小梅ちゃんとの思い出
2001年4月。
小梅との出会いは石神井にある熱帯魚屋さん。
当時我が家は、前年10月に結婚してダーリンとあたしとウサギのさくらの3人家族。
さくらと同じ真っ白で真っ赤なおめめのかわいいセキセイインコを見つけた瞬間この子は自分の家にお迎えするしかない!!と思った。
そして我が家は4人家族になった。
お名前はすぐに決定。だって飴玉の「小梅ちゃん」みたいなきれいなルビーアイだったんだもの。
まだまだとても小さかった小梅。風切羽がカットされていたため羽ばたくものの飛ぶことはできなかった。
手を出しても乗ってくれず、性格はきつくすぐに噛み付いてくる凶暴なお嬢様だった。
お目目もまん丸の愛らしい顔ではなく、アーモンド型の上がり目。美人さんだったのだ。

そのうち風切羽が伸びてくると、小梅はブンブンと部屋中を飛び回るようになった。そしてよく向かうのはウサギのさくらのところ。
きつかった小梅も、なぜかさくらのことが大好きでいつもさくらにくっついていた。
さくらを見つけると、さくらの腰に着地していそいそと頂上(?)まで上ってペタンとくつろいで眠ったり、一緒にニンジンを食べたり。
優しかったさくらも嫌がりもせずに、一緒に遊んでくれていた。
我が家の愛らしい「白白コンビちゃん」だった

小鳥をお迎えしたことのなかったあたしはインコのことがわからないので、買ったばかりのパソコンを使ってネットで情報を検索。
某鳥の掲示板に行くようになっていろんなことを教えてもらって、そこでたくさんのインコ友達さんができて あたしの世界も広がった。
6月にはセキセイインコルチノーのききちゃんがやってきて 5人家族になった。
12月にはウサギのポーちゃんも加わって 6人家族になった。
実家での家庭はとてもさみしいものだったので、あたしは自分の家族ができたことがほんとうにうれしかったっけ。
毎日毎日この子たちの顔を見て、触れて、話かけて、幸せだった。
小梅は小さい頃(1歳くらいだったかな)に副鼻腔炎にはなったけれど点鼻薬ですぐに治ったし、ポーに爪先をかじられる事故やききとのケンカで片鼻穴がふさがってしまうトラブルはあったものの、入院や通院が必要な大きな病気やケガもなくすくすくと育っていった。
タマゴだって3歳半になるまで生んだことなかったし。
ただひとつだけずっと気がかりだったのは、もともととはいえ体がとても華奢で小さかったこと。
小さいときから28〜29グラムで増えなかったし、頭もとっても小さかった。でも鳥専門病院の先生によるとやせすぎではないとのことだったけど。
大きな病気になったときに体力がないんじゃないかとそれが一番心配だったのだ。
それでも食い意地だけは張っていて、いつもシードをあげるとずっと食べていた。あれで太らないんだから栄養の吸収が悪かったのかもしれない。
筋肉もあんまりなくて飛ぶときの羽音も他所のインコちゃんに比べると静かで、鳴き声も小さくてとてもおとなしかったので、、「天使みたい」とか「品があるね」なんてインコ仲間さんによく言われエヘヘ♪とうれしくなったもんだった。
きつかった小梅も、さくらが亡くなってから一緒に生活するうちにとっても甘えん坊な「おかあしゃん命!」な子に変わっていった。
ききや他所のインコちゃんに見向きもせず(実際には他所のインコに会ってもジーっとして動かなくって全然モテなかったんだ)あたし一筋☆
カゴごしに声をかけるとウキウキダンスをしながら、カゴの中でできるかぎりあたしに近寄ろうとして、せいいっぱいくちばしを伸ばしてチュウをせがんだ。
指を入れてやると甘噛みしてうれしそうに笑った。
放鳥するとよくあたしの肩にやってきてクビスジにまとわりついて「フンフンフン♪」という甘え声をあげながら、ホッペやアゴを甘噛みしたりナメたりしてくれた。
どこにいても「おかあしゃんの大好き小梅ちゃ〜ん♪」とか「キョメスケ〜♪」とか「チャメチャメ〜♪」なんて呼ぶと羽を広げてウキウキダンスを踊ってくれて、時には飛んできてくれたんだ。
ほんとうにあたしを愛してくれたし、あたしも小梅をとっても愛していた。自慢の娘だった。
でもそうなると歳とともに発情しやすくなってきてしまうんだよね。あたしの顔を見るだけで反ってしまうようになった。
2006年にはききがタマゴが原因でクロアカ脱を2度も発症してしまったことから、きき小梅ともに発情抑制を厳しくするようになった。
毎日していた放鳥も控えるようになったし(出すとあたしに飛んできてまとわり付き反ってしまう)、カゴ越しのスキンシップさえ難しくなった。
近くで目が合うだけでも反ってしまうから。
あたしが妊娠すると、チュウもできなくなったし・・小梅とのスキンシップはどんどん減っていった(もちろんききも)。
それでもあたしが朝の「おはようしゃん♪」と、寝るときの「おやちゅみ〜ネンネよ〜♪よく寝るんだよ〜♪また明日ね〜♪」と、昼間たまにかける呼びかけに、小梅は目を輝かせてウキウキダンスでこたえてくれた。
遠い場所からカゴに声をかけると、上段の止まり木にいてもウキウキダンスをしたまま下の段までおりてきて笑顔を見せた。
「おかあしゃ〜ん♪おかあしゃ〜ん♪」って言ってるみたいな必死な甘えたお顔でカゴにはりついて・・かわいかった。
一緒に遊ぶことが少なくなってしまったけれど、まだまだ一緒にいられると思っていたから・・発情が落ち着いたら・・出産が終わったらまたいつでも遊んであげられると思っていた。
こんなに早くお別れがくるなんて思ってもみなかったんだよ。
秋に2個だけタマゴを生んだ小梅は、そのあとも発情はすごく強くて反ってばかりいたけれど、ろう膜も茶色くならなかったしタマゴも産まなかった。
たびたびタマゴを生んでしまうききにばかり目がいってしまっていた。またクロアカ脱が再発すると大変だと思っていたし・・。
だから油断していたんだ。きっと。
2007年1月21日
朝寝室でインコヒーターの電源を切ってカゴにかかっていたカバーをはずして「きっちゃんキョメちゃんおはようっしゃん♪よく眠れた?さ〜てあっち行くよ〜〜♪」と声をかけると、2羽とも羽を広げて足を伸ばしノビ〜〜♪を気持ちよさそうにした。いつもと同じ朝。
居間のテレビ脇の棚にカゴを2つセッティングして水とゴハンをとりかえると、2羽ともバクバクとゴハンを食べた。
カゴ底に落ちた@(ウンチ)、ききは大きくまだ水っぽかったから発情はおさまっていないなあと思っていた。
小梅の@は小ぶりで(いつも)プリっとしたアンモナイト型。朝の@チェックも問題なし。
午前中にウサギのポー&小雪のゴハンなどのお世話もして、家事をしたりネットをしたりして昼になり食事休憩をした。
食後しばらくテレビを見ていたあたしは、小梅がカゴの中に見えないことに気がついた。
テレビはカゴのナナメ下あたりにあるので、テレビを見てると必ず視界にはインコズが見えるようになっていたのだけれど、カゴの棚が少し高さがあるもので座椅子に座っていたあたしからはトレー部分の死角に入って見えなかったのだ。
このときあたしは大して気にしてなかった。ガサガサ音がしていたし、ききも小梅もよくカゴ底で@をかじったりして遊んでいたから。
「小梅ちゃ〜ん何してんの〜?」って声をかけたけど、小梅はあがってこなかった。立ち上がってみると、カゴ底にしゃがんでいた。
「ま〜たそんなとこで遊んで〜〜。発情しちゃダメだからね!」なんて言ってあたしはまだまだ気にしていなかった。
膨らんでもなかったし、目もパッチリしていたし、隣のカゴのききも同じようにカゴ底で遊んでいたからだ。
またコタツに戻ってテレビを見ていた。
すると1時すぎにシュタっと小梅が下の止まり木まで登ってきた。・・でもなんか様子がおかしい。
しきりにお尻をソワソワと気にしてオロオロとしているのだ。。(今思えば自分でどうにもできなくってあたしに助けを求めていたのかもしれない)
昨年のききのクロアカ脱の症状を見ていたので、クロアカだ!と瞬間に思ってすぐに小梅を捕獲。お尻を見ると小指の先ほどのピカピカのモノがデップリと肛門から出ていた。
お腹の中の壁が出てきているのだとすぐわかった。ききのときより大きかったように思う。
すぐさま片手で綿棒を取り出し水でしめらせてから、小梅の肛門にクイクイっと押し込んでみた。
頭の羽をふくらませて瞳孔がキューっとなりながらも小梅は我慢してくれて、どうにかおさまった。
でもきっとまた出てきてしまうと思って、急いで鳥病院に電話。午後の診療は16時なので、16時に急遽予約を入れていただいた。
カゴにいると保温ができないからとプラケースを出してその中に小梅を入れようとしたら、小梅は嫌がってバタバタバタ!っと部屋を旋回した。
ああ体力がなくなっちゃう!と思って急いで落ち着けて捕獲して、お尻チェックしてからプラケースへ。
コタツ布団を少しあげて、プラケースを暖められるようにした。温度計も入れてまめにチェックして保温。
小梅は相当具合が悪いらしく、全身・・ホッペタの羽までもふくらませて目をとじていた。
小梅のカゴを見ると、うすい血の色の液体が4箇所くらいにたれていた。押し込んだ綿棒にも血がついていたから少し出血したみたいだ。噛んでしまったかもしれない・・。
これが最後の写真になっちゃった・・
出る時間になったのでプラケースにカイロを貼り付けてバックに入れて、急いで鳥病院へ。
途中の電車内でちょこちょこ温度を気にしながらバックをあけてのぞくと、小梅はしんどそうにエサ入れに止まって目をショボショボさせながらもこちらを見ている。
「がんばれ・・」何度も小梅に念じながら病院へ急いだ。
病院について受付で先に小梅を渡した。もうひっこんでいることを話して渡そうとしたとき、ケージ内にペッタリとした@が出てることに気がついた。
しばらくして診察室に呼ばれると、病院のプラケースに移された小梅がいた。
先生のお話によると、小梅のお尻からはまた出てしまっていたらしい(たぶん@のときに出てしまったんだと思う)。
また押し入れて、出てこないように少し肛門を縫いました・・と。
クロアカも一部でていたけれど、肛門から出ていたのは「卵管」で腫れていて、少し噛んでしまったらしく血豆のようなものができていたとのこと。。
タマゴのことを聞かれたので、タマゴはなかったこと、10月に2個生んでそれから反っても産まなかったことを話した。
すると、タマゴのせいで出てくる早期発見の「クロアカ脱」や「卵管脱」は直接死んでしまうようなことは少ないけれど、タマゴもないのに出てくるということは、体の内部に何か原因があると考えられる。内臓疾患をともなっているのでは と。
本鳥はなんかお腹の中が気持ち悪くって力んでしまって、卵管が出てしまったのではないか・・と。
だから今落ち着いても原因をとりのぞかなくてはならない。腫瘍などだった場合は卵管の摘出手術をするという説明だった。
手術のリスクについては、まだ元気な状態ならそれほど難しい手術ではないのだけれど、弱ってしまっているのにやらなければならなくなると少し難しいでしょうとのことだった。
肛門を縫っているので、@がちゃんと出せるか診たり、縫った糸が切れたりしないように最低でも4日間は入院が必要で小梅の場合はもう少しかかるかもしれないといわれた。
ただ、内臓疾患がある場合、急死することも多々あるとのこと・・。
それでも祈りながら入院の承諾書にサインをした。
プラケース越しの小梅に「小梅〜がんばるんだよ。迎えにくるからね」と言うと、ふいにボロボロと涙が出てきてしまった。
指を目の前に出しても、もう目があけられずにいるようだったので急にものすごく不安が頭をよぎったのだ。
先生によろしくお願いしますと言って、後ろ髪を引かれながらも家に帰った。
嫌な気持ちはしていたけど、それでもききのときは複雑骨折のときも、クロアカ脱の時も元気に帰ってきてきてくれたじゃないか!と自分を元気づけていた。
1週間入院か〜じゃあお迎えに行くときはいくらもっていけばいいかな・・なんて考えたりして。
きっと元気に帰ってくるよ。そう思うしかなかった。
家に帰るとききが鳴いていた。小梅の気配がないことに気がついていたのだ。
ききにも「小梅ちゃんはちょっと病気だから入院したからね。さみしいけど帰ってくるまでがまんしようね。」と言って聞かせ、その日は早めに寝かせた。
帰宅したダーリンに小梅の様子を話すと一緒に心配してくれた。
帰ってくることを信じて夜はいつもどおりに過ごした。
2007年1月20日
朝8時頃目が覚めたけれど、なんとなくだるくてそのまま布団でボ〜っとしていた。
するとまたウトウトし始めた9時。電話が鳴った。
実家の母ちゃんかな〜っと思ってねぼけつつ電話をとると男性の声。
「リトルバードですが・・」というとても小さいゆっくりとした声だった。先生の声だ!
そこでハ!っと目が覚めた。
「お預かりしていた小梅ちゃんですが・・大変残念なんですが・・今朝容態が急変しまして・・」といわれて頭が真っ白になった。
そのまま手が震えて、涙がボロボロととまらなくて「ウソ!」って電話口で言ってしまった。
そのあと先生が何て言ってたかわからなかったけれど、とにかく午後迎えに行きますありがとうございました ということだけ泣きながら告げて電話を切った。
ダーリンは昨夜居間のコタツで転寝したまま朝まで寝てしまっていたので、あたしはグジャグジャになりながらダーリンのところに行った。
あたしが号泣しているのを見て飛び起きたダーリンに「どうした?!」って言われて、あたしは「小梅ちゃんが死んじゃった・・・」とそのまま泣き崩れてしまった。
しばらく泣いて泣いて、少し落ち着くと・・午後お迎えに行くってとっさに言ってしまったけれど、やっぱり早く迎えに行ってあげなきゃ!と思い病院に電話。
今支度して出れば11:30までには車でも病院に行けるから。
(電車だと1時間だけど、あたしの体調や精神状態からダーリンに止められてしまったのだ。)
大急ぎで顔をあらって歯を磨いて服を着替え、ききとウサギたちを起こしてゴハンをあげ化粧もせずに出かけた。
車内でも涙がとまらなくって、小梅のことをずっと話していた。道がすいていたので11時すぎに病院最寄駅に到着。
駅前でダーリンには待っていてもらうことにして車から降りた。
すると・・車を降りた途端にパラパラパラ・・と雪が降ってきた。
今日は雪になるかもって天気予報も言ってたけれど、なんだか小梅が「待ってたよ」って言ってくれてるような気がした。
そして「千の風になって」の歌みたいだな・・と思った。
病院は土曜の午前中だったのでとても混みあっていた。
いつもは鳥飼いさん同士でおしゃべりしてたりするるのだけど、あたしが、来てすぐに涙がとまらなくなってしまったのでまわりもとてもシーンとしていた。
みんなみんな鳥を愛している方たちだから、「お迎えにきました」と受け付けで言ったあたしを察してくれたみたいだった。
診察室に呼ばれて中に入ると、そこには白い箱に入った小梅と、とても辛そうな顔をした先生がいた。
もうそれだけで涙と嗚咽がとまらなくなってしまった。
先生の話によると、昨夜呼吸が荒くなったものの処置がきいて一度は落ち着いたのだけれど、朝になってまた急に呼吸が荒くなってしまって・・そのまま息を引き取ってしまったとのこと。
原因までわかってあげられなくて本当にすみません・・と謝っていらした。
もともと小梅は鼻の穴が片方ふさがっているので、ちょっと飛び回るだけでハアハア言う子だった。
普通の子よりも呼吸が弱かったのだ。それも亡くなってしまった大きな原因かもしれない。
先生にはほんとによくしていただいたので、何度もお礼を言ってききがまたお世話になりますのでよろしくお願いしますと言って診察室をあとにした。
廊下の先のトイレの前で、小梅の入った箱をそうっと開けて・・もう涙がとまらなくてまた号泣した。
ちゃんと病院のスタッフがティッシュでマクラやお布団を作って寝かせてくれていたのだ。
昨日のあのプラケース越しが最後だったなんて・・膨らんだあの姿を何度も思い返していた。
会計を済ませると、受付の女性もとても辛そうに丁寧に深ぶかとおじぎをしてくださった。
病院を出るともう雪はやんでいた。帽子を深くかぶってダーリンの待つ駅前へ。
車に乗るとまた涙がとまらなかった。
ずっとずっと小梅のことをなでていた。あの姿かわいかったよね さくらのこと大好きだったよねなんて話しながら。
小梅は苦しかっただろうに、とても安らかないいお顔をして眠っていた。
閉じた赤いおめめは、もうあたしを見つめることはいないんだと思うとほんとうに寂しかった。
帰って駐車場に車をとめてから、花屋さんにお花を買いに行った。
ピンクのスプレーカーネーション。あたしのお小遣いで買った。
最後にこの子に買ってあげられるものなんてこの花くらいだものね・・☆
家に帰ってききに会わせると、ききは見ないふりをした。完全に無視をする。
目の前に連れて行って「ホラ小梅ちゃんだよ。もうじきお別れだよ」って言うと、2度目にはギャギャ!っと怒って小梅の足を噛んだ。
あんなに小梅のことが大好きだったのに、魂が抜けてしまうとわからなくなるのかな、それとも小梅が死んじゃったこと認めたくなかったのかもしれない。
小梅を箱から出して手の平に乗せると、指にとまっていた時よりもずっとずっと軽く感じた。こんなに小さかったんだね。
頭の筆毛が3本ほどあったので、それをほぐしてあげた。元気な頃は絶対触らせてくれなかったよね。
くちばしの脇には、昨日の朝小松菜を食べたあとが緑色に染まっていた。かわいい子供みたいな顔。
何度も何度もなでては涙がこみ上げてきて、何度もチュウして頬ずりして・・手放せなかった。
ダーリンが眠くなったと言ってコタツで寝ている間も、あたしの涙はとまることがなかった。
夕方には白い箱に寝かせて小梅のまわりにお花の部分だけを切って入れた。
お花にかこまれた小梅は、白雪姫みたいだったよ。とってもかわいい。
小梅が落ち着けるようにと、ききの隣のいつものカゴに止まり木を2本低い位置に渡して、その上に箱を置いた。
ききは不思議そうに小梅のカゴをのぞいては首をかしげて呼び鳴きをしていた。
そしてしばらくは、いつものように過ごした。食欲はなかったけれどゴハンを食べて、テレビを見て。
小梅に「あたしのおうちに帰ってきた☆」って安心してほしかったんだ。
でもね、ききがすごくさみしそうに呼び鳴きをしている。大声を急に出す。
あたしが仕事で留守のときも、毎日一緒に隣同士でいたんだもんね。
小梅のこと大好きだったもんね。さみしいね。ききちゃん。
夜、ききを寝かせる時は、小梅の棺を出してカゴだけいつものようにききのカゴと並べて寝室で寝かせた。
小梅はさくらとジャムの祭壇の上に置いておいた。
でもちょっと用事があって寝室に行くと・・いつものように鳥カゴ2つに布がかかっていて・・まるで死んでしまったのが夢みたいな・・まだそこで小梅がウトウトしているような錯覚を覚えた。悲しい。
ダーリンはまた夜コタツで寝ていたので、あたしは静かに小梅をつれて寝室へ。
今日はマクラもとの棚に小梅を寝かせて、一晩中明かりを灯しておこうと思ったのだ。
でもぜんぜん眠れなくって、ぼ〜っとしては小梅をなでてチュウをしていた。
時折聞こえてくるききの足音や寝言がとても安らかな気持ちにさせてくれた。
2007年1月21日
朝ものすごく早く目が覚めてしまった。見ていた夢は出産の楽しい夢で、小梅を見て現実に気がついたらますます悲しくなってしまった。
小梅を白い箱から出して、ベットの上で手のひらにのせてなでたり、チュウをしたりして長いことすごした。
もう起きようね〜って声をかけて居間へ。
それでもまたしばらくコタツに入りながら泣きながらナデナデしていた。
しばらくするとききを起こして、また小梅をカゴの中に寝かせ、いつもの朝と同じような午前。
午後になって小梅を埋葬するプランターを買いにでかけた。
ここに行こうと決めて最初に行った店でかわいい白い鳥さんのプランンターをみつけた。
すぐにコレに決めて、小鳥のピックも一緒に買った。
帰ってしばらく居間で休んで、昼食を食べてなかったので少し食べるとダーリンは眠くなってしまったらしくすぐにコタツで転寝を始めた。
何時に起きる?と聞くと18:30か19:00だというので、それまで寝かせてあたしは小梅を送るための準備をしていた。
白い鳥のプランターは目が黒かったので、アクリルペイントで白く塗りつぶしてからきれいな赤い目に変えた。
小梅のカゴの表札。茶色の木の小鳥がはってあったけど、これもアクリルペイントで何度も白く重ね塗りをして小梅にした。
もともとついていたお名前の下に、小梅が生きた年数を入れた。 2001年3月から2007年1月20日まで・・5年と10ヶ月。
短いよ。短すぎるよね。13歳とかってインコちゃんもいるのに・・。3月で6歳になるハズだったのにね☆
小鳥のピックも白く塗って目を赤くした。何度も重ね塗りをして心をこめて作った。
ついでにききの表札も黄色い小鳥に変えた。どうかききはこれを墓標になんてしないで健康で長生きしますようにと祈りをこめて。
途中18:30になったのでダーリンを起こしたけれど、返事はするものの寝ぼけて起きない。そのあとも5分ごとに声をかけるけれど、起きない。
19時になっても一向に起きる気配がない。普段ならともかく、今日は大切な日なのに・・・。
あたしが悲しい気持ちで準備している間、大きなイビキをかいて口開けて寝てるだけでもいい気持ちしなかったのに・・・そう思うと腹が立ってイライラした。
「なんで起きないの?!1人でお別れしちゃうよ!」と怒鳴ると、逆ギレして起きてきた。
起こし方が悪いとか言い方が悪いとか言ってムスっとしている。
そういうことじゃないでしょ?いつもとは今日は違うでしょ?! とてもガッカリした。
そのまま無言でいた。 しばらくは小梅ちゃんをカゴから出して手の平に乗せてナデたり、ホッペタをカキカキしたりしていた。
だってもうすぐお別れだから・・。もうこの姿に触れることが出来なくなっちゃうから。
しかしそんなあたしの横で、ダーリンはお笑い番組をつけ始めた。
なんでこんなときにお笑い番組なんて・・。あたしは見たってぜんぜん笑えないよ。
ダーリンが笑う声が聞こえてきて・・腹立だしさもピークになった。
ぜんぜん悲しくないなら、小梅とのお別れを惜しむ気持ちがないなら、小梅のこと大好きなあたしだけで送ってあげるからいい!って思った。
そして1人で小梅を寝室につれていって、プランターや土や手作りの小物を用意した。
それでもしばらく小梅をベットの上で抱きしめて、チュウして、頬ずりして、ナデナデをたくさんした。
小梅をあたしのマクラに寝かせて、プランターの底に網と土を少しひいた。
小梅を入れなくちゃいけなかったけれど・・とても踏ん切りがつかない。
マクラからダッコして小梅を見つめると・・・その愛らしさといとしさに手がとまってしまった。
何度チュウしてもなでても頬ずりしても、プランターに入れる勇気がもてなかった。
何度も何度も入れようとしては手が止まり、手が震え、抱きしめて泣いた。そんなことを何度も繰り返した。
ずいぶん時間がかかってから・・勇気をふりしぼって小梅をプランターの中に横たわらせた。
ほんとにほんとに最後なのだと思うと、この姿を焼き付けておかなくちゃと泣きながらじっと見つめた。
そうだ、この子はおとなしいくせして食いしん坊だったから、大好きなゴハンも一緒にいれてあげなくちゃ!と思ってたっぷりのゴハンを入れた。
いっぱい食べるんだよ って声をかけて。
土をかける瞬間。辛かった。手が震えてまわりにたくさんの土がこぼれてしまった。
1回1回土をかけるのがこんなに辛いだなんて・・・涙がボロボロボロボロこぼれて胸が苦しくて・・。
自分で埋葬するって初めてだった。こんなに辛いなんて・・。ウサギや猫は火葬場で・・・やっぱり辛かったけど、自分で埋めるのはこんなに勇気がいるんだね。
土をプランターいっぱいに入れて、そこにネームプレートを飾って後ろに小鳥ピックをたてた。
棺に入れていたピンクのカーネーションをプランターの上に置いた。
とってもきれいにかわいくできた。小梅ちゃん。あなたにできる最後のことだよ。
居間に戻って泣きながら小梅のカゴを開けて、中に小梅プランターを入れた。
ダーリンが話しかけてきたけれど、もうしゃべりたくなかった。
中に入れて、シードと水をいつもみたいにエサ入れに入れてセットした。
かわいいよ。小梅ちゃん。アナタはやっぱりかわいいね。
そしていい時間だったのでききと小梅のカゴを寝室へ。いつもと同じようにカゴに布をかけて寝かせた。
「おやちゅみ〜☆よく寝るんだよ〜。また明日ね☆」
ここでやっと少し心がおだやかになった。
いつもと同じ夜の光景。いつもと同じ「おやすみ」。3日前の夜もこうしていたんだっけ。
翌朝、またいつものように、「きっちゃんキョメちゃんおっはようしゃ〜ん♪朝ですよ〜♪」と起こす。
ノビ〜をしてくれるのはききしかいないけれど、それでも心が落ち着いた。
ダーリンが謝ってきた。配慮がなくてごめんなさいって。意地はっちゃった・・一緒に送らせてくださいって。
あのときすぐに謝って「一緒に送りたい」って言ってくれればよかったのに・・。
大切なあの日はあの一日しかなかった。謝ってももう戻らないもんね。
小梅との最後の思い出は、ちょっと苦いモノになってしまった。ごめんね小梅ちゃん。
小梅は「ま〜たケンカして〜」って思ってるかもしれないね。
埋葬してからはずいぶん気持ちは落ち着いておだやかか気持ちになれた。
ポーは相変わらずあたしを笑わしてくれてチュウをして甘えてくるし、小雪も部屋をクルクルとまわってかわいいポーズでなごませてくれる。
ききは・・・さみしいらしく、あれだけ続いていてどうやってもおさまらなかった発情が小梅の死からピタっととまった。
カゴから出してもまったく動かずにカゴ上でジーっとしているし、あたしがちょっと居間から出ると必死の呼び鳴き。
おかあしゃんはいなくなったりしないよ大丈夫だよって声をかけても心配そうなお顔。
今までは小梅があたしに対して呼び鳴きをして、それにききが反応するってくらいだったのにね。
あたしが居間にいても、小梅を呼ぶように急に大声で呼び鳴きをはじめる。
今までにはなかったことだった。
カゴの前を通ると、小梅がしてたみたいに、ききがカゴに張り付いて「おかあしゃん?」ってアピール。
ききが小梅化してるみたい。すっかり甘えん坊ちゃんになっている。
おかあしゃんの大事なききちゃん アンタは長生きしてくれないと困るよ☆彡
埋葬したあとインコ仲間のぎょっちゃんから桜の花がついたきれいな白とピンクの花かごが届いた。さくらと小梅みたい。
インコ仲間のレガシーさんからも白い鳥かごに入った白と赤の花が届いた。小梅とまっかなあのおめめみたいだね。
そしてインコ仲間みかんちゃんからは、ビーズの小梅ストラップが届いた。羽を広げて飛んでる姿。あんな風に今飛んでるかな?
幼馴染で昨年ポーの妹タビちゃんを亡くした友人Mもピンクと白の花束と差し入れにプリンをもってきてくれた。わざわざありがとう☆
BBSにもたくさんのメッセージをいただき、メールもたくさんいただきました。
あたしの体をみなさんとても心配してくださって、小梅のこと忘れないよって言ってくれました・・。
本当にみなさんありがとうございました。
こんなにたくさんのステキなお友達ができたのも、小梅のおかげです。
小梅に出会えなかったら出会えてなかったお友達。すごく大切なお友達です。
小梅ちゃんありがとう。
今年はあたし厄年で、お腹のべべちゃんも生まれる年。
ポーの膿瘍もあんまりよくないし、ききのクロアカと発情も心配だし、小雪の歯の心配もでてきたところだった。
何もなく健康だった小梅が、たった1羽でそういうよくないものを持って行ってくれたのかな・・・と思う。
1羽だけ健康だったから、みんなの看病とかで大変になるあたしを見ていたのかもしれない。
そして・・・闘病するとあたしの負担になると思ったのかもしれない。だからあんなにすぐに・・・。
だってほんとにあたしのこと大好きでいてくれた優しい子だったからね。
でもそんなこと気にしないでよかったのに・・一緒にいたかったよ。
ああやっぱりまた会いたいよ。
ほっぺにチュウしてくれたあのくすぐったいカンジ 忘れない。
あの真っ赤なおめめをキラキラさせてたうれしそうな笑顔忘れない。
いつかまた出会える日まで、ウサギのさくらとジャムと「白白白トリオ」になって待っていてね。
さくらの背中に乗って笑っている小梅が見えるよ。
大好きだったよ。
おかあしゃんの大事な大好きな小梅ちゃん☆彡
