「画像だけでなく、テキスト(文章)にも面白い、心魅かれるものがございます」
 「以前にパクッておいたパロディなのですが、これは秀逸ではないでしょうか?」


 「こういうのは、原典を知らんから面白さが分からん!」
 「お前は何かぁ〜、知識とか教養を見せびらかしたいのか?」


 「いや、元を知らなくとも、この雄々しき響きと切ない哀愁はお分かりになるはず…」

 腹はバケモノ(一)          

  腹はバケモノ。
 やうやう重くなりゆく体重、かなりヘコミて、
 青くなりゆく顔の細くひくつきたる。
 パンツのゴムの食い込みたるも哀し。

  喰うは夜。
 深夜であれば更なり。
 闇もなほ、コンビニの看板、おほくうち光りて誘いたる。
 また、ただ一つ二つなど、家に残った物を喰うもをかし。
 手に取るもお菓子。

  食欲は気まぐれ。
 魔の差して、コンビニいと近うなりたるに、
 買いに行くとて、
 冷凍食品、レトルト食品などのつらねたるを、
 三つ四つ、二つ三つなど、取り急ぐさへあはれなり。
 まいて、清涼飲料のいと大きく見ゆるは、いとヤバし。
 困り果てて、腹の音、ヨダレなど垂れるは、
 はた迷惑に如かず。

  節制はつとめて。
 体重計に乗りたるは言ふべきにもあらず。
 霜降り肉と言われても、またさらでも、心いと寒きに、
 ジョギングなど急ぎ走りて、付け焼き刃を重ねたる。
 いと苦々し。

 中年になりて、肉のゆるく成り行けば、
 腹の肉も垂れて、醜いしわがちになりてわろし。






原典のタイトルは「春は曙」というものでして、春になれば、元横綱の曙も1勝くらいはできるだろうという格闘技ファンの願いが込められたものでございます。
あの体重で相撲界では名を成したものの、格闘技に移ってからは連敗続き。ファンにとっての悔しさはひとしお、味塩なのです。

ちなみに、掲載先に許可をもらおうとして探してみたところ、既にそのサイトはなく、手元に残ったのは第1篇に過ぎませぬ。
やはり、小まめに保存しておいたところから、この名作が残っている所存にございます。

私めが感動したのは、「手に取るもお菓子」の部分でありまして、

「おおお、これはよほどの才人か暇人でなければ出てこない!」

と、同類相憐れむの怒涛の感激に見舞われたのです、ハイ!



(どうもブログに移行した模様)
   ↓
(いや、健在であったことを確認)



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