【スカパー!の歴史】

2014年05月02日(金) 初版
2015年11月17日   02版
2016年08月15日(火) 03版
2017年02月11日(土) 04版

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■スカパー!の歴史




【スカパー!の源流】

スカパー!の源流は、アナログCS放送のスカイポート/CSバーンまで遡ります。


【CS衛星放送が生まれた訳】



昭和の終わりごろ、ケーブルテレビ局へ映像を届ける方法は、Uマチックと呼ばれる業務用ビデオテープを輸送する事でした。
※バブルの頃、まだ光ファイバー網は存在しませんでした。



それは効率が悪い方法でした。全国のケーブルテレビ局へ映像を一辺に届けられないか?と考えられ、通信衛星が打ち上げられました。
日本通信衛星(現在のスカパーJSAT)と宇宙通信(現在のスカパーJSAT)でした。



衛星を利用する事で、テープ配信から衛星配信へ切り替わりました。
ただし、衛星通信に使われている周波数は雨に弱く、大雨が降ると番組が中断します。

【突然の直接衛星放送の開始】

通信衛星の目的は、元々全国に点在しているケーブルテレビ局へ映像を届ける事でしたが、だったら、
直接家庭へ送信しちゃえば良いじゃないか?と考えられ、記者会見が行われました。

サービス名称をスカイポートと言い、使用する衛星は宇通通信のスーパーバードでした。
NHKのアナログBS放送との違いは、お金を払った人だけに見せる為に暗号化している事、総合放送ではなく、
1つのチャンネルは1つの種類(音楽だけとか)だけの放送をしている事でした。

画期的でしたが、時の監督官庁は規制権限を無視した行動に怒り心頭で、直ぐに中止となりました。
これを、スカイポート事件と言います。

しかし、密かに受信機が流通し、一部の人は受信契約をしていました。
これは、マンションで共同受信する場合は、簡易なケーブルテレビとみなす事で許されました。
なお、変調信号はBSと大差無い為、ノンスクランブル時を狙って、改造したBSチューナーで受信していた人も居ました。
※電波が中心の周波数に集まらないように周波数拡散信号が強く掛けられているだけで、映像も音声も同じ信号形式でした。


【不運な宇宙通信】

そうこうしているうちに、宇宙通信の所有していた衛星スーパーバードは姿勢制御がおかしくなり、機能喪失。
地球に向けて電波を発射出来なくなった為、スーパーバードを使用している会社は、緊急避難的に対抗する会社、JSATへ移りました。
その後、宇宙通信はもう1機を打ち上げるも、打ち上げは失敗、爆破処理となり、しばらく衛星が無い状態となりました。
そして再度衛星を調達、A/B、2機の衛星を運用する状態に戻りました。

【BSのWOWOW】

平成2年よりBSを使ってWOWOWが有料放送を開始しました。
今では当たり前ですが、お金を払った人だけが見れる放送です。
それまでもCATVでは有料放送はありましたが、全国を対象とした有料放送は日本初でした。
スクランブル方式はコアテック研究所が開発したコアテック。
走査線を横にズラす、ラインローテーション、縦に入れ替える、ラインパーミテーションを組み合わせた方式でした。
しかし、開局前の実験放送ではラインパーミテーションも実験していましたが、本放送が始まると、弱いローテーションしか掛けませんでした。
これは、何となく放送内容が判るので契約したくなる事を狙ったのかもしれません。
音声は、デジタルデータに加工を施していた為、ザーと言う音が聞こえるだけで内容は全く判りませんが、
音が大きくなると、急に大きな雑音が出ました。

デジタル放送へ移行した事でアナログ放送は終息しました。


【公認されたアナログCS放送】

その後、法整備が済み、スカイポートは通信として一般には受信させないスカイポート通信サービスと
一般に受信させるスカイポートTVに分かれて放送を開始しました。

JSAT系はCSバーンとしてアナログ放送を開始しました。




しばらくアナログ放送が行われていましたが、デジタル放送のパーフェクTV!が、スカイポート、
CSバーンを包含する形でJSATの3号機を使用し放送を開始し、徐々にアナログから移行する事になりました。
パーフェクTV!の放送開始の翌年、英国のBskyBの日本版としてJskyB,SKYサービスが
パーフェクTV!の隣の衛星、JSAT4号機衛星で行われる事になりました。
プラットフォームが別々では煩雑なので、2つは合併し、スカイパーフェクTV!、スカパー!になりました。


【スカイポートTVのその後】

スカイポートTVはデジタル放送のD-SKY構想を立ち上げるも頓挫しました。


【DirecTVの襲来と撤退】



結局、スカイポートは米国から来たDirecTVへ移行する事にしましたが、DirecTVとスカパー!の放送内容は
90%程度一緒である事、戦略的にDirecTVより早く開始したスカパー!から加入者を奪えず、DirecTVの加入者が増えなかった為、
DirecTVは放送を終了し、加入者へスカパー!チューナーを配り、移行を促し、日本のCS衛星放送は、スカパー!に収斂しました。

なお、米国では元気にDirecTVが継続しています。




【スカパー!の東経110°への引っ越し】

その後、スカパーJSATは、BS放送の衛星と同じ緯度にCS放送用衛星を打ち上げました。
当初、蓄積形放送e2として放送開始しましたが、加入者が増えず中止しました。

e2(+α)が使っていた帯域をBSと同じ圧縮方式MPEG2を使って、スカパー!を始めました。


【スカパー!とスカパー!プレミアムの名称入れ替え】

東経110°のe2をスカパー!へ名称変更すると共に、旧・スカパー!はスカパー!プレミアムと名称を変更。

旧・スカパー!は、標準画質放送(MPEG-2)からフルハイビジョン放送(MPEG4 AVC/H.264)へ移行。
ハイビジョンへ移行しなかった契約者が居る為、標準画質を廃止した月に大量の解約者が発生しています。

【4k放送】

2014年から4k試験放送が始まっています。データ量が多い為、高圧縮方式が使われています。

圧縮方式 HEVC/H.265

地デジ            MPEG-2
BS              MPEG-2
スカパー!         MPEG-2
スカパープレミアム2k    MPEG-4 AVC/H.264
スカパープレミアム4k    HEVC/H.265


【2016年のスカパー!】

スカパーは発足以来紆余曲折がありましたが、主なプラットフォームがスカパー!プレミアム(旧スカパー!)から
スカパー!(旧e2、110°CS)、そして、2016年度から光ファイバーもしくは携帯網経由でスマホやTV、タブレットへ
直接映像を届けるサービスに力を入れています。



NHKとケーブルテレビ




スカパーとWOWOWとケーブルテレビ




スカパー光



さて、現在のスカパー!で使用している110°CSにはネックが2つあります。

■BSとの共用を優先した為、圧縮率の悪いMPEG2をまだ使用している。===>チャンネルを詰め込めない。

■BSは奇数チャンネルしか使用出来ない。つまり、帯域の半分しか使えていない。

■CS110°はBSに引き摺られて半分の帯域しか使用していない。

BSには(左旋円偏波を使って)帯域を2倍にする事が出来る、という埋蔵金が眠っています。




BSの偶数チャンネルは、元々は韓国などに割り当てられていましたが、使わなかった為、返上されています。

CSはスカパー!JSATが権利を持っており、放送に転用しようと思えば(総務省と調整の上)使えます。






2015年秋に4K・8KのBS放送形式が暫定的に決まりました。
2016年8月〜2018年11月まで、BS17chを使用してNHKが8K実験放送を、民放が4K実験放送を、時分割で行います。
そして、2018年12月からBS17ch+7ch+CS左円偏波、BS左円偏波を使って8K・4K放送が始まります。
8K・4KのBS/CS放送は、圧縮方式も、電波の変調方式も新しい為、2017年までに販売される4K対応テレビだけでは見れません。
新発売されるBS-4kチューナーが必要です。




参考



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