2002年5月末日 ライダーファンはファンで在る悦びをBADANに感謝する

― 仮面ライダーSPIRITS 第2部 FORGET MEMORISE

ライダー史上 一定期間その身を敵組織に置き 一定の戦果を挙げた希有な存在(ライダー)

10人目の疾き戦士・・・未だ正義の魂は深淵なる闇へ・・・
コキュートスから誘うヤコブの梯子は 神か・・・それとも仮面ライダーか・・・


第2話 遭遇より

鬼神のごとく襲いかかるZX
烈しくも閑かに滾るチカラを叩き込む仮面ライダー1号


マイクロチェーンとは? ―
スチール連載1回目やTVスペシャルにも登場するZXの手甲の内蔵武器で
小説版では大ジャンプする際のサポートとしても併用されました
またTVスペシャルでは高圧電流を流す等 敵にダメージを与えましたが
仮面ライダーSPIRITSでは落下する際に1号ライダーに向けて放たれ
逆に1号を引き込んで仕舞うというTVでは描かれなかった脆さを露呈しました


― 仮面ライダーSPIRITS 第2部 FORGET MEMORISE
第2話 遭遇より

武芸百般に通じ 塵芥の死地を潜り抜けて来た歴戦の勇士仮面ライダー1号
その1号の前に成す術も無く右足と左手首をもがれた
ZX

密林に谺する哀しき慟哭・・・・

“ そうだ!! 俺のこの体は痛みを感じない!! ”

“ 痛みとはなんだ!? キサマの痛みを見せてみろ!! ”


虚像投影装置とは? ―
TVスペシャルでは使用されていないZXの内蔵武器
二の腕と足に在る
レーダー撹乱煙幕発射腔から瓦斯(ガス)を噴射して
ベルトに内蔵された幻影装置で立体映像を投映させ戦術的に有利な状況を作り出す等
仮面ライダーSPIRITSでは 後のエピソードでも幾度となく使用され
特に分身投影は 他の技と組み合わせる事で その効果を高める事に貢献しています


― 仮面ライダーSPIRITS 第2部 FORGET MEMORISE
第5話 怒りより

―記憶― 彼の求めるモノ―
職業は正義の味方と嘯(うそぶ)く老人と出逢う村雨良

―老人は倖わせだった―
―その笑顔―

それがラ・モールの兇手に依って屠られる時
ZXの記憶に怒りの楔を打ち込ませる!!

“ だがひとつ・・・・思い出したものがある ”

“ これが・・・・怒りか・・・・”


ゼクロスパンチとは? ―
ライダーパンチ自体は非常に馴染みのある必殺技ですが
村枝先生は先述の
虚像投影装置による変わり身の後
投影された無数の分身の中から繰り出す
必殺パンチとして描出され
仮面ライダーに於いてのオーソドックスなパンチ技の位置付けを逆手に取り
その印象を 忍者ライダーとしての効果を高める技として置換してくれました

因みに小説版での対カメレオロイド戦では 怒り狂ったZX
幾度も投げ 叩き付けるのですが
仮面ライダーSPIRITSでは
無数の幻影によって怒りの凄まじさを違う視点で魅せてくれました


― 仮面ライダーSPIRITS 第2部 FORGET MEMORISE
第6話 ルミ より

忌むべきは その再生能力
しかし皮肉にも その能力の結果 運命の邂逅を果たす
ZXとルミ
怯え・・妬み・・嫉み・・悪の成熟期を穿つは揺籃期の正義なり

“ なぁ兄さん あんたには・・・・ ”

“ 守るものはあるか・・・・”


衝撃集中爆弾とは? ―
TVスペシャルや小説に登場するZXの膝に装着されている楕円形爆弾
指向性のある爆発力を持ち その器能はスキート(空中地雷)に酷似しており
TVでは敵に向かって投げ付ける手榴弾的なものとして登場

 このZX編では 猥雑にして醜悪な再生カメレオロイドに対し
まず
十字手裏剣 で機先を制し 間髪を入れず衝撃集中爆弾を投げ放ち
その爆発の際 スキートの毎く形状変化する様相の描写を挿み
ミリタリーな印象と共にリアリズムとカタルシスを同居させる場面に昇華されました

そして他のパンチやキックなどの技と違い武器使用に際してZX
常に無言で放ち 忍者ライダーという設定を否応なく刷り込む効果を挙げています
因みに初出の仮面ライダーストロンガー編でも
ストロンガーの背中に密着させ近接爆発させましたが その際も無言でした

因みに小説版では対ジゴクロイド戦に於いて
擂り鉢状の砂の巣から脱出する為に 自らの懐に抱き爆破
その衝撃により見事脱出するという死闘が展開されました


― 仮面ライダーSPIRITS 第2部 FORGET MEMORISE
第10話 接触より

充たされるを知らず渦巻く 時空魔方陣
餌食となり糧となり屠られるだけの人々

“ ありったけでいこうぜ ”

“ 考えんのは それからだ!!”

滝が放った弾丸は 運命の狼煙のごとく
未だ真の邂逅を経ていない 正義という銘の共闘の口火となる


ZXキックとは? ―
赤熱化して踵に内蔵されたジェットエンジンの噴射に因り高空へ跳躍
― 刹那 ― 滅という概念を相手に抉り込む驚異のキック技

スチール連載ではZXイナズマ(稲妻)キックが主戦だったため
実際にはこの呼称での登場回数は殆ど無い
ZXの必殺技でもあり
― 資料によってはライダー必殺キックとも
過去の萬画作品などではライダーキックとも表記され ―
TVスペシャルではタイガーロイドと暗闇大使に放たれました

仮面ライダーSPIRITSでも既に幾度か発動しましたが
人々を護るために絶対的なチカラに向って放たれたのは
TVスペシャルを除けば今回が初めて
よって第2部10話は 真の意味でのライダーキックを
遂に
ZXが放った記念碑的エピソードとなり
句切りを括るに相応しいシークエンスでファンの血流を速めてくれました


― 仮面ライダーSPIRITS 第2部 FORGET MEMORISE
第15話 秘密より

深き闇の淵から誘うは 神に在らず 己に在らず
それは仮面ライダーの魂魄(スピリッツ)を纏う ひとりの漢だった

“ どこまでだって強くなれる ”

“ テメエが「仮面ライダー」ならばな ”


電磁ナイフとは? ―
TVシリーズでは未登場のZXの左大腿部に内蔵された伸縮ナイフ
高温を発する為 金属をも切断する事が出来る
意外にも
仮面ライダーSPIRITSでの登場はかなり早く
第1部3話
たった一人の戦場 後編がその初出
この際は仮面ライダー2号に対し
ZXのプロトタイプ隊が使用

15話では神経瓦斯とそれに侵された人々を利用し
ZXキックを封じたカマキロイドに対し使用され
その窮地の中
ZXは盾にされた人々に因って生まれた死角を利用して
マイクロチェーンに依る結界を張り巡らせ
皮肉にも強靱な刃を武器とするカマキロイドに その刃を浴びせ
忍者ライダーとしての能力を如何なく鼓舞せしめました


― 仮面ライダーSPIRITS 第2部 FORGET MEMORISE
第1話 強襲より


ヘルダイバーとは?
見た目こそバイクですが 水中走行も可能で 核融合エンジンを配し
万が一降下に失敗しても甚大な被害を齎す 文字通り
煉獄への潜行者
その他2門の光線砲を装備 タイヤに至っては路面に因って溝が変化
真の意味での戦闘用万能バイクです
また其の名の示す通り 第1話
強襲に於いては
大軍勢のコマンドロイド部隊による米軍基地への直接降下を行い それを壊滅
そして遂に第26話
占領に於いて タイガーロイドとの死闘の末に
愛機ヘルダイバーを得て ZXがまたひとつ仮面ライダーに近付く事に成りました

因みに小説版でのZXは3年間 バダンで活動したとされています


余談

企画があそこまで進んでいたにも関わらず
結局TVシリーズとしては実現しなかった 不幸な作品
仮面ライダーZX 
当初 村枝先生は
サイボーグ009のフォーマットで
若し
仮面ライダーZXがTVシリーズとして構築されていたなら?
そういう お気持ちで
ZXを萬画化したいと憶われたそうです

そんな言葉のひとつを証明する 貴重なひとコマ

明らかに国籍の異なる12体のコマンドロイド(エリート)
まさしくこれぞ ゼロゼロナンバーサイボーグ!

また村枝先生は忍者ライダーというZX本来の設定をかなり重視しておられ
この画像のストロンガー編でもコマンダーとの関係を上忍と下忍の様に描き
後の新宿編の導入部でも解るように
ZXを脱走者では無く抜忍として描き
ニードルの時もただ襲わずに まず戻るように問うた上で争いにという展開で
その争いに於いても第2部での画面構成 密林などでの疾走感 技の応酬などは
山田風太郎先生・横山光輝先生・白土三平先生の作品世界の情景を髣髴させ
特に対ヤマアラシロイド戦の舞台となる夜の神社での死闘などは
石ノ森世界(特に009)という奔流に棹さす感涙のロケーションで
忍者萬画というカテゴリーに夢中だった世代の胸を実に心地よい熱さに加熱してくれました




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