トップページ に戻る  
組合会計  
 
 
管理組合会計についての会計処理には、特別な定めはない!  
管理組合会計は企業会計とは異なり、法令などの制約のない会計です!  
 
会計の基本知識で財務諸表を読めるのです! しいては不正を糾すことができるのです!  
管理組合は、営利を目的としない非営利団体です。よって、要請される会計基準は非営利団体としての会計となります。
しかし、実際は企業会計に基づく会計処理が広く採用され、企業会計に公益法人会計の思想を取り入れたものになっています。。
したがって、企業会計の基礎も知らずに管理組合会計処理は出来ないという事です。
 
 
会計に馴染みのない方へ
まず全体を読んでいただく前に、下記の帳票を見てみましょう!
企業会計 損益計算書
貸借対照表
マンション管理組合会計 収支報告書
貸借対照表
財産目録
 
 
結局、管理組合会計は「入りを計って出を制す」が大原則  
管理組合会計の目的
管理組合会計の目的は、マンションの管理・保全を最小限の費用で、最大限の効果を得ること!
つまりは、事業計画に基づき予算を作成し、その予算と決算との差異を分析することにより、予算の執行の適否や、その責任事業計画の適合性を判断します。
 
 
■マンション管理組合会計の財務諸表と帳簿とは
そのなかで重要なのが、貸借対照表と収支計算書
計算書類
一般会計(管理費会計)

特別会計(修繕積立金会計)
収支予算書 管理組合会計は、予算に基ずく会計です。
収支計算書 一会計年度内の収支状況を表す。必ず、予算と決算を対比して作成
貸借対照表 一時点の財産を明らかにするため、全ての資産・負債・資本を表示
正味財産増減計算書 正味財差が極めて小額である場合など、相当の理由が場合は作成を省略可
財産目録 年度末における全ての資産および負債の内訳明細
付属書類 備品台帳等
会計帳簿
一般会計(管理費会計)

特別会計(修繕積立金会計)
主要簿 仕訳帳
勘定元帳
補助簿 現金出納帳
管理費台帳
備品台帳等
 
 
貸借対照表と収支報告書が作成されるまでの流れ(企業会計を参考)
企業会計においては、会社の決算書類と言うと、年度末における会社の財務状態を表した「貸借対照表」と、1年間の会社の営業成績を表した「損益計算書」が知られています。
それに対して、管理組合会計は営利を目的としていませんから営業活動はしません。したがって、企業会計とは異なって「損益計算書」は作成する必要がありませんが、組合運営に要したお金が予算に基づいて行われたかを表した「収支報告書」を作成します。

取引伝票を記入する
伝票の取引内容を総勘定元帳(元帳)に転記する
(企業会計)
試算表を作成する
(企業会計)
決算整理のあと精算表を作成する
貸借対照表・収支報告書などの決算書を作成する
 
 
総勘定元帳  
企業では伝票記入は各従業員が行い、それが経理に回って「総勘定元帳」に整理されます。
総勘定元帳は、勘定科目ごとに記入欄があり、一覧表になるように作成されます。つまり、総勘定元帳を見れば、勘定科目別にどんな取引が発生したのか一目でわかるようなっています。

ほとんど管理会社に代行してもらっている管理組合では、この総勘定元帳からチェックする必要があるのではないでしょうか!
 
総勘定元帳の記入 集められた伝票は「総勘定元帳」に整理されます。  
現金  
日付 適要 借方 貸方 残高
@ A B C D
 
@取引の発生した日付順に記入する
A伝票の相手方を書く
B借方に仕訳されているならそのまま転記する
C貸方に仕訳されているならそのまま転記する
D借方合計と貸方合計の差額を記入する
 
 
伝票  
借方 貸方
現金 500,000 借入金500,000
 
 
<総勘定元帳>  
現金  
日付 適要 借方 貸方 残高
12/25 借入金 500,000 500,000
 
 
借入金  
日付 適要 借方 貸方 残高
現金 500,000 500,000
 
 

 
日常の会計処理は、複式簿記の原則に従って処理
複式簿記・・・すべての取引を原因と結果の二つの面に記入すること。
・ある勘定の借方に記入された金額は、必ず同額が他の勘定の貸方に記入される。
ということは、すべての勘定口座のの借方の総合計=すべての勘定口座の貸方の総合計
 
 
帳簿作成は伝票から
取引が発生したら、伝票を起こすのが最初の仕事(起票)

主な伝票
入金伝票 現金の出し入れにかかわる取引を記録するだけに使かわれる。たとえば現金で備品を購入した、仕入代金が現金で入ってきたという場合などです。

出金伝票 出金伝票も入金伝票と同じことがいえます。したがって、実務的には「入金伝票」と「出金伝票」の2つの伝票が多いのではないでしょうか?

振替伝票 振替伝票を使用する際は、簿記の技術が必要といわれています。

の3つがあげられます。
 
 
管理会社の提出する財務諸表に全幅の信頼をおいていいのか?
伝票は管理組合の1年間の管理組合運営の成果です。それを決算書という形にまとめるのが経理の仕事
管理組合会計における業務は、一般的には管理組合の役員(組合員)によっておこなわれることは少なく、委託した管理会社の代行によっておこなわれているのがほとんどです。当然、何億円何千万円という大金が徴収される管理組合では管理会社への信頼信用を頼りに任せているわけですが、「管理組合に隙あらば、掠め取ってやろう」と虎視眈々と邪なことを考える管理会社は昔も今も存在します。しかも、善良な衣を着て表面だけは優良会社の宣伝に躍起になっている大手管理会社とて信用できるものではありません。
提出された財務諸表は、いかにも精緻のうえ作成したかのようにもっともらしく見えるものでも、しっかり内容を吟味しなければ、会計のトリックというかまやかしによって不当に大事なお金を掠め取ってる可能性があるのです。

一つでも疑わしい点を見つけたら、必ず全体をチェック
財務諸表は管理会社で作成してくれますが、基本的には管理組合からの帳票を集め総勘定元帳を作成し「収支報告書」や「貸借対照表」が提示されます。
単なる記載ミスならば訂正すればよいだけですが、チェックする管理組合の監事さんの専門的知識のないことに事欠いた意図的な操作がされているとすれば、事は重大です。
多少経理の経験のある方であれば、管理組合会計(企業会計とは多少異なるので)をちょっと勉強すれば上記の邪な会計処理は発見できるはずです。

もし、そのような箇所を一つでも発見したならば、必ず総勘定元帳からチェックすることを勧めます。指摘事項の説明を管理会社の者に問い質す以前に、管理組合として一度は吟味しておくべきです。
このような場合の、管理会社の対応は、ほとんどが言い訳で終始してしまいます。
 
 
管理組合会計における主な勘定科目と仕訳
企業会計では取引が発生したら、伝票整理からはじまります。当然、管理組合会計でも同じことです。
「仕分は取引を左右に分解するルール」とも言われます。お金の出し入れを勘定科目に分解し、一定のルールに基づいて伝票の「借方」「貸方」に記入することでもあります。

勘定科目は、「資産」「負債」「資本」「収益」「費用」のいずれかに必ず属するのでお金の出し入れがあれば、勘定科目の額も増えたり減ったりします。

勘定科目
「100万円を銀行から借りた」という取引が発生した場合、そのことをそっくり書き写すのでしょうか?
違いますよね!
簿記では取引内容を、より簡潔な言葉に置き換えて記帳します。この簡潔な言葉こそ「勘定科目」といわれているものです。
(例)
・「銀行から借りた」  「借入金」
・「管理費等が入金された」  「管理費」 「修繕積立金」
・「管理費が一部未収となった」 → 「管理費」 「未収入金」

以上のことからすべての取引は「すべての取引は2つ以上の勘定科目に分類できる」
「銀行から100万円借りた」という取引では、勘定科目は「借入金」になりますが、さらに、100万円という「現金」が手元に残ります。「現金」も勘定科目です。
このように1つの取引には、片方の勘定科目が発生する原因となる勘定科目があるのです。つまり、一つの取引には2つ以上の勘定科目があるということです。これを、「取引の二面性」といいます。

勘定科目は大きく5つのグループに分けられる!資産・負債・資本・収益・費用
勘定科目は、資産・負債・資本・収益・費用のどれかに所属しています。
資産 資産とは管理組合が所有する財産 現金・預金・預け金・未収入金など
負債 負債とは、管理組合が将来支払う義務のある「借金」 前受金・未払金・借入金・預かり金など
資本 管理組合では「正味財産」としていますが、「元手」といったところ 繰越金・剰余金など
収益(収入) 企業は収益を出すことを目的にしていますが、管理組合はそのことを目的にはしませんから、「収入」としています。 管理費・修繕積立金・駐車場使用料・雑収入など
費用 管理組合運営をしていくうえで何かとコストが掛かります。その運営をしていくうえでの必要経費(支出科目)を費用といいます。 管理業務費・設備業務管理費・清掃業務費・水道光熱費・損害保険料・計画的に行う修繕費・不測の事故等に要する費用・建物等の調査費など

5つの仕訳のルール
借方 貸方
資産 増加 減少
減少 増加 負債
減少 増加 資本
費用 発生 発生 収益(収入)
■増加(発生)するほうを基本に考えます。
つまり、資産なら借方を基本とし、負債と資本は貸方を基本とします。
仕訳をするときはこのルールを必ず守らなければならないことになっていますから、この段階の間違いが最終的な決算書にも間違ったものとして作成される可能性もあります。

管理組合会計における特有な仕訳例
(管理組合会計は発生主義の原則に基づいています。)
発生主義とは、事業年度内に発生したすべての収入・費用・試算・負債などを計上します。また、入金・出金のみで処理するのではなく、管理費等の未収入金、経費の未払金等を把握し計上します。

1、当月分の管理費等
(管理費と修繕積立金)が、管理組合口座に入金された。
普通預金     1,000,000 管理費     900,000
修繕積立金  100,000
管理費・修繕積立金(収入)が発生したため、普通預金(資産)が増加しました。したがって、上記の5つのルールに従って整理すると、収入の発生は貸方(右)に記入します。収入によって普通預金額(資産)が増加しましたから借方(左)に記入します。

2、当月分の管理費等が一部未収となった。
普通預金    900,000
未収入金    100,000
管理費      900,000
修繕積立金   100,000
管理費等の100万円の収入があったのですが、10万円の未収入もありました。したがって、収入の発生は貸方に記入します。そしてその収入のうち未収入金がありますが未収入金は資産科目で資産増加ですから借方に記入します。
実際、90万円は普通預金に入金なったわけですから資産の増加で貸方に記入します。

仕訳は、実務をこなしていれば自然と身につくといわれています。
したがって、理想とするならば自分たちのお金の管理は他人(管理会社)に任せないで組合内部の組合員で処理したいものです。しかし、実情はそう簡単にできるわけではありませんから、ちょっとした間違いや不正を見抜く目だけは養っておく必要はあります。
 
 
■管理組合会計は、損益計算を目的にしない!
管理組合会計は、損益計算を目的にしてないため、減価償却を必ずしも必要としません。
したがって、管理組合会計では金額のいかんにかかわらず、購入時に全額支出として総額が計上されます。ただし、この場合、貸借対照表には資産として備品が計上されないことになるので、別途、備品台帳を作成し、購入年月日、予想耐用年数を記録する必要がある。
 
管理組合法人においては財産目録を作成しないと罰せられます
管理組合法人には区分所有法71条6項で、「財産目録を作成せず、または財産目録に不正の記載若しくは記録をしたとき」は「20万円以下の過料に処する」と罰則規定があることに留意してください。

財産目録・・・年度末におけるすべての資産および負債の内訳明細
内容は、貸借対照表と重複しますが、貸借対照表では記載できない資産、負債の名称、数量、価格等を詳細に記載します。
預金については、銀行名、支店名、預金種類、口座番号、残高等を記載します。
 
 
■マンション管理組合には、法人化された管理組合と法人化されていない管理組合がある!

区分所有法では、管理組合自体の法的性質に関する規定は置いていません。そのため管理組合の活動で得た財産が、管理組合に帰属するのか、管理組合員である区分所有者に帰属するのかが法律上明確ではありません。
管理組合が法人化すれば、権利義務の主体が明確となり法人に帰属することになり、財産の法律関係がはっきりします。


法人化された管理組合法人は、税制上は非営利法人の公益法人等とみなされます!
法人化された管理組合法人については、法人税法および地方税において、原則として「公益法人等」とみなされる。もちろん、法人格を取得していない管理組合「人格なき社団」についても、管理組合法人と同様であり、法人格の有無によって課税上の差異は生じません。
 
管理組合法人 「区分所有法」第47条に規定する法人登記をした「管理組合法人」
区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、その主たる事務所の所在地において登記することによって法人となる。
法人でない管理組合 「人格のない社団」は法人税の納税義務者となり、所得税、国税通則法、租税特別措置法においても「人格のない社団」は法人としてこれらの法律を適用し、納税義務を負うことになります。
 
権利能力なき社団の要件
団体に規約等が存在し、かつ、団体としての組織を備え、多数決の原理がおこなわれ、構成員の変更にかかわらず団体が存在し、その組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理等団体として主要な点が確定していること
(昭和39年 最高裁判決)

法人でない管理組合口座名義
上記の判例から、法人でない管理組合の管理組合口座の名義は「○○マンション管理組合理事長○○○○」としておくべきです。
 
 
マンション管理組合の会計  
管理組合会計の会計原則  原則がなければ会計処理は出来ない!
企業会計の一般会計原則をベースとした上で、公益法人会計の原則を取り入れている。
(会計原則の比較) 
企業会計原則 管理組合会計の会計原則 公益法人会計基準
一般原則 予算準拠主義の原則 一般原則
1、真実性の原則 真実性の原則 1、予算準拠主義の原則
2、正規の簿記の原則 正規の簿記の原則 2、複式簿記の原則
3、資本・損益取引区分の原則 明瞭性の原則 3真実・明瞭性の原則
4、明瞭性の原則 継続性の原則 4、継続性の原則
5、継続性の原則 保守主義の原則
6、保守主義の原則 単一性の原則
7、単一性の原則
 
 
会計情報は誰に提供するのか?・・・内部関係者だけじゃない!
会計情報は、区分所有の内部関係者だけでなく、外部の利害関係人にも提供する義務があります。
 
 
標準管理規約 第64条
理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。
理事長には、会計帳簿を保管し、閲覧させなければならない義務があります。
 
 
予算編成の手順
理論的には、会計期間前に予算を確定しておくべきでしょうが、実際は、会計年度開始後2〜3ヶ月以内に開催される定期総会で収支報告および予算が承認されるのが一般的
 
管理組合会計には、一般会計と特別会計がある!
一般会計
日常の維持管理費を目的にしている。
特別会計
長期修繕のための資金(修繕積立金)を留保することを目的にしています。
 
予算準拠主義の原則
「収入および支出は予算に基づいて行わなければならない」とする原則
つまり、管理組合会計の目的は、マンションの管理・保全を最小限の費用で、最大限の効果を得るための会計指標を明瞭に表示するということです。
 
 
予 算  
管理組合の予算は、管理組合の運営計画(事業計画)に基づいて作成されるのが一般的です。
したがって、1年間の管理組合としての運営計画を作成し、その計画を予算に反映させることになります。
 
■管理組合会計には、一般会計と特別会計がある!
一般会計
日常の維持管理費を目的にしている。
特別会計
長期修繕のための資金(修繕積立金)を留保することを目的にしています。

管理組合が収益事業を行う場合
収益事業による会計を一般会計とは区分し、修繕積立金とは別の、もう一つの特別会計として区分経理をしなければならない。
 
 
収入・・・ほとんど、管理費と修繕積立金からの収入となる!
企業の経理でもっとも頭を悩ますのは、必要な現金をどこから調達してくるか、だそうです。入ってきたお金を支払いに充てるといったようにお金をうまく回していかなければならいのです。このように上手くお金を回転させることを「資金繰り」といいます。

それに対し、管理組合の場合は下記に示した「管理費」や「修繕積立金」などの定額のお金が入って(徴収)きます。また、企業のように営業活動はしていませんから出て行くお金の変動は、そうあるものではありません。したがって、企業会計のように「資金繰り」という概念はないでしょうが、予算の作成には十分な吟味検討を要します。

管理費 建物の共用部分、敷地および付属施設の維持管理を行うための諸費用に当てるために徴収し、一般会計の収入とする。
修繕積立金 周期的かつ計画的に行う大規模な修繕、不測の事故その他特別な事由により必要となる修繕および敷地、共用部分等の変更に備える準備金として徴収し、特別会計の収入とします。
使用料 駐車場使用料
専用庭使用料
集会所使用料等など
管理費、修繕積立金以外の収入として、雑収入、預金利息、保険の配当金、広報等の配布手数料などがある。

負担義務者
区分所有者です。

負担割合
管理費等の負担割合は、管理規約で別段の定めをしない限り、その持分に応じた負担割合となります。

徴収方法
徴収方法は、管理規約または総会決議で定めます。
 
 
支出科目
一般的な支出科目
管理業務費 事務管理業務費、管理手数料、管理人費
設備管理業務費 建物・設備等定期点検費、エレベーター保守料、受水槽・高置水槽清掃費、貯水槽定期検査料、排水管清掃費、消防用設備等保守点検料、電気設備保守点検料、水質検査料、修繕費、共用管球取替費、植栽維持管理費
清掃業務費
水道、光熱費 水道料、電気料、ガス料
損害保険料 火災保険料、賠償責任保険料
管理組合運営費 総会・理事会開催費、通信費、コピー代
その他 備品費 消耗品費、事務用品費
修繕積立金の使途
一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕 外壁改修(塗装)工事費、鉄部塗装工事費、屋上防水工事費、給水管更生・取替工事費、排水管取替工事費、受水槽・高架水槽の取替費用
不測の事故その他特別の事由により必要とされる修繕費 建物・設備の経年劣化による不測の故障等の修繕費、自然災害または火災・爆発等による復旧費用等
敷地および共用部分等の変更または処分 駐車場または駐輪場の増設・新設の費用等
建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査費用
その他敷地および共用部分等の管理に関し、区分所有者の共同の利益のために特別に必要となる管理にかかわる費用 衛星放送受信用共同アンテナ設置費等
駐車場使用料等の使途 基本的には、管理規約で任意に定めることができます。
ただし、規約の雛形である標準管理規約では、駐車場等の管理に要する費用に充当した残金については、修繕積立金として積み立てることとしています。
 
 
管理会社等からのヒアリング
管理会社、設備点検会社、植栽管理会社、清掃業者等に対し、当年度の企画書・見積書等の提出を求めます。
 
 
決 算  
決算とは
一定期間内の収支(収入と支出)の総計算をすること

会計区分
収支決算案は会計区分ごとに作成!
一般会計(管理費会計)

特別会計(修繕積立金会計)
収支予算書 管理組合会計は、予算に基ずく会計です。
収支計算書 一会計年度内の収支状況を表す。必ず、予算と決算を対比して作成
貸借対照表 一時点の財産を明らかにするため、全ての資産・負債・資本を表示
正味財産増減計算書 正味財差が極めて小額である場合など、相当の理由が場合は作成を省略可
財産目録 年度末における全ての資産および負債の内訳明細
付属書類 繰越(余剰金)処分案、備品台帳等
(参考)
企業会計での決算書 貸借対照表
損益計算書
利益処分案
 
 
収支報告書(収支計算書または収支決算書)
企業会計の損益計算書に該当する!
一会計年度の収支状況を表します。損益計算書と異なり、必ず、予算と決算を対比させて作成します。

(例)
一般会計収支報告書
(平成18年4月1日〜平成19年3月31日)
○○マンション管理組合
                                                             (単位:円)
項目 予算 決算 差額 備考
収入の部 1,056,000×12
管理費 12,672,000 12,672,000
集会所使用料 10,000 9,410 −590
雑収入 60,000 81,824 21,824
12,742,000 12,763,234 21,234
支出の部
管理委託料 2,400,000 2,400,000 200,000×12
清掃業務費 1,800,000 1,800,000 150,000×12
水道光熱費
電気料 500,000 487,690 −12,310
水道料 90,000 93,520 3,520
ガス料 30,000 29,841 −159
植栽管理費 2,000,000 1,977,150 −22,850
排水管清掃費 50,000 483,840 −16,160
修繕費 1,800,000 1,356,890 −443,110
保守点検費 1,200,000 1,200,000
損害保険料 550,000 550,000
事務用品費 100,000 68,930 −31,070
消耗品費 100,000 102,100 2,100
雑費 50,000 50,000
予備費 1,622,000 −1,622,000
12,742,000 10,599,961 −2,142,039
当期正味財産増加額 2,163,273 2,163,273
前期繰越正味財産 12,375,872 12,375,872
期末正味財産 12,375,872 14,539,145 2,163,273
正味財産(繰越金・剰余金)
資産項目と負債項目の差額
 
 
■決算報告書のチェックポイント!
一、駐車場使用料が一般会計の収入に組み込まれていないか?
駐車場使用料は、本来修繕積立金に組み入れるべきです。それが、一般会計の収入の部に計上されていることは赤字であることが多い。つまり水増しを行っていることななる。
二、水道料金が一般会計に計上されていないか?
住戸の水道料金を一括徴収しているマンションの場合、「預かり金」として別会計で処理すべきところを、一般会計の収入の部に計上されているのは注意を要する。
三、管理会社への委託項目が「管理委託費」と一括になっていないか?
支出の部の「管理委託費」は、本来ならば「清掃業務費」「管理委員人件費」などと、詳細な項目をたてるべきで一括されているのは、水増しされている可能性が高い。
 
 
一般会計貸借対照表
(平成18年4月1日〜平成19年3月31日)
○○マンション管理組合
                                                           (単位:円)
資産の部 負債・正味財産の部
科目 金額 科目 金額
現金・預金 未払金   清掃費 30,000
現金 25,630 前受金   管理費 20,000
普通預金 659,861
定期預金 12,538,454 正味財産 14,539,145
預け金  ○○管理会社 1,267,200
未収入金    管理費 98,000
合計 14,589,145 14,589,145
※資産=負債+資本(正味財産)
 
 
貸借対照表の読み方
貸借対照表で管理組合にどれだけの財産があるかわかる!

「貸借対照表」とは、一定時点における「財政状態」を表す書類で、一定時点とは基本的には事業年度の決算日をいいます。つまり、どういう資産をどれだけ持っていて、それをどこから調達したかを一覧にしたものです。
貸借対照表
資産の部 (プラスの財産)
管理組合の財産
負債の部 (マイナスの財産
財産の調達手段
1、流動資産(1年以内の現金化が予想されるもの)
  現金預金
(預金については、金融機関等の発行する残高証明書を取り寄せ、照合する。)

  預け金
(管理組合が管理費等の徴収を管理会社に委託する場合、組合 員からの徴収分が、管理組合の口座に入金されるまで、一時的に 管理会社名義で保管されることになる。その場合は、その金額が管理会社に対する預け金として計上する。)

  未収入金
(管理費等で、期日が到来しているにもかかわらず未収入になっているものを計上する。)

2、固定資産(長期所有し、1年以内に現金化することがないもの)
  保険積立金
(満期返戻金付きの火災保険などについては、支払保険料を積立保険料と危険保険料に区分して、積立保険料を保険積立金として資産計上する。)
1、流動負債(1年以内に返済するもの)
  前受金
(前受金とは商品売買などを行った際に、商品代金の一部または全部を前もって支払ってもらったものに対する勘定科目です。)

  未払金
(未払金とは債務が確定していて未払いのものを表す勘定科目です。)

  借入金
(借入金とは返済義務がある金のことです。)

  預かり金
(預り金とは組合員などから一時的に預かった金額を処理するのに利用   される勘定科目です。)

2、固定負債(返済期間が1年を超えるもの)
  長期借入金
  
  預かり保証金
正味財産(繰越金・剰余金)(今までの蓄積)
資産合計 負債・正味財産合計
 
資産合計から負債合計が正味財産となります。  
 
財産目録・・・年度末におけるすべての資産および負債の内訳明細
内容は、貸借対照表と重複しますが、貸借対照表では記載できない資産、負債の名称、数量、価格等を詳細に記載します。
預金については、銀行名、支店名、預金種類、口座番号、残高等を記載します。
(一般・修繕積立金会計合計の例)
科目 金額
<資産の部>
現金預金
現金

25,630
普通預金 銀行 支店 口座番号
管理費 ○○銀行 ××支店 1000011 659,861
修繕積立金 ○○銀行 ××支店 1000012 1,430,000 2,089,861
定期預金
○○銀行 ××支店 1000014 12,538,454
○○銀行 ××支店 1000015 101,163,244 113,701,698
預け金
管理費 ××管理会社 1,267,200
修繕積立金 ××管理会社 1,430,000 2,697,200
未収入金
管理費 ○○各分 98,000
修繕積立金 ○○各分 126,000 224,000
資産合計 118,738,389
<負債の部>
未払金 30,000
前受金 20,000
敷金 400,000
負債合計 450,000
正味財産 118,288,389
単位:円

備品台帳
企業会計においては、取得費が10万円以上の備品においては資産として計上し、会計期間末に減価償却費を費用として認識し、その金額分だけ、資産としての備品価格から減額します。
しかし、管理組合会計は、損益計算を目的にしていませんから、減価償却を必ずしも必要としません。
(企業会計) 減価償却
会社の長期にわたって所有する財産を固定資産といいます。
その固定資産のうち、建物や自動車、機械設備などは、年々古くなっていきます。この古くなっていくことを、企業の経理上「価値が減る」と認識します。※土地、借地権、電話加入権などは価値が減るとは看做しませんから対象外
価値が減った分を費用と計上するのが「減価償却」です。
ここで注意したいのが、固定資産(建物、自動車、機械設備など)が実際どれだけ使い古されたかは問題にしません。例えば、自動車を新品同様に1年間使用しても価値は減っている看做します。つまり、減価償却は現物の消耗度合いはなく、価値の目減りを分をみるのです。

減価償却の計算方法・・・定額法・定率法
定額法とは
減価償却費=(取得価額−残存価額)*(割る)耐用年数
※残存価額とは、取得価額の10%です。固定資産の価値は耐用年数を超えたからといって0になったとは見ません。


繰越金(剰余金)処分案
標準管理規約61条では、終始決算の結果、管理費に生じた余剰については次期の管理費に充当します。
したがって、管理規約にこの旨が規定されてる場合は、繰越金処分案の作成は必要ありません。
しかし、規約に規定していなければ繰越金処分案の作成は費用でしょう。
 
 
比較参照ということで、企業会計での損益計算書と貸借対照表を掲載しました!  
(参考) 企業会計の損益計算書と貸借対照表を見てみましょう!
1年間の通知表といえるのが損益計算書 (P/L Profit Loss Statemennt)
決算期末時点での健康状態を示すのが貸借対照表 (B/S Balance sheet)
損益計算書とは  費用+純利益=収益
さくら吹雪製菓の損益計算書
自 平成17年4月 1日
至 平成18年3月31日
科目 金額
@ 売上高(さくら吹雪キャンディーを1年間売ったことによる収入) 32,000 すべての収入
売上原価(砂糖・包装紙の仕入れ代金など) −11,000 原料費などを払った
販売費および一般管理費(働いている人の給料・広告代金など) −13,500 給料などを払った
A 営業利益<本業による儲け> 7,500
営業外収益(郵便貯金に預けたお金の利子など) +20 利子が入った
営業外費用(銀行から借りたお金の利子) −120 利子を支払った
B 経常利益<実質的な利益> 7,400
特別損失(看板の修理代) −800 台風による看板修理費用
<税金を支払う前の当期利益> 6,600 税金を支払った
C 法人税・住民税 −3,000
当期純利益(最終的に会社に残った利益) 3,600
(単位:万円)
@ 売上高
会社が1年間で得た収入を表す数字
この数字が年々大きくなっていくことが大切
−売上原価
−販売費および一般管理費
A 営業利益
1年間の収入を得るためにかかった費用を売上高から引いて算出する。
その会社の本業からの儲けを示す数字。
+営業外収益
−営業外費用
B 経常利益
営業利益に、本業以外の利益(営業外利益)を加えたり、費用(営業外費用)引いたりして算出する。
+−特別損益
税引前当期利益
−法人税・法人住民税
C 当期純利益
経常利益から、税金(法人税や住民税など)を引く。
「純利益」「最終利益」とか、ただ単に「利益」ともいう。
企業会計の貸借対照表とは!
参考) 
企業会計による貸借対照表
決算期末時点での健康状態を示す。
資産=負債+資本 資産 負債 他人資本
借りたお金
負債と、資本を合わせた金額の使い道 資本 株式資本
自己資本
株主から集めたお金と会社が蓄えたお金
集めたお金を、どのように使ったか お金をどうやって集めたか
(仮称)さくら吹雪製菓の貸借対照表(バランスシート)
平成16年3月31日現在
資産 負債
工場の建物・設備 11,000 銀行からの借入金 4,500
キャンディーをつくる機会 5,000
キャンディーをつくる材料 4,000
郵便貯金 1,000
営業所の電話 ・・・・
・・・・ 負債合計 4,500
ロッカー ・・・・ 資本
パソコン ・・・・ 株式発行による資本金 12,300
書類入れ ・・・・ 積み立てが義務付けられている資本準備金 7,500
金庫 ・・・・ 積み立てが義務付けられている利益準備金 200
利益を貯めておいた余剰金 1,000
資本金合計 21,000
資産合計 25,500 負債・資本 合計 25,500
単位:万円
※資産合計額と負債・資本合計額が同じになることに注意!
※資本の占める割合が高いほど、経営が安定していると見ることができる。
 
 
会計監査  
会計監査とは、すでに終わったことに対して検証することです。

実情では

管理会社と委託契約をしている管理組合の会計監査は通常、いわゆる「決算理事会」を経て、監事と管理会社が日程調整を行い実施してるようです。
管理会社担当者から会計監査に必要な各種資料、証憑書類等を提出させ、監事が一年間の帳票類を確認し、その後監査報告書を作成し、署名・押印をした上で理事長へ提出するという流れのようです。
前期決算書
今期決算書案
管理費等の請求原簿
未収状況一覧表
現金通帳と残高証明
保険証券
出金伝票一式
管理組合運営費等の帳簿等
収支報告書
目的別に作成されているか。
対象となる期間が適切に表示されているか。
予算と実績が対応しているか。
期間内の収支がすべて計上されているか。
予算と実績の差異についてその原因を解明する。

貸借対照表
会計年度末現在になっているか。
資産と負債・正味財産が同じ金額であるか。
預金高が金融機関が発行する残高証明と一致しているか。
未収金・未払金・借入金等が正しく計上されているか。
残高の確認
実際の支出額の予算との比較
管理費等定額収入・支出の予算との比較
監査報告書
収支決算書類は総会で報告・承認されるものであり、総会を開催する前に監査を終了する必要があります。

管理組合の理事等は、年度終了後、直ちに帳票類を整理し決算処理を行い、収支決算書類作成します。

収支報告書、貸借対照表、財産目録、備品台帳、および残高証明書を綴じ込んだ「監査報告書」を作成します。

監査終了後、監事が署名、押印して、定時総会において、組合員に対し監査内容を報告します。
                                  監査報告書

○○マンション管理組合の平成○○年4月1日から平成○○年3月31日までの収支報告書、及び平成○○年3月31日現在の貸借対照表、預金等につき、伝票並びに証拠諸票の掲示を受け調査しましたところ、いずれも適正であることを認めます。
                                                     平成   年   月   日

                                                     ○○マンション管理組合

                                                     監事
                                                     監事
 
 
債権の放棄
滞納管理費等を諸事情で、債権放棄をする場合は次の手続きが必要と考えます。
管理組合法人の場合 区分所有法52条にもと基づき集会の決議(普通決議)を経て放棄する。
法人でない管理組合の場合 区分所有者全員の債権であるため、債権の放棄は区分所有者全員の合意が必要
 
 
売れ残りの住戸の管理費
売主である分譲会社も区分所有者の地位にある! つまり、管理費等の負担義務者です。
分譲会社の未分譲部分の管理費を支払わない!

そのような分譲会社は、管理費等を,現在要する費用と自分に都合よく解釈したり,未分譲部分が多数あると管理費の負担が大きくなることを避けたいと考えるという。
このような分譲会社のマンションなど買いたくありません!販売後は、マンションの維持管理は知った事じゃない、という姑息なことを平気でしている証拠ですからね!

その手口に、売買契約書,重要事項説明書,分譲業者が分譲時に作成する規約等に「未売却の住居については,不足額についてのみ売主が負担する」等として分譲業者が管理費等の負担をしなくてもよいようにしているものがあります。

請求の手続き
1、規約改正する
規約を改正(区分所有者及び議決権の各4分の3以上による多数決による集会の決議が必要)して分譲業者に請求します。この場合規約改正について法31条1項後段の分譲業者の承諾は不要です。
なぜ、分譲会社の承諾が不要なのか?
それは、分譲業者であっても区分所有関係が成立した後は管理費等を負担させる必要性,合理性が高いので分譲業者の権利に「特別の影響を及ぼす場合」には該当しないという判断からです。

2、規約改正が可能な場合 (売れ残り部分が4分の1以上)
分譲会社も区分所有者の地位にあることから、売れ残り部分が4分の1以上であったりすると規約の改正は,事実上不可能です。

その場合には,公序良俗違反(民法90条)を主張して分譲業者に管理費を請求する以外ないでしょう。請求しても支払わない場合には訴訟等を提起することとなります。ただし,分譲業者の管理費等の支払義務免除期間が,管理組合の会計初年度であったり,分譲開始後半年間である場合には,「販売に要する合理的な期間」と考えて特約が有効と判断されます。この場合には,公序良俗違反とはいえないので請求することは難しいでしょう。
 なお,規約改正前の分については請求はできないと考えます。平成3・2・18熊本地判ではマンション完成後引渡しを受けた区分所有者が支払った管理費等につきその後成立した規約の管理費についての条項を基に遡及して分譲会社に請求はできないとしています。


占有者(賃借人等)
占有者は区分所有者ではないので、管理費等の負担を法的に負いません。
つまり、貸主の区分所有者が管理費等を滞納した場合でも、占有者に管理費等の請求はできないことになります。