平成16年3月13日

 以前から『ときじ氏』とは、彼のHP上で「原付U種同士でツーリングへ行こう」ということで、この度やっと日程が合い、『ときじ氏のカブ号』と『僕のKSR号』とで走ることになりました。『ときじ氏』は他に『インプレッサ号』と『ゴリラ号』を所有していて、四輪二輪共に造詣の深い人です。過去の所有車歴も多彩で、僕が採用候補としていたXR−BAJA,レイド,ジェベル,ゴリラ等のインプレッションや助言等を頂いたりしていました。

 5時30分、『ときじ氏』からの出発メールで目覚める。前夜は久しぶりにツーリングで編隊を組める嬉しさで眠れず、寝不足です。
 外の冷たい空気で深呼吸をすると、重い体は徐々に目覚めてゆく。早朝のまだ薄暗い空は、今日の走りへの期待を裏切らない空模様を告げているように見える。
 トーストとスープの簡単な朝食を済ませ、『KSR号』を軒下から『テリオス号』の前に出して暖機運転を開始、着替えて装備を背負った頃には、ストトトトト!と軽快な排気音を奏でています。

 6時35分、『ときじ氏』との合流地点である梅ケ谷峠吉野街道口に向かって出発、友田で多摩川を渡り、吉野街道を長淵、駒木町、畑中と順調に走り、梅ケ谷峠入口に到着。一服していると間もなく『ときじ氏&カブ号』が梅ヶ谷峠方面から「ブィィィンンッ」と下ってまいりました。

梅ヶ谷峠入口にて合流

 去年の丹沢オフ会以来、3ヶ月ぶりの再会です。挨拶もそこそこに、とりあえず暖かいコーヒーの飲める場所へということで、早速出発。『ときじ氏&カブ号』に先導をお願いし、『ver,34(僕)&KSR号』が続きます。

 神代橋を渡り日向和田駅前を左折、青梅街道に入る。前を走る『カブ号』は左寄り、後を走る『KSR号』は右寄りの千鳥編隊で、朝の快適な山間の道を二台は軽快に走ります。『ときじ氏』とのツーリングは今回が初めてですが、その走りは実にスムーズで後続の『KSR号』を確認しながら、ゆとりをもっての先導です。四輪&ミニ〜ビック二輪を操る巧みさは『カブ号』であっても、後姿から伝わってきます。さらにカメラを後ろに向けて走りながら撮影するという奥義?も披露!恐るべし『ときじ氏&カブ号』。

 古里の7・11で休憩し、食料を仕入れ、缶コーヒーで暖をとります。互いのバイクを品評したりしながらのんびりと話しが弾みます。

古里の7・11

 休憩の後、青梅街道を西に進み、日原街道に入ります。原付U種の快適なペースで二台は砕石場の石灰の露出した山肌を望みながら、奥へと進みます。

日原街道

鍾乳洞入り口付近では巨大な岩肌を仰ぎながら、自然の造詣に畏敬の念を抱きます。崩れてきたら、防護壁など効果は無きに等しいでしょう。

鍾乳洞入口

 小川谷林道に入ると、片足出してドリドリ!という訳もなく、尖った岩を避け坦々と確実に走ります。「よかったらお先へどうぞ」と『ときじ氏』。「いえいえ調度いいペースです」ということで上下左右に小刻みに跳ねながらときにはスタンディングしたりでゆっくりと進みます。KSRの小径タイヤでヘタに石コロを踏むと車体ごと飛んでしまうので、壊さぬよう慎重に。いい大人が凸凹道を遊びで原付を駆る光景というものは、いかがなものでしょうか(笑)。

崖崩れ→でも進む

 数ヶ所の崖崩れ痕を慎重に通過し、林道入口から6キロ程行ったところで開けた分岐点に出ます。ときじ氏が登山用コンロで湯を沸かしてくれ、コーヒーを御馳走になります。山で飲むとインスタントとはいえけっこういけます!日常を下界に置いて、解き放たれた男二人の語らいは、いいものです。

ちょっと小休止

 分岐の右はゲート封鎖されているので左に進むと道は崖崩れで無くなっていました。やむなくUターンすることに。途中、『ときじ氏』が10代の頃に極寒キャンプをしたという場所でときじ氏の記念写真を撮り、上下左右に小刻みに跳ねながら林道を下ります。

崖崩れ→問題なし

 日原林道に入ると、路面は石灰質の泥濘となり、みるみる車体が汚れてきました。右手の川向いに採掘場が現われ、山肌をくり貫いたトンネルのある構内が望めます。まるで秘密基地のようにも見える構内に興味津々ですが入り口は固く閉ざされていました。更に奥へと進み、林道入口から8キロ程入ったところでコンクリートの土留めで囲われた終点に到達しました。

日原林道終点

 いよいよ鍋焼きうどんタイムです。ときじ氏は先程とは違うコンロを取りだしました。おおっ、なんと憧れのオプティマス8Rではないですか!タンクに白ガソリンを注入→チューブ燃料でプレヒート→着火!ゴオオッと頼もしい燃焼音です。しばし観察の後、僕もイワタニプリムス2253BRUNOをガスボンベに装着し、鍋焼きチャンポンに水を入れ加熱開始!合間におにぎりを頬張ります。二人とも『鍋焼き』の調理が完了し熱々の麺をすすります。極めて簡素ながら実に贅沢な昼食です。時々、斜面を石コロが崩れてくるので、少々ビクビクしていましたが。

スタンディング

 林道を後にし、吊橋を見学したりしながら、日原街道を下ります。

吊橋の向こうに岩登りの人が

 氷川でガソリンを給油、青梅街道を西に向います。奥多摩湖畔の駐車場で小休止。互いの愛機を見れば、下回りを中心に白くドロドロになっています。「林道を走って来ました」と言わんばかりの汚れ具合は乗り手の物好きさを象徴しているようです(笑)。駐車場内でバッチイのはこの二台だけ(笑)。辺りのバイクを品評したりしながら話しが弾みます。

大麦代の駐車場

 ここでちょっとバイクを交換してみることにしました。カブ号で走り出すと乗り心地の良さにまず驚きます。安定性もよく、さすがに郵便や新聞配達で鍛えたロングセラーのビジバイなだけのことはあると感心しました。面白くて少々はしゃいでしまいます。ウインカーが左右に動かない?ん?何故だぁー?と躊躇していたら、『ときじ氏』が来て「ウィンカーは上下です」とのこと(笑)。シフトダウンのショックが恐くて速度が落ちても3速走行!自動遠心クラッチ楽〜。怠け走行で走っていると後からGT−Rが迫って来ました。「うおおっ」。しかし煽ってくることもなく、ドライバーは笑っているではないですか。リアボックス付きのカブでオフヘルを被りリュックを背負った光景が可笑しかったのかも知れません(ときじ氏は笑っていました)。深山の駐車場で小休止。乗り比べの感想で話しが盛上ります。

 さて、ここからが今回の原付U種オンロード編の序章となります。R139の適度なアップダウンとカーブを安全にそしてスピードを保ちながら、非力なエンジンと軽量な車体を生かす走りに徐々に集中してゆきます。小菅村役場前→小菅の湯下を通過し、登り勾配もカーブの曲率も段々ときつくなってきました。凍結対策で路面に散布された砂に注意しながら、なんださかこんなさかと二台は登ってゆきます。コーナリング&立ちあがり&ストレートも速度にあまり変化がありません(笑)。『KSR号』は3速で失速、2速だと過回転!となり、標高も上がり、「機関出力低下ぁ、されど走行に支障なしぃ!」とエンジンが告げています。前走の『ときじ氏』は『カブ号』の車体を前後に揺すっています(笑)。

松姫峠

 松姫峠で小休止。武田の松姫伝説や信長の野望等の歴史談議で盛上ります。

松姫峠伝説

 いよいよ原Uツアーの本編へ入ります。峠を後にし、ダウンヒルに突入です!二台は安全かつスムーズな走りに夢中になっていきます。『カブ号』の下りストレート→減速→コーナリング→立ち上がり→ストレートという一連の流れは実にいい感じです。コーナリング中の『カブ号』は時々路面のギャップでガリリッと擦るも人車共姿勢は安定しています。『カブ号』に先導され、僕の走りも徐々に昔の感覚が戻ってきました。路面に対して頭を水平にしたまま『KSR号』をバンクさせ先を見つめつつも路面状況を確認しながらマシンと一体になってコーナーを抜けてゆく快感。タイトな下りの切り返しが楽しくなってきました。登りの遅さがウソのように二台の『三十路後半原付U種乗り』はダウンヒルを疾駆してゆきます。過ぎ去った日々を取り戻すが如く?いや、これからの人生を攻める為に(笑)!

 R20で帰ってはもったいないということで、岩殿城址下を通り、大月市内を抜け、四日市場上野原線に入ります。「おおっこれがリニアモーターカーの軌道か!」「おおっ車両基地がある〜!」などと初めて走る道で次々に現れる見知らぬ光景が実に新鮮です。遅い四輪に前を阻まれペースが上げられないので、しばしの我慢走行(平坦部で速度を稼げずに登りで失速する)の後、前方がクリアとなってからは、原Uツアー本編最終章を飾るに相応しいセイフティー&スピーディーライディングに入ります。変化する路面状況、見通しのきかない左タイトカーブ、下りで入り登りで出る右高速コーナー、夕暮れの田舎道と小さな校舎、刻々と後ろにしながら二台の編隊はそれなりに場所に応じた走りをし、僕の心は小さなバイクを操る歓びに満ちてゆきます。

 夕暮れの虹の大橋を渡り、宮ヶ瀬湖畔の駐車場へ到着。ホットな缶コーヒーを飲みながら、今日の走りを振りかえります。心地よい疲れと節々の痛み(笑)を味わいながらの楽しいひととき。あっという間に日が落ち、闇に包まれてゆく。

宮ヶ瀬湖畔駐車場

 さて、そろそろ家族の待つ我が家へ帰らねばということで、キャンプツーリングでの再会を約束して出発することにします。交差点で手を振る『ときじ氏&カブ号』は橋本方面へ、速射ハイ,ロービーム(笑)で応える『ver.34&KSR号』は高尾方面へと流れ解散。

 途中で燃料を補給し、宮ヶ瀬湖から1時間程で無事帰宅しました。本日の走行距離225キロ,燃費は46キロ。原付バイクとしては実に走りがいのある楽しいツーリングとなりました。

 「ときじ氏&カブ号」ありがとう!

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