Version romanica

 ルーマニア語は1) 名詞や形容詞の格変化、2) 動詞の人称変化、3) 接続法の多用及び4) 複数個の後置冠詞等の4つの要因からロマンス諸語の中では最も難しいとされるラテン語の後に次ぐ難易度第二位の言語である。
 その他のロマンス諸語、即ちフランス語スペイン語ポルトガル語イタリア語及びラテン語の内の一つにでも精通している人はその言語とルーマニア語との間の語彙の類似性から上記の困難要因を克服することはさほど難しいとは思われない。
 格変化といってもドイツ語の4格、ラテン語やスラブ諸語(ブルガリア語を除く)7格ほどの格数はなく、原形である主格と異なる格は属格、与格という僅かの2格のみであり、しかも、これらの2格は互いに同形である。対格は"pe"という対格マーカーを前置付加するだけで、目的語その物の語尾変化はなく、主格と同形である。
 ギリシア語においては与格は対格に"σ(e)"((e)は脱落する場合多い)を接頭することにより作るため、事実上、対格と同形であり、原形の主格と異なるのは属格並びに与格/対格(相互同形)のみであり、結果的に都合3格ということになる。この格数だけによる難易度比較評価を「難」から「易」の順序でするとルーマニア語は下記の通りの位置を占める。( )内に難易度を山岳に例えて表示した:
1) ラテン語、スラブ諸語(エベレスト)
2) ドイツ語(モンブラン)
3) ギリシア語(富士山)
3) ルーマニア語(穂高)
4) 他のロマンス諸語、他のゲルマン諸語(裏山)
 実際にはどんなに複雑な言語でも毎日使用していれば、簡単であり、逆にどんなに単純な言語でもめったに使用しないと難しい。この事実を明確に示す英語の諺がある:"Use it or lose it"。

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