあります。
このガムラスタンは旧市街地だったということで、全体に古い建造物が散在していますが、街並み自体も古い時代の名残をそこかしこに残しています。その意味ではエディンバラの旧市街地にも似たような雰囲気もある気がします。なお、ここには、ストックホルムで一番狭い、道幅90cmの道「モーテン・トロツィグスグレンド」があるとのことで、当然それを見てみようと、色々フラフラしてみました。地図を頼りに歩くのですが、これが案外見つからない。流石ストックホルム一番狭いだけのことはあるなぁと思って、ウロウロしていると、ようやく看板で確認できました。なんだ、ここならさっき素通りしちゃってたなぁと思って除いてみると、反対方向からも外人さん達が同じようにこちらを覗いています。お互い、ここで合ってるのかなぁと何処か不安げで(笑)。90cmとはいえ、案外人間薄っぺらいもので、双方向から入ってきては皆スルリと抜けて行き、ハイ、目的達成!でも、これが世界一細いんならともかく、、、こういうのが観光の目玉の一つになっていること自体、ストックホルムはそんなに観光都市ではないんだろうなぁと勝手に決め付けちゃっていました。
 その後もそこら辺りをフラフラしながらドイツ教会へ。これまた1600年代の建造物というから、ストックホルムはホント中世の博物館といった感じです。どれもこれもややススけているところが趣き深かったりします。東欧〜中欧界隈も結構こんなススけた感じの建物が多かったりするんですが、あれは大気汚染のせいだとか聞いていますが、ストックホルムはどうなんでしょうね。ちなみに、ここも内部を見学できたみたいなんですが、時間に追われている私はそそくさと通過しました。
その後、島の外周部分をぐる〜りと周って王宮へまたカムバック。そろそろ王宮の衛兵交替式の時間です。スウェーデンの国旗に先導されながら、衛兵達がやってきます。皆白いヘルメットを被っているのですが、それがどうにも兵隊らしくなく、やっぱり警官に見えてしまいます。全体に派手さはないんですけど、でもキビキビした動きは、やっぱりいかにも軍隊らしいものがあります。
ここまで色々な建造物をスルーしてきてしまったのですが、流石に王宮はそういう訳には行かないと、こちらは内部の見学をしました。現在住んではないとはいうものの、一応まだ使用されている建物を公開しているというだけあり、なかなか建物が豪華です。宝物なども展示されており、これまで見てきたどの宮殿よりもゴージャス感がありました(・・・って言うほど王宮見学なんてしていなかったりしますが(^◇^;))。
こうして一通りガムラ・スタンを見物した後でこの日の観光は終了。この後晩ご飯を食べようと、あちらこちらのレストランなどを物色。しかし、スウェーデンは物価が高いから、なかなかお店に入るのが躊躇われます。メニューに載っている一つ一つのアイテムはそう高くはないのですが、消費税が20%。だから1000円のものを食べても1200円。2000円なら2400円となってしまいます。まぁ、こんな所くんだりしてお金を少々ケチることもないのですが、如何せん、そこに記載されているよりも実費2割増というのは大きな心理的負担になるものです(^^;)。日本の景気だって、消費税3%から5%に引き上げたのが今日のデフレに繋がったとも言われるぐらいですから、それはそれは結構バカにならないお話ではあります。そうこうしながらも、結局ホテル近くのレストランに入ってお食事を。ここでは地元名物?トナカイの肉のカルパッチョを食べてみました。甘いソースがかけられているせいか、赤身のお肉はなかなかの美味でした。鹿肉みたいに真っ赤だなぁなどと思っていましたが、まぁ近縁種なのでしょうから、さもありなんです。
 翌日は朝早めにホテルを出て、エステルマルム広場を軽くグルっと周ったあと、船着場に出ました。朝早く、北欧の青空の下、湖畔を歩くのはなかなかの贅沢で気持ち良い感じがします。そうしてメーラレン湖と浮かぶ船を見ながら、湖沿いを歩いて、一路市庁舎のあるクングスホルメン島へ。ちなみにこの市庁舎はノーベル賞授賞の祝賀晩餐会が行なわれるので有名な場所です。ゆっくり行ったつもりではあったのですが、そこはそれ、出発が早かったということもあり、着いた時にはまだ開館時間には少し少し早く、庁舎の外で他の外人客と一緒に待たされました。
 しばらく庭を散策しているとやがて開館。中をそぞろ歩いて行くと、見学ガイドのサービスがありました。生憎、英語のサービスと地元スウェーデン語ガイドしかなく(まぁ、そんなもんでしょうが)、やむなく英語サービスに外人様ご一行でぞろぞろと館内をついて回りました。途中色々ガイドさんが薀蓄を語ってくれているんですが、サッパリ聞き取れない私はすっかり落ちこぼれ気分。カルガモの雛のように、はぐれないようについて回るので精一杯です。そうしている内に愈愈見学のハイライトの黄金の間に。1900万枚の金箔が張られているというこの部屋で、ノーベル賞授賞パーティーの舞踏会が行なわれます。その後塔に登ってメーラレン湖とストックホルム市内を見渡します。まだ午前中、何処か優しげな夏の日差しに湖面を乱反射させた景色を見ていると、気持ちがスーッとします。ガムラスタンを見ながら、「昨日あの辺歩いたなぁ」なんて思いながら、しばらくボーッと眺めていました。
市庁舎を後にして、橋を歩いて渡って、ストックホルム中央駅へ。ここで折角来たのだから一度電車に乗ろうかと思い、ガムラスタンを越えて向こう側のセーデルマルム島まで地下鉄で渡りました。地下鉄でニ駅、スラッセン駅に到着して外に出ると、そこは割合人通りの少ない所でした。特にあてもなく、島のヘリを沿うように歩いて行くと、ストックホルム市街の見晴らしの良い場所とされる場所に行きあたりました。
つい今し方、市庁舎の塔からガムラスタンなどの景色を眺めてたばかりですが、こちらの景色はまた広々とした感じで気持ち良いものでした。湖の向こうに広がるストックホルムの市街地は青々として平坦な感じで、やはり気持ちがスーッとします。この見晴らしのポイントは特に有名ではないのでしょう、特に観光客も地元民も来ているというでもなく、「こんな所に、見慣れない外人だなぁ」と、擦れ違う地元民が言いたげな視線が刺さる気がしました。
その後、今来た道をまた戻って、地下鉄に乗ってストックホルム中央駅へ。そこから繁華街を散策しようと、ヒョートリエット広場とセルゲル広場をブラブラと。ヒョートリエット広場では隈なく歩き回って、お店をチラチラと市場視察。その後、ストックホルム一の繁華街といわれるハムンガータンへ行きました。この辺で、昼ご飯に何処かレストランにでも入ろうと思ったのですが、どうも例の消費税とかを考えると高そうで、ちょいと躊躇。でも結局トナカイ料理に並ぶ当地名産の?ザリガニ・スープを少々。ザリガニといっても伊勢えびみたいなもの?コクのあるエビ味がなかなか美味しかったです。でもこれって現地でもゲテモノ料理に近いんでしょうか?でもストロング・ビールを飲んでいたこともあって、それだけでも充分幸せな気分に浸っていた私。
お腹が満ち足りて、少し一服した後で、今度はNK(エヌコー)デパートへ。北欧最大のデパートということですが、ここが初めての北欧なので(笑)、流石に実感が無いのが残念でした。スウェーデンといえば、モダンなデザインの家具が売り物ということで、少しだけその関係のフロアにも行ってみたのですが、何だかシンプルなデザインという印象で、個人的にはあんまりピンと来なかったりして。まぁ、どうせその辺には目利きがない人間ですので。(^_^;)
この日の晩ご飯は少し足を伸ばして、ストックホルム北部のスタルメスタレゴーデンというレストランへ。ここは元々は17世紀頃、貴族の邸宅だったものをホテル&レストランに改装したもののようで、いわばスウェーデンのマナーハウスといったところなのでしょうか?ここではしばしスウェーデン料理とスモルガスボード(所謂本家本元の“バイキング”)に舌鼓。やっぱりお食事の美味しさはその国の印象を左右しますよね。
翌日は午前中でスウェーデンを発たないといけなかったので、また朝早く起きて、ホテルで朝食を済ませた後、ユールゴーデン島へ向かいます。こちらの目的は世界最古の野外博館の「スカンセン」へ。生憎のお天気の中、傘を差しながら、徒歩でテクテク歩きつつ、途中、北方民族博物館を横目に見ながらスカンセンへ到着。受付で入場料を払ってすぐにモノレールで中へ。野外博物館というのですが、全体の印象としては、民家園+野外動物園といったところでしょうか。トナカイが飼育されていたりしていたのが印象的でした。
ほどしばらく動物などを見たあと、また元来た道を逆戻り。その後、空港に向かって、日本へ帰国の途へ。最後が生憎の天気でしたけど、駆け足で駆け抜けた凝縮された北欧滞在でした。
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