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ヴェネツィアからフィレンツェに入る前の山がすばらしかった。 丘のミケランジェロ広場から見た町並みに感動。憧れていたから、というより、美しかったのだ。光を浴びたオレンジ色の街。 日本人が店長をしているらしい日本料理屋で昼食。お味噌汁がスープのように出て来る。ツアーの人の中に、トイレのドアが開かなくて出られなくなる人発生。 ホテルはサンタ・クローチェ教会近くの川に面したホテル。対岸には石造りの門の遺跡のようなものが見える。日本とは違う、と思った。でも、丘陵と川の感じは群馬県安中市の碓氷川みたいでもある。 シニョリーア広場 黄色っぽい石壁に沿っていく。そばを車がすごい勢いでいく。車の入れない古都ではなかったのか。 ミケランジェロの白いダヴィデ像は暗い青年。ほかの、略奪とかの派手な彫像に比べると、存在感もあまりない。 サヴォナローラの焚刑場所を聞いた。石畳にしるしがあった。広場は思っていたより狭かった。こんなところで処刑されたのか。 レオナルド・ダ・ヴィンチが首つりの処刑をスケッチしたヴェッキオ宮殿も思っていたより低かった。よく、見えたのかもしれない。 花の大聖堂(Duomo) 初めて見たパオロ・ウッチェロの馬の絵に感動。 翌日、ひとりで来た。今度は地下の遺跡に降りてみた。うろうろしたが、感銘はうけなかった。お金払うんでなかった。 ところが、ショップの近くの穴になにげなく寄ったら、石があった。それが、フィレンツェで尊敬するようになったブルネッレスキのお墓であった。これはお金を払わなくても見られた。 ブルネッレスキのことは、ドゥオモのクーポラや、サンタ・クローチェ教会のパッツィ礼拝堂(翌日)を見て、尊敬した。学校でスライドを見ていた時は、わからなかった。 ウフィッツィ美術館 最初のほう(窓際の角だったかも)にかかっていた絵。上には馬小屋と聖母子(もちろんヨゼフもいたのだろうが)、下にはロバに乗ってエジプトに逃れる家族などの小絵。 やさしい目をした茶色い牛もいたけど、どちらにも、青っぽいロバがいた。きっと、同じロバなのだ。そして、けっこうな大きな絵で、いろいろ描かれていたのだけど、このロバがいちばん魅力的だった。 ウフィツィ美術館には2回入った。最初はツアーで、つぎは自分で。そのときに、この絵に気づいた。ロバが可愛くてずいぶん眺めていた。いまみると、ジェンテーレ・ダ・ファブリアーノの『マギの礼拝』かもしれない。 最初の時は、パオロ・ウッチェロの馬の絵(本当は戦争の絵。にも関わらず、色彩豊かで装飾的、優雅だし、音の聞こえてこないような絵だった)、ピエロ・デラ・フランチェスカ(ほんとうに夫人の方は死者の顔かもしれない)とか、ボッティチェリとか、フィリッポ・リッピの「聖母子像」などとか、授業で見ていたなつかしいネーデルラントの絵( )とか、有名で画集でも見たことのある絵ばかり目がいっていた。そもそも、ガイドに案内され、とーっても忙しかった。 (「ヴィーナスの誕生」も「春 プリマベーラ」も、あっさりと淡泊に見えた。部屋に貼っている「春」の等身大の部分(三美神)のほうがずっと魅力あった) 結局、閉館になって全部の部屋は見られなかった。 この2回目のことで覚えているのは、ルーカス・クラーナハ(クラナッハ)の「イヴ」(エヴァ)。クラナーハの絵があるとは思わなかった(調べていかなかった)からだけでなく、噂にたがわない肌の質感に仰天した。あんなにきれいな肌の絵を見たことがなかった。なめらか、というだけではない。技術のすばらしさを感じた。 その向かいに、ブリューゲルの「イヴ」があった。こちらは対照的に、まじめ、厳か、品行方正に見えた。 ウフィッツィ美術館は入館料を払った後、階段を上って展示室にいく。その上り口に、白い石でできた犬がいた。けっこう大きい。オオカミにも見えた。近くにいた若い女性の係員に筆談してみた。でも、英語は通じないようだった。イタリア語の辞書で、犬の項を差してみた。犬らしかった。この犬も魅力的だった。 でも、ポストカードもグッズもなかった。というか、イタリアは日本ほど、ミュージアム・グッズが無いようであった。“ハムの柱”(美しいバラ色の大理石の柱がわたしにはそう見えた)ヴァチカン(美術館・ピナコテカ、システィーナ礼拝堂)など、法王のグッズや数珠などが売られており、宗教施設の印象であった。もしかしたら、日本のはアメリカの美術館の影響なのかもしれない(行ったことはないが)。 ウフィッツィ美術館は廊下の天井画も有名らしい。ミュージアム・グッズが売られていて気づいた。しかし私が気に入った天井画は商品になかった。それはたしか角の天井で、鳥かごが描かれていた。あるいは、(こんなあいまいでは恥ずかしいけれど)、木々が描かれていた。生き生きしていてよかった。 レオナルド・ダ・ヴィンチは、たしかに弟子時代の天使はすばらしい。受胎告知は理知的だ。でも、ミラノの素描や、ヴァチカンのピナコテカ、学校で見たスライドのがよかった。冷たくて、リアルで、厳しい現実をしっかり見ている(ルーベンスだったか、ベラスケスだったかの模写で残っている戦争の兵士の恐ろしい顔)。不思議がり屋。水の渦巻きや、植物の丹念な素描。でも、最期まで所持していた「モナリザ」や、少年の絵など、内奥では神秘的なものにも惹かれているレオナルド。 |