残火 西村 健 著 
★★★★

やっぱり高倉健

引退して豆腐屋を営んでいた任侠道の権化のもとヤクザ。末期癌で死期を向かえ、最期の勤めに立ち上がる。議員会館から1億円を強奪して北へ逃亡。彼を追うのは因縁深い二人、盃を交わした弟分と元マル暴。

"人斬り秀"と呼ばれた花田秀次は浅草の古き良き任侠ヤクザ。しかし、バブルの荒波で拝金主義と化した極道社会から足を洗って豆腐屋を営む。妻は凛とした立ち居振る舞いと身震いのする色気を合わせ持つ、絵に描いた極道の女。そんな絵に描いたような登場人物たちが、絵に描いたように絡み合う。

冒頭、花田秀次が目撃されるくだりは見事な描写である。彼の目的を悟って無条件に協力する儀兄弟と元マル暴のやり取りは、実に味わい深い。そんな場面場面の面白さは十分なのだが、物語としては弱いと感じた。最後に語られる花田の目的も、元マル暴が戦慄するほどのことには思えず。また、思えるようには説明されない。そこは後日譚としてフォローしてもらわないとわからないな。映画化するとしたら、やっぱり高倉健なんだろうね。

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(ネタばれ要注意!!)

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