てーげー
カウンターで手荷物を預けそのチケットを受け取ろうとし
ていると、別のおねーちゃんが俺の荷物を指して何か言って
いる。
バカ!よけいなことは言わなくてイイ。
そのおねーちゃんは俺の気持ちを無視するかのように奥に
消え、もっとエラソーなおねーちゃんを連れて来た。
「お客様・・・・・」
あやゆる懇願、哀願、脅し、すかしを試みたが全く通じなかっ
た。
手荷物の重量超過23kg、16800円の徴収。
初っぱなからへこんだ。
窓から懐かしい宮古空港の赤瓦が見えた頃にはそんなこと
もすっかり忘れていた。
あの屋根の下にはマドンナがいるのだ。
この書き出しは前回の「パイヌカジ」と同じだ。
この2年間ずっと想っていた。パソコンの壁紙にいるので顔
は毎日見ているが、なんといってもナマだ。
彼女は休みだった。
再びへこんだ。
多良間空港へは19人乗りのプロペラ機、座席はビニールのベ
ンチで田舎のおんぼろバスのよう。10人ほどのお客を乗せると
いきなり滑走路の真ん中から、たいして助走もつけずに飛び
出した。
眼下には赤土の畑や白い来間大橋、コバルトの海が広がっ
た。
う〜ん、これはなかなか価値あるフライトだ。
後の座席は最近東京から移住してきた村田さん。終の棲家を
宮古にした。
しかしこの人は無愛想、不親切だと宮古、沖縄人の悪口ばか
り言っている。
自分から溶け込もうとしないでどうすんの。
俺は思わず親父ほど年の離れているのも構わず意見してし
まった。
村田さんなんか一年中、マドンナと同じ空気を吸っていら
れるじゃないか。
飛行機はやはりいきなり多良間空港に着陸した。
空港ビルはこれまた小さいコンクリだった。
フクギの街路樹を抜け畑の道を通って唯一の集落へ。自転車
に乗った子供が怒ったようにコンニチハと言って通り過ぎた。
Aコープで食料を調達して島の北海岸にある「ふる里公園」に
行く。
17000円も払ったのに空港からは自分で荷物を担がなければ
ならない。43kgにパドルと、食料も増えておよそ50kgはある。
死にかけたカメさんのように一歩一歩。すぐに汗がしたたり
落ちた。
ため息をついて見上げるとデイゴは散りはじめていた。
昨夜は公園に着くとオトーリをしている人たちからビールと
刺身を貰い、やっぱり宮古はイイななどと思っていたがそれが
一変した。
公園はゴミが散乱している。
今も東屋でビールを飲んでいる数人が、タバコを火の付いた
ままあたりかまわず放り投げている。全員薄緑色のズボンを履
いていた。
頭に来た。
買い出しのついでに役場に行き公園を掃除するからゴミ袋を
くれと言うと、さっき公園いた一人が酒臭い息で対応に出た。
あきれすぎて何も言えなかった。

|