分量9ページ 写真・武田花さん
「佐渡大遊覧」は『日日雑記』に書かれている花さんとの仕事。『日日雑記』とおなじような記述もある。 さて、1ページ目にはこんな文字がある。「歴史・文化・自然・味、さまざまな魅力に溢れた佐渡だが、島内各所に湯が湧くことは、意外に知られていない。夏とは全く違う表情の、初冬の佐渡で、温泉に泊まりながらの、武田母娘流遊覧の始まり始まり。」 写真のキャプションもすごい。「かつては茶室かなにかだったのだろうか、佐和町で見かけた古びた家屋。」 建物の土壁にはハートの大きな相合い傘が刻まれている。しのぶと、菅なんとか。 「旅館のおけさホールでは、佐渡おけさを一年中見られる」 花さんの写真はおもしろいし、味わいがあるのだけど。 百合子さんの文章も、史跡や観光名所、交通手段などを説明する旅行ガイドブック的文章がところどころ挿入されていて、ほかの文章とはちょっと印象がちがう。そういう個所や、百合子さんらしいなじみの、ボヤアっとしているけど、おかしみの漂う個所に出会うと、「わたしはやっぱり、百合子さんのふつうのエッセイが好きだなあ、百合子さんのエッセイは文学・文芸のものなんだなあ」と実感した。 『犬が星見た ロシア旅行』は自由にのびのびと書いたんだなあ、と。…そういえば、それが表れているような単行本未収録の「附記」が『犬が星見た』にはあるのだった。 いまのところ、旅行会社・代理店の雑誌に発表した百合子さんの文章はほかに知らない。 (2004/5/16) |