
― 仮面ライダーSPIRITS 第3部 DRAGON ROAD ―
― 序章より ―
[古事記(ふることふみ)上(かみ)つ巻より抜粋]
此の時に 伊耶那岐命 大きに歓喜びて
次に 建速須佐之男命 詔ひしく「汝が命は 海原を知らせ」と 事依しき
“ そして我は「ス サ ノ オ」 ”

ここで謂うスサノオが 建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)を指し示すのは
作中に於ける月読命(ツクヨミノミコト)天照大御神(アマテラスオオミカミ)からも明らかで
仮面ライダーSPIRITSが サイボーグ009の世界観念を基盤に据える以上
またそれら真実が照らす事象は唯ひとつ・・決して逃れる事の出来ない
マージナルとして画す忌むべき命題・・・・そう
神々との闘い
この第3部の開巻では八岐大蛇の様な多頭の竜の頭上から
三貴子(アマテラス ツクヨミ スサノオ)が まるで神の様に宇宙から地球を睥睨する描写があり
これは推そらく建速須佐之男命が一説には羅喉(ラゴウ)と呼ばれる暗黒神とも解釈され
その羅喉(ラゴウ)の頭上には 多頭の竜が蠢く為と考えられます
また かつてスサノオと呼ばれたJUDOが常に発する文字(もんじ)は
秀真(ホツマ)文字と呼ばれる神代文字で
その文字のカタチの幾つかは仮面ライダーの容貌に非常に酷似しており
これは何故三貴子が仮面ライダーの姿を纏っているかの要因のひとつになると
妄想膨らむ いちファンの うがった見解ですが どうか御容赦ください
― 仮面ライダーSPIRITS 第2部 FORGET MEMORISE ―
―第4話 変身より―
変身・・・・我々はその言葉を待っていた
怒りが正義へと変わる時 10人目の戦士が遂に目醒める
“ 「スイッチ」だ!! スイッチをいれるんだよ!! ”

却説(さて)ここで滝が云う「スイッチ」 変身ポーズなのに 何故敢えて「スイッチ」なのか?
間違ってはいないモノの 仮面ライダーでは 今一つそぐわない感じがする「スイッチ」
実はこの「スイッチ」のセリフは 石ノ森プロによる原作版人造人間キカイダーへの
推そらく畏敬の念を込めたであろう 村枝先生による魂の競作を意図された故と考えます
― 原作版 人造人間キカイダーより―

この劇中ではミツコというヒロインが グレイサイキングの猛撃に対し
身振り手振りを交えジロー(キカイダー)を変身(チェンジ)へと導くのですが その際
“ は はやく!! スイッチを・・・・・・オンに!! ”
と滝が村雨を導くのと同じニュアンスのセリフと場面が展開され
故にこの「スイッチ」は後述の幻魔大戦と同じく仮面ライダーSPIRITSに於ける
石ノ森世界の在り方を示す 指針のひとつとなりました
― 仮面ライダーSPIRITS 第2部 FORGET MEMORISE ―
―第18話 覚醒より―
神代(秀真)文字を繰る金色のJUDO・・・
沫や頸り吊るされるルミを救ったのは
霊的で 強力な残留思念と呼ぶべき 姉しずかだった・・・

御存知のように連載作品としてサイボーグ009と仮面ライダーの
年代的にも中間に位置する傑作SF萬画幻魔大戦
このZX編で村枝先生は 当初から随所に 亡き姉とその弟の悲劇という
幻魔大戦でも最も重要なファクターを鏤(ちりば)められ
遂にはこの18話に於いて 009のフォーマットに仮面ライダーのスピリッツを込め
未完に終わった幻魔大戦への思いの一端を昇華してくれました
特に村雨からJUDOを姉しずかが引き離す この一連のシークエンスは
石ノ森章太郎著・秋田書店版幻魔大戦(1968)に於ける
幻魔兵団司令官シグと主人公 東丈との死闘への紛う事無きオマージュ!
― 原作版 幻魔大戦より―

“ ううっ こ こいつは・・・・? まさか・・・・?”

“・・・・ね・・え・・・・さ・・・・ん!! ”
作中 幻魔兵団司令官シグは
“ 我々幻魔にとっても ああいうのは強敵なのだ ”
と 殺すべき実体を持たない霊的な残留思念への畏怖を露にしました
そして仮面ライダーSPIRITS最強の敵であろう大首領もまた
TVスペシャルの海堂博士に 実体を持たない悪霊エネルギーであると論じられている事から
この第18話は村雨良の真の覚醒という ひとつの句切りでは無く
村雨良と姉しずかの本当の意味での闘いの幕開けであると言えるでしょう
― 仮面ライダーSPIRITS 第2部 FORGET MEMORISE ―
―第18話 覚醒より―
その眸にヒカリ戻る時 闇はざわめきを始める
静かなる慟哭は 風をひとつの場所に
“ そして・・・・もう二度と忘れん・・・・ ”
“ バダンの無情 ” “ 姉さんの無念 ”
“ そして俺の・・・・無力を・・・・ ”

異形の集人となったバダン怪人
常にオリジナルデザインを忠実に踏まえた仮面ライダーSPIRITSでは
非常に珍しい 否 初の合体バダン怪人
スチール連載にも小説版にも無く またその巨躯と力能力が相反する為
多くのファンに誤解と不評を与えている合体シークエンスですが
そのZX編での設定の数々が先述の幻魔大戦(1968)への献辞(オマージュ)である以上
この武骨な合体も 石ノ森ファンならではの村枝先生の拘泥の場面と成っています
そのひとつを証明する幻魔大戦(1968)での一連のシークエンス

作中 幻魔サメディは 闘いをより優位にする為 幻魔ゾンビーと合体融合
その際のサメディの口調はジゴクロイドと同じ野卑そのものであり
この18話に於けるカニロイドを合体に導くジゴクロイドの一連のセリフも
サメディと同じ野卑た命令口調で 自らの身体に飛び込ませ融合する事から
この合体バダン怪人も また石ノ森世界の正統な住人であると考えます