欠陥住宅をつくらないで ■■■欠陥住宅をつくらないで■■■


欠陥住宅を
つくらないで

 江口征男/建築家

 991107〜



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A.住まいをつくる方法

1)建築家に頼む

2)住宅メーカー,
   工務店に頼む

B.住まいを買う方法

1)建て売りを買う

2)売り建てを買う

3)中古住宅を買う

4)マンションを買う

用語の説明

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A.住まいをつくる方法
B.住まいを買う方法
  の注意点 図解はこちらへ


“つくる”を選んだら,次の選択です.



A-1)[設計監理・施工分離方式]で 建築家に頼む

      建築設計事務所(建築家)に設計と監理を,施工者に施工のみを頼む場合











●症状

 このケースでのトラブルは,物理的な欠陥以前に設計者の対応の悪さへのクレームが多
 いようです.
 途中から,設計事務所(建築家)との関係が悪くなるケースです.
 「建築家が傲慢で言うことを聞いてくれない」,「未熟な所員にまかせきり」,「現場
 監理があまりされていない」,そんなわけで「中途解約したい」というようなものです.

●原因

 「傲慢な建築家」の設計図を拝見するとしっかりとデザインされており,いわゆる物理
 的な欠陥とは違って,仕事そのものはレベルが高く誠実になされているように見えます.
 しかし,建築主にとって大切なインフォームドコンセント(説明と同意)が欠けている
 のは確かなようです.
 それにしても,なぜそのような設計者を選んでしまったのでしょうか.
 建築家を全面的に信頼して,すべて『おまかせ』という建築主なら,こんな問題にはな
 らないはずですが…
 ただこのケースは,建築家にかならずしも悪意があるわけではなく,能力(技術力やデ
 ザイン力)も低くはありません.ただ,人間性にはかなり問題がありそうです.
 つまり,頼む相手を間違ってしまったケースです.

 最もしまつの悪いのは,悪質な設計者です.設計事務所(建築家)を名乗ってはいても,
 極めて質の低い設計図(枚数も少い)といい加減な工事監理.施工まで請けてやりたい
 放題.建築主に高い金額を負担させ,挙げ句のはてにツルンだ弁護士と結託して建築主
 を訴えるという信じられないような例もあります.
 「現場監理がされない」,「施工者にまかせきり」というケースも悪質です.

●予防のクスリ=『健康生活』

 建築家を信頼できないなら頼むべきではありません.頼む前にその建築家を訪ねて,過
 去の作品の写真や図面を見せてもらいながら話を聞けば,人柄や能力はある程度わかる
 はずです.設計図をどのくらい描くのか.工事の監理はどのくらいのペースでしてくれ
 るのか.疑問にきちんと答えてくれるのかなど.
 専門的な知識がなくても,賢い消費者の立場で接して,人を見ればいいのです.
 あとで気まずくなるのがいやだから身近な建築家には頼まないという方がいますが,初
 めからトラブルを想定するのは本末転倒です.親友に建築家がいて,人柄も才能も優れ
 ているなら,それは理想的なケースです.
 建築家に,とことんインフォームドコンセント求めるか,あるいは基本的な希望以外は
 すべて信頼してまかせるか,どちらを選ぶかは建築主次第です.
 建てるのはあなた自身なのです.そのためには冷静な判断が必要です.
 これが『健康な生活』にあたります.

 ※
  誠実で能力の高い建築家に頼めば,A−2)のようなトラブルはほとんど起きないはず
  です.なぜなら,建築家は建築主の代理者として,建築主“だけ”から報酬をいただ
  いて仕事をするからです.だからこそ施工にはかかわらないのです.
  そのような建築家は全国各地にいます.

  設計者を選ぶリトマス試験紙:
  依頼する設計者が建築専門家団体に所属しているかどうかは,その人を判断するため
  の目安にはなるかもしれません.絶えず新しい情報を吸収する姿勢をもっている人も
  多く,会の仲間の目を気にしますから,あまりデタラメはできないはずだからです.
  しかし,残念ながらそれぞれの会には弁護士会のような自浄能力はありませんから,
  設計者個人を見極める必要があります.
  設計者が“個人”で参加する専門家団体の代表的なものには,(社)日本建築家協会
  (唯一の設計監理専業の建築家団体),(社)日本建築学会(研究者,建築技術者の
  団体),(社)○○建築士会(各都道府県ごとの建築士有資格者の団体)です.この
  うち一つぐらいには所属するのが専門家の義務だとは思いますが…

  なお,設計事務所にはさまざまな業務形態があります.
  1)メーカーや施工者に従属する関係(下請け)にある設計事務所.
  2)申請業務を主としている設計事務所.いわゆる代願事務所.
  3)建築主の側に立てる,独立した設計事務所.

  上記では,3)のタイプについて述べています.
  施工者に従属したり,利害関係のある設計事務所は建築主の代理者としては失格です.
  十分に見極めていただきたいところです.





●全行程でのトラブル防止ポイント  ※印が注意すべきポイントです.


 土地をあらたに求める.
  ↓
 土地の調査,法規制の調査 ※土地の履歴に注目する.工場跡地の汚染,地盤沈下,振動,騒音等
  ↓
 借地契約 土地売買契約
  ↓
 諸手続
  ↓
 条件の整理(建築主としての住まいへのイメージをまとめる)
  ↓
 建築家(設計事務所)の選定 ※建築家(担当者)の作風人柄を見極める.独立した設計事務所へ.
  ↓
 設計委託 ※最悪の場合のため,中途解約について確認しておく.
  ↓
 略計画と概算予算(予算の配分)
  ↓
 設計監理委託契約 ※設計監理報酬額,支払い方法を決める.
  ↓
 基本設計  ※内容を確認する.
  ↓
 実施設計  ※内容を確認する.
  ↓
 建築確認申請
  ↓
 施工者から見積りをとる ※複数の会社から見積りを徴集.
  ↓
 施工者の決定
  ↓
 工事請負契約 ※請負金額,支払方法,工期を明記.
  ↓
 着 工
  ↓
 施 工 ←工事監理(設計事務所)
  ↓
 竣 工 ←竣工検査(設計事務所)
     ←竣工検査(建築主) ※検査は設計監理者と共に.
  ↓
 引渡し ※ 設計監理者と駄目検査の後,引き渡しを受ける.
  ↓
 入 居



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