司法書士 午前の部 H18-11 民法 物権 建物収去土地明渡請求

次の対話は、A所有の甲土地上に乙建物が存在するという事例において、Aが、所有権に基づく物権的請求権を行使して、乙建物を収去して甲土地を明け渡すよう請求する(以下本問において「建物収去土地明渡請求」という。)場合の相手方に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

教授 まず、乙建物が未登記である場合について考えてみましょう。乙建物の所有者Bが未登記のままこれをCに譲渡したとします。この場合に、Aは、だれを建物収去土地明渡請求の相手方とすべきですか。
学生 建物が未登記であるため、BもCも不完全ながら所有権を有し、土地所有権を侵害していると考えられますので、Aは、BとCのいずれも相手方とすることができます。
教授 次に、乙建物の登記がされている場合について考えてみましょう。Bは、乙建物を建築し、自己名義で所有者の保存の登記をした後、乙建物をCに譲渡したが、その旨の所有権の移転の登記をせず、引き続き登記名義を保有しているとします。この場合に、Aは、Bを相手方として建物収去土地明渡請求をすることができますか。
学生 その場合には、Bは、乙建物の譲渡による建物の所有権の喪失を主張して、乙建物を収去して甲土地を明け渡す義務を免れることができませんから、Aは、Bを相手方とすることができます。
教授 また事例を変えてみましょう。乙建物は、Bが建築して所有しているが、C名義で所有権の保存の登記がされており、Cは、これまで乙建物の所有権を取得したことがないとします。この場合に、Aは、Bを相手方として建物収去土地明渡請求をすることができますか。
学生 乙建物の実質的な所有者はBですから、Aは、Bを相手方とすることができます。
教授 その事例で、登記名義人であるCを相手方とすることができますか。
学生 乙建物の実質的な所有者がだれであるかをAが自ら調べるのは困難であるという問題がありますから、Aは、乙建物の実質的な所有者であるBのほか、登記名義人であるCをも相手方とすることができます。
教授 では、Bが乙建物を所有し、かつ所有権の登記名義を有しているという事案で、乙建物に賃借人Dが居住しているとします。この場合には、Aは、建物所有者Bと建物占有者であるDのいずれを相手方として建物収去土地明渡請求をすべきですか。
学生 建物収去土地明渡請求の相手方は、あくまで建物所有者であるBとすべきです。

正解は? 1 アイ 2 アエ 3 イオ 4 ウエ 5 ウオ

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