豊 柳 会 作 品


         第31回      平成17年7月   例会

         課題「切る」       木原広志 選    集句 46句


         切り過ぎた母の床屋に児がむくれ ・・・ ・・・ ・・・ 福井良子
         切って見てまだ早かった砂糖漬け ・・・ ・・・ ・・・ 東松秀夫
         ご無沙汰が過ぎてご縁もいつか切れ ・・・ ・・・  下田郁夫
         凧糸の切れた如しよ家出人 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・畠すみ子
         和食党切れ味一つ味一つ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 杉江晶子
 入 選    晴天だスイッチ夏に切り換える ・・・ ・・・ ・・・ 戸田久子
  〃     切れ者で通し築いた城が建つ ・・・ ・・・ ・・・ ・・柴田忠司
  〃     切り札を持つと強気に攻めてくる ・・・ ・・・ ・・・ 沢田正司
  〃     新人のやっと芽が出る切られ役 ・・・ ・・・ ・・・ 犬塚敦子
  〃     真っ先に福祉予算が削られる ・・・ ・・・ ・・・ 吉川美保子
  〃     フルコース慣れぬ手つきで肉を切る ・・・ ・・・ 森田キン子
  〃     切れ味を試され皿にのる刺身 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・岡田静江
  〃     メロン切る手許に子等の目が刺さる ・・・ ・・・ 久野幸雄
  〃     日本を見切る頭脳が流れ出す ・・・ ・・・ ・・・  山崎章三
  〃     メス入れる厚い脂肪に苦笑い ・・・ ・・・ ・・・ 犬塚敦子
 佳 句    五割引裏で原価があざ笑う ・・・ ・・・ ・・・ ・・久野幸雄
  〃     羊羹の厚さ気になる血糖値 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・岡田静江
  〃     過去を知る女が僕を切り刻む ・・・ ・・・ ・・・ 沢田正司
  〃     指きりの指が日ごとに痛みだし ・・・ ・・・ ・・・ 柴田忠司
  〃     割り切ってしまって余生楽にする ・・・ ・・・ ・・原亮太郎
 人 位    花鋏夫の愚痴をちょんと切る ・・・ ・・・ ・・・ 戸田久子
 地 位    爽やかに初夏の風切る洗い髪 ・・・ ・・・ ・・・ 岡田静江
 天 位    煩悩を断ち切るように髪洗う ・・・ ・・・ ・・・ 沢田正司




  課題「スタイル」       木原広志 選     集句 47句

         高齢者スタイル良い人健康だ ・・・ ・・・ ・・・ 畠すみ子
         スタイルうを気にせぬうちに子が育ち ・・・ ・・・ ・・原亮太郎
         新調の背広眩しい初出勤 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 近藤智恵子
         モデルにはもうなれないと苦笑い ・・・ ・・・ ・・・ 岡田静江
         鏡みて昔のスタイル影もなし ・・・ ・・・ ・・・ 東松秀夫
         プレゼントゆったりサイズに鏡見る ・・・ ・・・ ・・杉江晶子
 入 選    スタイルを引き立てている名古屋帯 ・・・ ・・・ ・・・ 山崎章三
  〃     スタイルを競う水着のコンテスト ・・・ ・・・ ・・・ 久野幸雄
  〃     中年のスタイル見ない振りをする ・・・ ・・・ ・・・ 下田郁夫
 〃      マネキンの服を横目に試着室 ・・・ ・・・ ・・・ ・・戸田久子
  〃     スタイルが気になる歳はとうに過ぎ ・・・ ・・・ ・・・ 下田郁夫
  〃     スタイルが母に似てきた六十路坂 ・・・ ・・・ ・・・ 沢田正司
  〃     スタイルに合った魅力の夏帽子 ・・・ ・・・ ・・・ 柴田忠司
  〃     抜群のスタイルなのにまだ一人 ・・・ ・・・ ・・・ 山崎章三
  〃     風采の悪さで売れるブルドック ・・・ ・・・ ・・・ 久野幸雄
  〃     太り過ぎ鏡が笑う試着室 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・福井良子
 佳 句   入院が私に痩せる薬くれ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・犬塚敦子
  〃     天皇の背中が丸くなって来た ・・・ ・・・ ・・・ 吉川美保子
  〃     流行の浴衣へ恋が寄ってくる ・・・ ・・・ ・・・ 戸田久子
  〃     スタイルを気にして夢を追っている ・・・ ・・・ ・山崎章三
  〃     気に入った髪へ女を取り戻し ・・・ ・・・ ・・・ 森田キン子




  雑  詠          木原広志 選       集句 48句


         点滴が体の中を大掃除 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・犬塚敦子
         春の風酒に浮かれて浜歩き ・・・ ・・・ ・・・ 東松秀夫
         すんなりとリニモに乗れた地球博 ・・・ ・・・ ・・・ 福井良子
         級友の便り遠のく高齢化 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 畠すみ子
         無色にはなれず真っ赤に咲く薔薇よ ・・・ ・・・ ・・吉川美保子
 入 選    集中打浴びてトップの座を下りる ・・・ ・・・ ・・・ 沢田正司
  〃     席譲る子を見て胸を撫で下ろす ・・・ ・・・ ・・・ 原亮太郎
  〃      ちぐはぐな会話で弾むお年寄り ・・・ ・・・ ・・・ 森田キン子
  〃     真四角に生きて何時でも損ばかり ・・・ ・・・ ・・・ 柴田忠司
  〃     食卓に一輪の花涼を呼ぶ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・山崎章三
  〃     木の匂い水の匂いで夏が来る ・・・ ・・・ ・・・ 山崎章三
  〃     暇なのに巧い口実つけて逃げ ・・・ ・・・ ・・・ 久野幸雄
  〃     ねぎらいを鏡の皺に語りかけ ・・・ ・・・ ・・・ 近藤智恵子
  〃     後悔を毎回笑う野の仏 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・戸田久子
  〃     雪月花妻と平和な絵を描く ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 山崎章三
 佳 句    シャボン玉強い男に付いていく ・・・ ・・・ ・・・ 戸田久子
  〃     同伴のパーティー妻にかかる金 ・・・ ・・・ ・・・ 久野幸雄
  〃     衣替えどっさり夏をたたみこむ ・・・ ・・・ ・・・ 戸田久子
  〃     モンローと妻を比べて出る吐息 ・・・ ・・・ ・・・ 沢田正司
  〃     幸福が絵に書いてある孫の顔 ・・・ ・・・ ・・・ 下田郁夫


                    H・17・7・7 記