先制パンチ、ロスタイムの悪夢・・・? 「時間」で見る浦和レッズ |
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唐突ですが・・・あなたは、レッズの試合運びに、何らかのイメージがありませんか?
私には、「試合開始から押せ押せのイケイケ」「でも時間の経過とともに尻切れトンボ」「ロスタイムによくやられる」ってイメージがあります。それも根強く。
実際、どうなんでしょ?
つーわけで、またも数字オタク的な検証?をしてみました。
印象どうりの試合展開
下の横棒グラフは、レッズのオフィシャルサイト内にある記録集「R-FILE」をベースに、1992年から2001年までのリーグ戦およびナビスコカップ全試合(=382試合)の時間帯別得失点をチマチマと手集計したものです。何しろ手集計なので記録としての信憑性は「?」なのですが、残念ながらオフィシャルサイト自体も完璧ではなくて、
・1995年2nd9節(浦和1-3横浜F)/1999年2nd1節(浦和1-2京都)の2試合は記録自体が不明・・・リンクの不備
・2001年1st9節(浦和2v-1神戸)については失点時刻が不明・・・誤記
という抜け洩れがあります。
なお、天皇杯については、「R-FILE」には選手の出場記録があるのみです。JFA公式サイトには、1999年以降の公式記録が掲載されていますが、ここでは全て割愛してあります。
■時間帯別得失点【1992-2001】

さて、このグラフを見て私が最初に感じたのは、
(1) 前半より後半に、たくさん点が入っている
(2) 特に後半40分〜44分は乱打戦になっている
という事でした。レッズ以外の分析をしていないので一般論としては何とも言えませんが、私なりに勝手な解釈を試みました。
(1)については、「選手交代で試合が活性化する」「選手が疲れると失点が増える」っていう事でしょうか。要因はよくわかりませんが、感覚的には頷けるところです。もしかすると、プレイヤーの方なら、この傾向がより一層実感できるのかもしれませんね。
(2)については、ローカルルールによる記録の偏りです。時間表記は、国際標準では試合開始時点が「1分」なんですね、確か。つまり「1回目の1分間」というわけです。要するに「数え年」と一緒です(笑)。この方式なら、後半ロスタイムは(延長戦と区別するために)「91分+」とかの表記になるんですが、日本の場合は「後半44分0秒から終了のホイッスルが吹かれるまで」が味噌もクソも一緒になって「44分」ですから、例えばロスタイムが正味3分間あった場合は、44分は実に4分間あるわけで・・・点数がたくさん入っているように見えるのは、当然です。
そんな事を踏まえて、レッズの試合ぶりを検証してみると・・・
おお! 「試合開始から押せ押せのイケイケ」「でも時間の経過とともに尻切れトンボ」「ロスタイムによくやられる」とも、当たっていそうです。
試合展開を駒場の雰囲気に無理やり当てはめるとすると、
・「First Impressions」とデカ旗、紙吹雪の興奮をそのまま引継ぐように開始直後の5分間で猛攻。試合の序盤でリードを奪う。
・前半20分過ぎからはやや押され気味。バックスタンドの野次が目立ちだし、前半終了間際に失点を喰らうケースも多し。ブーイングでハーフタイム?
・後半も立ち上がりからずっと押され、我慢の展開が続く。場内は焦れ、城定は項垂れ、ゴール裏は延々と「ララ浦和」。
・後半20分過ぎから息を吹き返し、快速FWが疲れの見える相手DFを翻弄。終盤の撃ち合いでハラハラドキドキ。「We are Diamonds」を歌う暇もなし。
って感じでしょうか。一言で言うと、思いっきり中だるみですな。
一喜一憂は必要なし・・・0分ゴール
レッズらしさが特に顕著だと思われるのがキックオフ直後の5分間で、29得点14失点。
イケイケムードだから点が入るのか、点が入るからイケイケムードになるのか、因果関係はよくわかりませんが・・・。
ちなみに、レッズの「0分ゴール」というのは過去7回あります。
| 得点者 | 結果 | 備考 | |
|---|---|---|---|
| 1995/04/12(J-1st8節) | ルンメニゲ | 浦和3v-2横浜M | 延長でやっと勝ち |
| 1997/07/19(J-1st17節) | 山田 | 浦和2-3平塚 | 4分で2点リードしたが逆転負け |
| 1997/08/06(J-2nd3節) | 福田 | 浦和3-4清水 | いったん逆転された後、88分に勝ち越したが、89分に2失点 |
| 1997/09/06(J-2nd10節) | ネイハイス | 浦和3-1横浜F | |
| 2000/03/30(J2-4節) | 永井 | 浦和7-0鳥栖 | |
| 2001/05/06(J1-1st8節) | 永井 | 浦和4-2東京V | |
| 2003/04/19(J1-1st4節) | エメルソン | 浦和2-0京都 |
というわけで、5勝2敗。勝ち越してはいますが、無失点で勝った試合は2試合だけ。J2での鳥栖戦を除くと、今季の京都戦がJ1での初完封試合だったわけです。
それにしても、97年あたりの記録を見ると、なんか苦い思い出が蘇ってきますなぁ・・・。
| 得点者 | 結果 | 備考 | |
|---|---|---|---|
| 1994/08/27(J-2nd5節) | 森山 | 浦和2-4名古屋 | 15分には一旦同点に追い付く |
| 1994/10/29(J-2nd16節) | 北村 | 浦和1-4G大阪 | |
| 2001/07/07(J1-1st13節) | 渡辺光 | 浦和2-3柏 | 10分には一旦同点に追い付く |
一方↑は、恥ずかしい「0分失点」。該当する3試合でさっぱりと3連敗してますが、こちらも完封負けはなし(それどころか、あっという間に同点になったりしてる)。
こうしてみると、試合開始直後の得点は「ぬか喜び」の要素が強い事が伺えます。ほら、よく解説者が「点を取るのが早すぎましたねぇ」とか言うじゃないですか。あと、「今から試合開始だと思ってやればいいんですよ」とか。そういうのを聞いて、今までは「ケッ」とか「偽善者め」とか思っていた私ですが、悔い改めます。
そう考えると、レッズの試合展開は、「立ち上がりからイケイケ」ではなく、「慎重(=立ち上がりの失点が少ない)」と捉えるべきなのかも・・・。
歴代無能監督の証明?・・・後半開始直後の失点
レッズの試合運びのもうひとつの特徴が、ハーフタイム直後の得点の少なさ、失点の多さです。
前半はほぼ互角の試合をしているレッズですが、後半開始直後の5分間で、試合の主導権を握られてしまいます。25得点は、ゲームが動く後半の中ではもっとも得点の少ない時間帯ということになります。一方、34失点は、前後半それぞれの最後の5分(+ロスタイム)を除くと2番目に失点の多い時間帯。これはいったい如何なものか。
ハーフタイムは、単なる休憩時間ではなく、試合前にたてた戦術の修正・変更ができる機会です。
嗚呼それなのに、それなのに。レッズときたら、前半20分過ぎから劣勢に立たされているのにも関わらず、なんの修正も施していない。ように見える。
| ハーフタイムの相手監督の指示(イメェジ) | ハーフタイムの浦和監督の指示(イメェジ) |
レッズのFWはマンマークをつけておけば怖くない。山田の攻め上がりには複数で対処しろ。ボールを奪ったら、山田が上がった裏のスペースを狙ってセンターバックを吊り出して、外にポイントができたら中央の開いたスペースに2枚飛び込んでいこう。ただし小野と阿部を同時にフリーにしないように、右のケアは忘れるな。我慢して外から行けば、相手はボランチが下がって2ラインになる。中央も開く。前の3人も孤立するから、そこから主導権を握って行こう。 |
がん が れ |
こんな感じかよオイ!
やっぱり鍵はロスタイム
さて、ここまでの数字は「2000年のJ2での記録」も合算しています。この年は得失点差が+37もありますから、まぁ、水増しの感はありますね。
そこで、J2での記録を除外してみるとどうなるでしょうか。
■時間帯別得失点【1992-2001】(除く2000年のJ2)

んー、ここまで検証してきた傾向が、悪い方により顕著になりました。
立ち上がりの貯金を前半のうちに使い果たし、後半は時間の経過とともにどんどん劣勢になっていく様子が見て取れます。「残り20分」の声を聞くまでは、一方的に押されているっていう感じで、こっちの方が、より実感に近いですな(涙)。
それでも、レッズが残り5分でそれなりの得点力を見せている事も事実なんですよね。
レッズの最後の5分間での得点は43。後半終了時の総得点は、相手チームの後半39分までの総得点を僅かながらも上回っています。すなわち、その最後の5分間で相手を押さえ込む事ができていれば、「終盤に追い付く」「終盤に勝ち越す」という、まさにドラマチックな試合展開になっているというわけです。
ところが、現実には、同じ時間帯で実に54失点。その中でも「44分」の失点は実に33。いくらロスタイムが含まれているとは言え、これは後半終了時点での総失点の実に6.6%にあたります。
下らぬ仮定をしてみましょうか。仮に前半2分、後半3分、合わせて5分のロスタイムがあるとして、95分に対する1分は、比率では1.1%。従って、「後半44分」の総試合時間に対する比率は、ロスタイム3分を含めると4.4%となります。この4.4%の時間に6.6%の失点ですから、失点率1.5倍って事です。
実は、これより失点しやすい時間帯は、前半42分・後半3分・後半16分・後半40分・後半42分と、結構あります。念のため。
いずれにせよ、このグラフから見えてくるのは、後半40分以降
・レッズが先に点を取った場合→「せっかく追い付いたのに、ロスタイムで決勝点を奪われる」
・レッズが先に点を取られた場合→「終盤にダメ押し点を奪われ、ロスタイムに反撃も遅し」
という構図であります。
前述の清水戦、フリューゲルス事件直後のマリノス戦、J1復帰後の国立鹿島戦・・・あなたが思い出すのは、どの試合でしょうか・・・。
押されっぱなし
時間帯別の得失点によるゲームの支配度・・・「押せ押せ度」を可視化したのが下のグラフです。まぁ、ここまでに出てきた数字の焼き直しなんですが(笑)。
■時間帯別押せ押せ度【1992-2001】(除く2000年のJ2)

試合全体を19の時間帯に分けてあるわけですが(延長戦は一つの括り)、赤で示したレッズが優勢な時間帯は、わずか6つ。後半に入ると劣勢を示すピンク色が続き、ホント、「ララ浦和」がエンドレスで歌われる様子が見えてくるようです。
あぁ、今なら、怒った声で「Come on, Urawa Reds! Come on, Urawa Reds! Come on, Urawa Reds!・・・」ですかね。
しかしまぁ、いくらサポーターが青筋立てて煽ったところで、
がん が れ |
ですから。
オフトの傾向は?
ここまでの数字を「2001年まで」に絞ってご紹介してきたのには、わけがあります。そう、歴代監督とオフトとの違いがあるかどうかを見たかったからです。去年の今頃、「選手交代」という切り口でオフトの評価を試みて見ましたが、今年は時間帯別得失点というネタでオフトを分析してみたい・・・というのが、実はこの企画のキモだったりします。
つまり、ここまでは全部前フリ(笑)。
■時間帯別得失点【2002-2003】

2002年以降は、リーグ戦とナビスコカップを合わせると53試合。サンプル数が少ないので極端なグラフになっていますが、これがまぁ、結構興味深い(というか笑えるというか)結果になっています。
試合開始直後 相対的なオフトの評価・・・×
2001年までと異なり、スロースターターというか、いきなりの失点が多いというか、まさに「選手たちが寝ていた」状態であります。
つーか、前半15分までに点、取られすぎ。この2年間で、浦和が最初の5分間で獲った得点と言えば、例のエメルソンの0分ゴールのみであります。
ハーフタイム前後 相対的なオフトの評価・・・○(ただし疑いの目アリ)
これまた2001年までと異なり、前半終了間際と後半開始直後にゴールを奪っています。前半終了時にはブーイングではなくコール、後半開始直後には歓喜、こんなイメージですか。ハーフタイムで怒られる前に自分で眼を覚ましたってカンジ。
ハーフタイムのミーティングも、結構いい事を言ってるんですかねぇ。選手の声を聞くと、「オフトは何も指示しない」って印象しかないんですけどねぇ・・・。
後半〜終盤 相対的なオフトの評価・・・○(ただし疑いの目アリ)
やっぱり2001年までと異なり、後半開始直後のゴールで波に乗ったかのように攻勢を続けるレッズ。残り10分まで、コンスタントに試合を掌握している様子がグラフからは伺えます。
選手交代が遅いと批判される事も多いオフトですが、後半30分からの5分間の攻勢傾向を見ると、実は「数少ない選手交代が(または選手を交代しない事が)当たっている」という見方が、総論ではできるのかもしれません。こじつけっぽいですが・・・。
最後の5分 相対的なオフトの評価・・・×
お約束と言うかなんと言うか、やはりここだけは傾向が変わっていない。というか、より強化されています。
三つ子の魂、百までも ロスタイムの悲劇、千までも
つー事ですか。オフト就任以降、フィジカル的には向上の兆しがあると感じていて、正直、オフトの功績ってそのぐらいしか思い浮かばない私なんだけれど、それが試合終盤のスコアリングに必ずしも影響を及ぼしているわけではないんだなぁ・・・と、これは意外な印象。
つーか、サイトーカズヲの頃がフィジカルが酷すぎたってだけの話なんですかね。
結局、この図式から想像してしまうのは、
| 試合前のオフトの指示(イメェジ) | ハーフタイムのオフトの指示(イメェジ) |
がん が れ |
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だったりします。