欠陥住宅をつくらないで ■■■欠陥住宅をつくらないで■■■


欠陥住宅を
つくらないで

 江口征男/建築家

 991107〜



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A.住まいをつくる方法

1)建築家に頼む

2)住宅メーカー、
   工務店に頼む

B.住まいを買う方法

1)建て売りを買う

2)売り建てを買う

3)中古住宅を買う

4)マンションを買う

用語の説明

用語解説のページへ


A.住まいをつくる方法
B.住まいを買う方法
  の注意点 図解はこちらへ


A−2)[設計・施工一括方式]で 住宅メーカー・工務店に頼む

●症状

◎1)営業〜設計〜契約段階
   工事中,あるいは竣工時に「約束したとおり出来ていない」ことが判明して「言った
   言わない」の争いになる.
   
◎2)施行中〜竣工後
   いわゆる施工欠陥です.竣工後に不具合が判明することが多いのでやっかいです.

   住みはじめたら,不具合(施工欠陥)が現れてきた.建物が風でゆれる.
   壁を押すと建物が揺れる.床が傾いた.直してくれない.
   いきなり追加工事の請求が出てくる.

  ※雨が漏らず地震に強いだけなら,ただの『建造物』にすぎません.それらは建築とし
   ての基本条件であって,そのうえに機能性や楽しやさ住みやすさ,美しいデザインも
   加わって『よい建築』,『よい住まい』になります.
   従って,「デザイン不在」や「機能性不在」も目に見えない欠陥といえるでしょう.

●原因

◎1)
   建築主がもらうべき設計図,仕様書が不備.
   見積書が数枚の簡単なものしかない(内訳明細書がない).
   そのため,「言った言わない」を確かめることもできない.
   原因の半分は,建築主の消費者意識の不足,無防備にあります.

  ※信頼できる施工者を選ぶことが大切ですが,会社の大小(有名無名)と建築の質はま
   ったく関係ありません.トラブル相談を受けていると,如実にあらわれています.
   むしろ,(全国的には)無名でも地元に根づいた良心的な工務店は結構存在していま
   す.経営者の顔が見えることは大切です.

◎2,3)
   施工を技術的にチェックすべき工事監理者が事実上の監理をしていない(名義貸し)
   例も多いようです.欠陥建築を追求する弁護士は「監理放棄建築士」と呼んで,資格
   の剥奪などをしようと強く主張していますが,行政の動きは緩慢ですから自衛が必要
   です.
   工事の一括丸投げ(建設業法違反)同然の下請けマカセ,孫請けマカセもあります.

●予防のクスリ=『健康生活』

◎1)契約の前に,注文したことが盛り込まれているかどうか,設計図や見積書で確認する.
   書いてなければ明記してもらう.できるだけ多くの図面や仕様書,内訳書など証拠に
   なるものをもらっておく.
   まえもって契約約款を読んでおく,契約書には請負金額,工事範囲(見積り外の工事
   内容を確認),工期,支払方法,日付けなど洩れなく記入する.
   建築確認申請などの書類は必ず確認する.委任状はもちろん,印は自分で押す.

  ※信じがたいことですが,金額や支払い方法を認識していない建築主もいます.
   規模も内容も工事金額も決まらないうちに契約してしまった例もあります.
   委任状の印を押した覚えがないという人もいます.
   笑い事ではありません,まさに『消費者感覚ゼロ』です.

◎2)工事監理者の名前を確認しておく.その人が本当に現場を見るのかを確かめる.
   定期的(少なくともひと月に1回)に工事監理報告書を出してもらう.
   建築主も,できるだけ現場をのぞく.
   追加や変更は,その都度文書(見積り)で確認してから,文書で発注する.
   竣工検査をして,悪い箇所を直してくれるまでは引渡しを受けない.残金を払わない.
   契約の時,交渉して瑕疵担保期間をできるだけ長くさせる.

  ※基本構造については,10年の瑕疵担保期間が法律で定められました.
   (住宅の品質確保の促進等に関する法律2000年4月)
  ※現場監督がする現場管理と工事監理はまったく別のものです.

  ※欠陥住宅を扱う弁護士が,欠陥防止に有効であると主張している『第三者監理』は,
   工務店やメーカーと従属関係にない,独立した立場の建築士に工事監理を頼むという
   ことです.
   同じ社内で設計し施工し,監理をしても抜け穴だらけで,多くの問題が発生している
   からです.
   しかし,第三者の立場で工事監理だけ引き受けるには,基本となる設計図や仕様書や
   見積書が必要です.根拠(証拠)がないと現場で悪いところを指摘しても,「それが
   うちのいつものやり方だ」と逃げられてしまいます.

   その意味で『第三者設計・監理』のほうがさらに有効です.
   つまり,設計の段階から分離して設計事務所に頼むべきなのです.
   “健康な生活”とは,ごくあたりまえの“消費者感覚”を持つことです.







●全行程でのトラブル防止ポイント  ※印が注意すべきポイントです.


 土地をあらたに求める.
  ↓
 土地の調査,法規制の調査 ※土地の履歴に注目する.工場跡地の汚染,地盤沈下,振動,騒音等
  ↓
 借地契約 土地売買契約
  ↓
 諸手続
  ↓
 条件の整理  ※建築主としての住まいへのイメージをまとめる.
  ↓
 施工者(工務店・メーカー)の選定 ※会社の大小,有名無名に惑わされない.
  ↓
 設 計 ※納得いくまで説明を求める.
  ↓
 見積り ※納得いくまで説明を求める.
  ↓
 工事請負契約 ※せかされて契約しない.設計図,仕様書,見積書,契約約款に目を通しておく.
         請負金額,支払方法,工期を明記する.
  ↓
 着 工 ※追加,変更の金額は,その都度見積りを求めて確認する.
  ↓
 施 工 ←工事監理 ※誰が担当するのか,本当にしているのかを確かめる.
           ※工事監理報告書の提出を求める.
  ↓
 竣 工 ←竣工検査(建築主) ※納得行くまで検査する.
  ↓
 引渡し ※検査で指摘した駄目が直ったことを確認してから,引き渡しを受け,残金を支払う.
     ※1部でも未完了の部分があるときは,期限を文書で確認しておく.
  ↓
 入 居



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