ゴダイゴ
晴航雨読「隠岐・島前」1997.7.27〜8.4
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「大人の旅ではないですね。」とイチネーさんに言われながらも、
およそ35kg一人暮らしの学生の冷蔵庫2個分ほどのザックを背負い、新幹線、
夜行特急、ローカル列車、バスと乗り継ぎ、やっと隠岐行きのフェリーにたどり着いた。
救命胴衣を入れた白い箱にザックを立てかけボーッとイスに座っていると、
となりにキャンプ仕度のザックをおいた兄ちゃん2人が俺のザックを指して何か話している。
きっと
「スゲーな。」
「でけーな。」
なんて言っているのだろう。
ふ・ふ・ふ・どーだ。と心の中で言いつつ煙草に火をつけた。
小雨のなか知夫里(ちぶり)島に着いた。
観光案内所のおねーちゃんにテレビの天気予報を見せてもらうと大雨の予報。
大人の旅である、迷わず民宿に泊まることにする。
紹介してもらった宿はなんと階段を上がった山の斜面にあり、御丁寧にもその名前は「坂荘」といった。
あえぎながら階段を登りきり宿に着くと、後は風呂にメシにテレビと至れり尽くせりの状態で大人の旅の初日が過ぎていった。
熱帯低気圧のおかげで風が強い。波も2mという予報。大人のキャンプとしては無理をせず、民宿のある郡(こおり)の港から1km沖にある渡津(わたず)島に行く。
小さな島の点在する内海は波が穏やかだが渡津島の南端に廻るとうねりが出てきた。
そのままぐるっと島を廻って静かな海に戻り、小さな入り江の砂浜のキャンプ場に着いた。
夕方になると渡し船で来ていた海水浴客も皆帰り、入り江を挟んだ岬の松の木の上で子トンビが巣から顔を出して鳴いている。
磯を歩くとサザエが拾えた。すぐに焼いて顆粒醤油をかけて食う。箸を突き刺し殻をくるっと回して身をはずすと、もう少しで全部出るというところでワタから切れた。
くそっ、いちばん旨いとこが。
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