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2004/3/18加筆訂正
記憶の本棚
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萩谷朴『紫式部の蛇足貫之の勇み足』新潮選書、2000年3月発行
清水義範の『序文』(『蕎麦ときしめん』所収)みたいな自己顕示欲に満ちている(ように見える)記述はあるのだけど、刺激的でおもしろかった。とくに小説を書くことで藤原道長から、紀貫之や清少納言よりも高い地位を得て、家族(男性)を就職させた紫式部。日記のウソ。
初読2003年9月(up2003/10/22、加筆訂正10/25)


上橋菜穂子『神の守り人 来訪編』『神の守り人 帰還編』偕成社、2003年2月発行
『アースシーの風』と同じく、期待していたけど‥‥。初読2003年8月
上橋さんのこのシリーズでは
 『夢の守り人』  前2作の後日談的だが、印象が薄い。
 外伝『虚空の旅人』  色彩の表現や、女系社会の描き方には魅了されたが。

好きな作品
 第1作『精霊の守り人』 30代にして短槍というものの凄い遣い手で、彼女自身が武具そのもののような激しさ、強さをもつ人間という、ほかの作品に知らないヒロイン、バルサの颯爽とした登場。つぎつぎに描かれていく彼女の魅力と心の闇。この世界と重なるもう一つの世界、異界「ナユグ」の異常な風景にも惹かれた。
 続編『闇の守り人』 貧しく寒い故国でのバルサの過去が描かれている。地底で、ジグロを抱きしめる場面がいい。
 初期の作品ほど「素晴らしい」と絶賛してしまうのは、それまでに読んだことのない、文化人類学の知識を取り入れたファンタジーの世界に出会い、入っていって衝撃を受けたからだろうか。
 また、最後の、数十年後の場面は苦いが、『月の森に、カミよ眠れ』もよかった。二人が別れるシーンはとても切なかった。それがわずか数行の表現であったことに今おどろく。
(up2003/10/22、加筆訂正10/25)


ル=グウィン『ゲド戦記 アースシーの風』清水真砂子・訳 岩波書店 2003年3月発行
初読2003年8月


楊絳(Yang Jiang)『楊絳エッセイ集 お茶をどうぞ』中島みどり訳(平凡社)1998年7月発行
タイトルと、茶器の小さな写真によるシンプルな表紙に惹かれて開いた。結局はすこし読んだだけなのだけど、文革時代の研究者(著者は『ドン・キホーテ』を訳したそうである。ジェーン・オースティンについても書いている)の境遇、行なわれたことのひどさに驚いた。その苦難を著者はユーモアをもって耐えていたようだ。しなやかな強さに脱帽。
初読2003年8月(up2003/10/22、加筆訂正10/25)



斎藤美奈子『趣味は読書。』(平凡社)2003年1月発行
【感想】
『読書は踊る』の方がおもしろかった。初読2003年8月(up2003/10/22)


斎藤美奈子『読書は踊る タレント本から聖書まで。話題の本253冊の読み方・読まれ方』
(マガジンハウス)1998年10月発行
 初読2003年8月(up2003/10/22)


斎藤美奈子『文章読本さん江』(筑摩書房)2002年2月発行
 初読2003年7月(up2003/10/22)


斎藤美奈子『文壇アイドル論』(岩波書店)2002年6月発行
【感想】
俵万智の章がおもしろかった。初読2003年7月(up2003/10/22)


萱野葵『段ボールハウスガール』(新潮社)1999年7月発行
【感想】
ホームレスの生活を確立していくところがおもしろかった。気に入った。しかし、ゴミ焼却炉でのラストは、わたしには意味がわからなかった。これでは、読んだとは言えないかもしれない。
 もう一つの収録作品は、精神的な病気のウソがばれて生活保護をうち切られ、警察官受験合格を待つまで印象的で、読まされた。わたしはなぜ、善意の人をだましている主人公たちを「痛快だ」と喝采するのだろう。作者の罠にかかってしまったのは確かだ。萱野葵さんは設定やストーリーに趣向をこらしている、すぐれた小説家だと思う。
 初読2003年7月(up2003/10/22、加筆訂正10/25)


田辺聖子『夕ごはんたべた?』(新潮文庫)1979年3月発行
(単行本刊行1975年9月)
 初読2003年6月

李昂(Li Ang)『迷いの園』藤井省三・監修 櫻庭ゆみ子・訳
(国書刊行会)1999年3月発行
【感想】
『世界文学のフロンティア 2 愛のかたち』に収録されていた小説がよかったので、この作家の本を探した。現代中国文学のアンソロジーだったかに収録されていた『鹿城物語』のべつの短篇は好きになれなかったけれど、この作品は気に入った。それにしても、これくらいで<大胆な性描写>(解説)なら、わたしはこの本だけを抱きしめて生きていかなければならない(性描写は新聞連載された台湾で話題になったそうである)
 初読2003年6月(up2003/8/12、加筆訂正10/25)


川原泉『小人たちが騒ぐので』(白泉社文庫)2002年12月発行
 初読2003年6月


バーバラ・ホワイトヘッド『シャーロット・ブロンテと大好きなネル ある友情のものがたり』
中岡洋・監訳(開文社出版)2000年9月発行
  初読2003年5月(up2003/8/12、加筆訂正10/25)
  ほんの感想エミリーとブロンテ姉妹の本


『世界文学のフロンティア 2 愛のかたち』(岩波書店)1996年11月発行
【感想】
ドヴラートフの小説を読みたくて開いたが、収録されていたのは既読の「レーナ」。
 読んだ中では、アイザック・バシュヴィス・シンガー『幻影』、ドヴラフスカ・ウグレシッチ『君の登場人物を貸してくれ』、ジェイン・ボウズ『野外の一日』、タデウシュ・ルジェヴィッチ『なんてすてき』、グロリア・サワイ『私がイエス様と……』、李昂『色陽』(サーヤン。この響きもすてき)がよかった。どれも、名前をみたこともなかった作家たちだ。
 初読2003年5月(up2003/8/12、加筆訂正10/25)


セルゲイ・ドヴラートフ(Сергей Довлатов、Sergei Dovlatov)
『わが家の人々 −ドヴラートフ家年代記』

沼野充義・訳(成文社)1997年10月発行
【感想】
『かばん』がよかったので探した。「レーナ −これは愛じゃない」の最後が印象的。ちなみに本のメインの邦題や、この章のサブタイトルは沼野さんがつけたそうだ。いいものだとは思うが、名前だけのシンプルなタイトル、その羅列にドヴラートフは意味を込めていたことだろう。『かばん』ともども、作中にはロシア語特有の響きと長さをもった人名が頻出する。単なる紹介なのだろうか。亡命して出てきて、おそらく二度と帰れない(のではないかと思う)故国と、そこの人々に対するなつかしさを、ドヴラートフは名前を綴るごとに感じていたのではないか。この想像は、感傷的に過ぎるだろうか。
   初読2003年5月(up2003/8/12、加筆訂正10/25)


柳五郎・編著『エミリ・ブロンテ論』(開文社出版)1998年10月発行
  初読2003年5月(up2003/8/12、加筆訂正10/25)
  ほんの感想エミリーとブロンテ姉妹の本


キャサリン・フランク『エミリー・ブロンテ その魂は荒野に舞う』
植松みどり・訳 (河出書房新社)1992年4月発行
  初読2003年5月
  ほんの感想エミリーとブロンテ姉妹の本 (2004/3/17加筆訂正)


E・L・カニグズバーグ『ジョコンダ夫人の肖像』松永ふみ子・訳
(岩波書店)初版1975年12月発行
【感想】
『クローディアの秘密』がおもしろかったので手に取った。『モナ・リザ』の誕生が扱われている。わたしは学校でレオナルド・ダ・ヴィンチの絵のスライドを見て以来、また、イタリア旅行で少し作品やポストカード(女性の顔の素描がすばらしい!)を見て、あらためて彼の性格が気になっていた。そのため、「やっぱり!」とか「そうかあ」と感心させられながら読んだ。平易な文章だし、厚くない児童書なのだけれど、大人向けの作品と変わらない読み応え。
 ちなみに、2001年9月から2002年4月まで日本で公開された『白貂を抱く貴婦人』のチェチリアも登場する。
 奥付は『ジョコンダ婦人の肖像』。誤記か。
 初読2003年4月。(up2003/8/12、訂正8/16、加筆訂正10/25)


L・M・モンゴメリ著『完全版 赤毛のアン』
W・E・バリー、M・A・ドゥーディー、M・E・D・ジョーンズ編

山本史郎・訳(原書房)1999年11月発行
初読2003年4月(up2003/8/12)
参考『赤毛のアン』松本侑子・訳


セルゲイ・ドヴラートフ(Сергей Довлатов、Sergei Dovlatov)
『かばん』

ペトロフ=守屋愛・訳、沼野充義・解説、塩井浩平・装画、山田英春・装幀
(成文社)2001年12月発行
【感想】
シンプルな題と表紙に惹かれて手に取った。作者はアメリカやロシアでもちょっと有名らしいのだが、知らなかった。残念なことに若くして亡くなってしまったという。同じロシアはドストエフスキーの『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』とはまったくちがう、シンプルでごく短い文章。コミカルな描写。その一文一文には、鋭い意見が表現されているように思った。
 初読2003年4月(up2003/8/12、加筆訂正10/25)


ジル・バークレム絵・文『のばらの村 四季物語』岸田衿子・訳
(講談社)1995年4月発行
【感想】
このシリーズはこれまでに見たことあるような気もするし、そうでない気もする。既刊本が4つまとめられている。作者による製作の話も収録されている。そのなかでは引っ越ししても同じに整えたという、木の実や葉っぱが棚や机にたくさんある写真がよかった。
 また、特権階級(もりねずみ男爵だったかな?)には、責任・義務があるという話も印象に残った。作品をあらためて見てみると、富裕な男爵の一人娘プリムローズと、ウィルフレッドたちの兄弟の部屋はまったく違う。でも、どちらもほほえましく、かわいらしい。
 初読2003年4月(up2003/8/12,加筆訂正8/15、10/25)


『オースティン『レイディ・スーザン』 ――書簡体小説の悪女をめぐって――』
Jane Austen、惣谷美智子訳・著(英宝社)1995年印刷
 初読2003年4月上旬

川原泉『メイプル戦記』第1巻・第2巻(白泉社文庫)1999年6月、9月発行
 初読2003年春

村田喜代子『耳納山交歓』(講談社)1991年6月第1刷発行
 初読2003年2月くらい

『伊藤比呂美+枝元なほみ なにたべた?』 (マガジンハウス)1999年10月第1刷発行
 初読2003年1月

村田喜代子『お化けだぞう』(潮出版社)1997年6月発行
【感想】
毛利一枝さんの装画もいい。一時期、カバーをカラーコピーして持ち歩いていた。(2003/8/15up、加筆訂正10/25)

村田喜代子『硫黄谷心中』(講談社)1996年11月第1刷発行
 初読2002年3月くらい

エミリ・ジェイン・ブロンテ  Emily Jane Brontë(Bronte)『嵐が丘』
田中西二郎訳(新潮文庫)
  初読1990年代後半。再読2002年3月くらい(感想2003/10/25)
  ほんの感想エミリーとブロンテ姉妹の本


須賀敦子『遠い朝の本たち』『ユルスナールの靴』(ちくま文庫、河出文庫)
 初読2002年? (2004/1/19up)

清水義範『蕎麦ときしめん』(講談社)1986年11月初版発行
 初読2001年

村田喜代子『名文を書かない文章講座』(葦書房)2000年7月第1刷発行
 初読2001年6月

村田喜代子『台所半球より』(講談社)1993年9月第1刷発行
 初読2001年6月くらい

ジェーン・オースティン(Jane Austen)『ノーサンガー・アベイ』中尾真理・訳(キネマ旬報社)1997年10月初版発行

アイリーン・ベッカーマン『あのときわたしが着ていた服』河野万里子訳
(飛鳥新社)1997年10月第1刷発行

五味太郎『さる・るるる one more』(絵本館)1991年9月初版

永瀬清子『あけがたにくる人よ』(思潮社)1987年6月初版第1刷
 初読2000年

Jane Austen『サンディントン ジェイン・オースティン作品集』
都留信夫監訳(鷹書房弓プレス)1997年11月初版発行
 初読2000年(up2003/10/25)

Jane Austen『美しきカサンドラ ジェイン・オースティン初期作品集』
都留信夫監訳(鷹書房弓プレス)1996年7月初版発行
 初読2000年

アーシュラ・K・ル=グウィン『ゲド戦記第1巻 影との戦い』 
清水真砂子・訳(岩波書店)
初読2000年8月(2003/10/25up)

川原泉『甲子園の空に笑え!』(白泉社文庫)1995年3月発行

ヴァージニア・ウルフ『オーランドー』杉山洋子・訳(ちくま文庫)1998年10月第一刷発行
 初読1990年代後半(up2003.8.12)

川上弘美『神様』(中央公論社)1998年9月初版発行

L・M・モンゴメリ『赤毛のアン』松本侑子・訳
牧野鈴子・装画 中島かほる・装幀
 (集英社)1993年4月第1刷発行
 初読1998年7月くらい
集英社文庫 2000年5月発行
 初読1998年5月(up2003.8.12)

水木しげる『ねぼけ人生』(ちくま文庫)1986年2月第1刷発行
【感想】
『水木しげるのラバウル戦記』と重なる部分もあるけど、おもしろい。ほかの人にはボーっとして見えるところと、現実を見る眼の確かさが印象的。初読1998年5月(感想2003/10/25)

澁澤龍彦『滞欧日記』巖谷國士 編(河出書房新社)1993年2月初版発行

工藤直子、長新太・絵『きみとぼくの本 ともだちは海のにおい』
(理論社)1984年初版
 
工藤直子、佐野洋子・絵
『詩の散歩道――工藤直子少年詩集 てつがくのライオン』
(理論社)1982年初版

ジェーン・オースティン(Jane Austen)『自負と偏見』中野好夫訳(新潮文庫)1997年7月発行(単行本は1963年刊らしい)

竹西寛子『詞花断章』(朝日新聞社)1994年12月第1刷発行
 初読1995年

荻原規子『空色勾玉』(福武書店)1988年8月発行
【感想】
評判も作者の名前も知らなかったし、たまたま開いたのだった。日本のファンタジーにこんなすぐれた作品があるのかと驚いた。上代を舞台にした小説は唯一、田辺聖子さんの『隼別王子の叛乱』を知っていて、愛好していた(後年読んだ氷室冴子『ヤマトタケル』は書きたいことと文章が乖離しているようで良くなかった)。それとはちがう感じだったけど、魅了された。一般的にいって、少女、とくに十代向けの内容、ディテールだろうか?
 その後は本作より、続編『白鳥異伝』のほうが好きになった。雪の降りそうな灰色の雲の空をみると、小倶那が背中に大きな白い鳥の羽根をつけて甦る場面を連想した。
 三部作最後の『薄紅天女』はすこし読んだだけ。『更級日記』で「あづま路(じ)の道の果てよりも、なほ奥つ方」(日本古典集成)の、上総国から都へ帰る少女、菅原孝標女が「蘆荻のみ高く生ひ」た武蔵国で聞いた伝説であり、ある種の人(わたしを含む)にはなにか忘れられない伝承「竹芝寺」の縁起が下敷きになっているようだが、ヒロインの設定と結末に新鮮さを感じなかった。
 『更級日記』のことも書きたい。わたしは子どものころ、マンガで読んで、「本を読む子は幸福になれないのではないか」と不安になった。以来、『更級日記』は気になる存在になった。そのため高校時代、唯一全編読んだ古典だ。もちろん、そのころの自分への自信や肯定のなさの現れだったのだろう。
 初読1994年くらい(up2003/10/25、2004/3/17加筆訂正)


水木しげる『水木しげるのラバウル戦記』(筑摩書房)1994年7月刊行
【感想】
この数年前にも、同じような内容・挿絵で子ども向けの本を読んだ気がする。初読1994年(2004/3/18修正、up2003/10/25)

ひこ・田中『カレンダー』(福武書店)1992年2月初版発行
【感想】
すばらしい作品。大学の文学部の教授は知らなかったけど。20歳前後に再読したとき、翼ちゃんがテープに録音して語りかける「二十歳の翼クン」に自分があまりにも程遠いのでショックを受けた。(2004/3/18修正、2003/10/25up)


L・M・モンゴメリ『青い城』谷口由美子・訳(篠崎書林)1983年11月初版発行
(up2003.8.13、加筆訂正10/25)



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