| 教授 |
動産の割賦販売では、代金が完済される前に売主Aは買主Bに目的動産の所有権を移転して引き渡すことになりますから、Aとしては、どのように代金の支払を確保するかが重要になりますね。今日はこの問題について考えてみましょう。まず、代金の支払を怠っているBが事情を知らない第三者Cに目的動産を転売して引き渡したという事例では、Aは、どのような手段をとることができますか。 |
| 学生ア |
Aは、Bの債務不履行を理由として売買契約を解除することができます。この場合に、目的動産は、解除前にすでにCに転売され、引渡しも行われていますから、Aとしては、Cから目的動産を取り戻すことはできません。 |
正 |
誤 |
| 教授 |
ところで、動産売買の売主には目的動産についての先取特権が認められていますね。先ほどと同様に、代金の支払を怠っているBが目的動産をCに転売して引き渡したという事例で、転売代金が支払われていない場合、Aは、動産売買の先取特権に基づいてどのような手段をとることができますか。 |
| 学生イ |
Aは、動産売買の先取特権に基づく物上代位権の行使として、目的動産の転売によりBが取得する代金債権を差し押えることができます。 |
正 |
誤 |
| 教授 |
目的物の転売代金がすでに支払われてしまっている場合には、どうですか。 |
| 学生ウ |
その場合には、物上代位権の行使としてBの代金債権を差し押さえることはできませんから、Aとしては、Cのところにある目的動産に対して直接に動産売買の先取特権を行使することになります。 |
正 |
誤 |
| 教授 |
ところで、自動車の割賦販売では、所有権留保という方法がしばしば用いられています。AB間の売買契約の目的動産が自動車であったとして、AB間で代金が完済されるまで当該自動車の所有権をAに留保する旨の合意があった場合において、先ほどと同様に、代金の支払を怠っているBが当該自動車をCに転売して引き渡したという事例で、Aは、どのような手段をとることができますか。 |
| 学生エ |
Aは、Cが当該自動車を即時取得した場合を除き、売買契約を解除して、所有権に基づきCに対して当該自動車の引渡しを請求することができます。 |
正 |
誤 |
| 教授 |
その自動車についてA名義で道路運送車両法に基づく登録がされているとすれば、即時取得の点はどうなりますか。 |
| 学生オ |
登録されている自動車についても即時取得の規定は適用されますが、CにはBが所有権を有しないことを知らなかったことにつき過失があることが多いと思いますので、その場合には即時取得は成立しません。 |
正 |
誤 |