つむじ曲がりのハノイ日記 (1)
トゥ・リェン物語 (1)
私の住んでいるタイ・ホーTay Ho区 トゥ・リェンTu Lien はHa Noi の北部にあって、北を流れる 紅河 Song Hong と 西湖 ho Tay 北岸とに挟まれた細長い地域で、四つの部落 (Tu Lien−Tu は四,Lien は部落或いは村の意味)がこの狭い地峡に肩を寄せ合って暮らしています。この地区がハノイ Ha Noi に編入されたのは,ほんのまだ4−5年前のことで、それまでは郊外の田舎でした。
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下宿の屋上にあがると、眼下に広がる hoTay は、周囲約20キロ、北部ベトナム最大の湖です。悠々と、流れるともなく流れる
Song Hong との間には、Ha Noi をたびたびの水害から護った突堤が延々と続いています。突堤の上は、幅約20米の道路が、市の南部の国道一号線からノイ・バイ
Noi Bai 国際空港への有料道路につながるバイパス道路となっていて、夜間でもかなりの交通量があります。
Ho Tay の周囲、特に南及び東側には、赤いとんがり帽子屋根のコロニカル風な建物が多く、仏植民地時代の名残かと思はれましたが、その殆どはこの6−7年以降に建てられたものだそうです。当時、ドイモイへの経済政策転換で、外国人達の入国が増え、そのための住宅需要を当て込んで続々とたてられたホテル、マンション、貸家などで、かく言う私の住まいもその一つです。5階建てのかなり大きな建物で、1階は2階まで吹き抜けの応接間となっており、3階から5階まで、各階約35平方米の2部屋(各室バスルーム付き)があります。私はその最上階を借りて(もっとも広すぎて掃除が大変なので一部屋しか使っていません)、屋上からの展望を我がものにしているわけですが、因みに家賃は月200万ドン、約¥17,000.(US$145)です。ベトナムでは太陽の直射を浴びる最上階は家賃が、一番安くなると言うこともありますが、やはり現在景気低迷で需要が少ないために空き家が多く、家主達は借り主確保に懸命で値をつり上げることが出来ない事情もあります。
「その時には、みんな土地を売って家を建てました。この辺の土地の値段は倍になりました。だけど今は土地の値段も家の値段も下がって、下がって、家主は皆心配しています。」
とは、此の家を世話してくれた Miss.Lan の話です。そう言えば、Tay Ho の古廟への分かれ道、屋上から見ると目と鼻の先に、S字マークを入れた20階建てのビルが、工事半ばで久しく放置されていますが、これもやはり上記の理由によるものだそうです。
一般的に市内で見る住宅は、隣の家との境がなく壁がくっついて、(と言うよりも隣家との壁が共通になっていると言ったほうがよいでしょう。)つまり長屋風にたてられています。壁に耳をつければ、隣の物音は手に取るように聞こえるわけですが、この辺の家屋は完全に独立していますし、各戸に庭を持っているのも、やはり田舎だったんだと思わせるものがあります。
話を ho Tay に戻します。Miss.Lan の話では、それ以前はho Tay の周囲は、竹藪や様々な雑木林に囲まれていて、魚獲りや水浴びなど、子供達の自由な天国でした。湖水も綺麗で、色々な魚や貝がとれたそうです。タニシは、今でもこの湖の特産となっていますが、名前は不詳ながら、あこや貝に似て中に玉?を作る貝も生息していて、子供達は潜っては、玉(真珠?)の入った貝を見つけるのに夢中だったとか。それほど水も綺麗だったのでしょう。
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「気象庁が,−明日は空気が変わって寒くなる−と言ったときは、夜のうちから冷たい北風が吹いて
hoTay に波が立ち、エビは波に揺られてふらふらになって、朝になると沢山岸に寄せられてくる。子供達はそれを網箱ですくって採りました。Hoan
Kiem 湖(市の中心部にあって、その周辺はオフイス、ホテル、商店が建ち並び、観光客のもっとも集まる場所です)でもそうです。朝早くにジョギングしていた人達がそれを見つけてみんな沢山採ったので、新聞では、−Hoan
Kiemk 湖の生物がいなくなって生態系が変化してしまう−と言っていました。hoTay
は大きな湖だからよいけど、Hoan Kiem 湖は小さいからです。でも、人々は貧乏だから仕方がないです。自分だけ思っても皆が採れば一緒に採ります。」と、Miss.Lan
は嘆きます。
湖の東側は、ho Truc Bach (チュック バック湖)との間に、長さ一キロ足らず、中央分離帯を持った片側二車線の
Thanh Nien 通りが、南岸と北岸を結んで、僅かに近道となっています。この道路は元々一つの湖だった
ho Tay と ho Truc Bach の間の浅瀬になっていたところを埋め立てたもので、両側に
Tran Quoc, Quan Thanh 等の古寺、古廟が並び、船上レストラン、貸しボート等の市民娯楽施設もあります。毎日夕刻ともなると、老若のカップルが湖畔のベンチで夕日に映える湖面を眺め、夏には遅くまで大勢の夕涼み客でにぎわいます。昨年の大晦日(テトの前日)には、ここから盛大に花火を打ち上げました。 −00.1.4−
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