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三戦たちその後
417 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/09(日) 22:50:48 ID:ZpXUQAUsO
*工作室兼ガレージ

車種・メーカー「驚いた、ヒンジのトコからキレイに無くなってるナ」

車「分解したわけじゃないぜ。 きれいさっぱり消されたんだ」

車種・メーカー「おまえの話を信じるヨ。 ウチの学校にとんでもない奴が居たもんだ。
でもまぁこれなら…ドアが見つかればものの10分で直る」

車「実はもう見つけて来た」

ガタッ

車種メーカー「ナンだよ、用意がいいナ。 だけどおまえ体大丈夫なのか?」

車「アザが一つできただけだ。 三戦の方が辛いだろうな…」

418 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/09(日) 22:52:03 ID:ZpXUQAUsO
車「刃物に鍛えてもらった刀に、修業して身につけた剣技…まとめて打ち破られたんだ…」

*武道場

長刀「そんな事があったんだ…」

剣道「ああ。 あの三戦やアウトロー達が…まったく太刀打ちできなかったらしい」

長刀「やっと体が本調子に戻ったのにまた抗争が起きるのかしら?」

剣道「わからん、とにかく言えるのは警戒を怠らない事だ」

ガチャン

三戦「………」

剣道「あっ」

長刀「ちょっと三戦! 休んでなくていいの?」

三戦「……剣道、わたしの家が寄贈した物…今一度拝借する」

剣道「まさかアレを使うのか?」

419 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/09(日) 22:52:54 ID:ZpXUQAUsO
長刀「あの、話が見えないんだけど。 アレって何?」

剣道「三戦の家が曾祖父の代まで剣術道場をやっていたのは知っているだろ」

長刀「ええ」

剣道「この高校が開かれた折、三戦のお祖父さんが武道場に寄付してくれた物がある」

三戦「それがこれだ」

ゴトッ…!

長刀「これ武道場の看板…違う…木剣…!?」

三戦「かつて、我が家の道場であまたの剣士が鍛錬に使った物…」

剣道「だが、これ何`あると思ってるんだ。 俺でさえやっと持ち上げられる代物だぞ」

420 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/09(日) 22:54:08 ID:ZpXUQAUsO
長刀「あなたケガしてるんでしょ? それに相手はみんなで束になっても敵わななかった…
そんな物で鍛錬なんておかしいわよ!」

三戦「………」

長刀「ごめん…」

三戦「いや、いいのだ。 ありがとう長刀……
……武士道に於いて分別出来れば、はや後るるなり……」

長刀「どういう意味?」

三戦「"葉隠"の一節だ。 戦う前に勝ち負けを計算して行動を終わらせてしまう者は…
武士ではなく卑怯者だという意味…」

長刀「正気じゃない…よ」

三戦「正気にては大業ならず」

ガチャ…

三戦「…ごめんね」

ガチャン…


447 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/11(日) 20:22:54 ID:4gjsXDQ7O
*数日後・三戦家前

手品・曲芸「あのー…あたし休んだ三戦さんにプリント届けに来ただけなのに…」

車「いつの間にこんな大所帯になったんだ?」

長刀「気にしない!」

剣道「ここに来たのは久しぶりだな」

刃物「さすがに彼女がショックを受けてないか気になってな」

車種・メーカー「くくく、とどのつまり皆心配なんだヨ」

機械・工学「ボクは興味本位だけど、迷惑はかけないよ」

車「お節介焼きばっかだな、とにかく入るぞ。 おじゃまします」

ギギィィ〜……

バタンッ!

448 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/11(日) 20:24:40 ID:4gjsXDQ7O
「どういったご用件ですか?」

手品・曲芸「三戦さんのクラスメートなのですが…」

ずだぁぁん!

一同「!!」

「お嬢様のお友達ですか…お嬢様を止めて下さい!」

剣道「どういう事です?」

「数日前から無茶な鍛錬を繰り替えし、ついには我等の師範…
お嬢様のお父上と立ち会いをするように…師範代の業前を持つお嬢様とはいえ力の差は歴然」

長刀「三戦を止めよ!」
車「おう!」

*道場

三戦「ゲホッ…」

「師範、もうおやめ下さい!」

「もしお嬢様に何かあれば…」


父「ならん、痛くなければ覚えぬ」

449 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/11(日) 20:25:41 ID:4gjsXDQ7O
バタン!

車「三戦!」

三戦「車…」

父「誰だ?」

「お嬢様のクラスメートだそうです」

父「…興が冷めたわ。 その有様では秘剣伝授なぞままならぬ」

タンタンタン……

三戦「くっ…!」

バタッ

機械・工学「わっ! 倒れたよ!」

手品・曲芸「三戦さん…」

刃物「緊張の糸が切れたんだ」

「向こうの部屋が空いてます、どうぞ…」

車「すいません」



長刀「着替えするから男子は出てって」

機械・工学「ボク着物の着せ方わからないよ…」

ピシャン

男子「………」

450 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/11(日) 20:26:47 ID:4gjsXDQ7O
車種・メーカー「まいったナ…車」

刃物「あのオールバック長髪のおっさんが三戦さんの父親とはなぁ」

車「めちゃくちゃ強そうだった…いや、三戦があそこまでやられていたんだ。
強いんだろうな」

剣道「ああ…雰囲気からして違った。 あれはまさに剣鬼だ」

老人「おやおや、男4人が何をしとる」

車種・メーカー「このおじいさんはナンだ?」

刃物「さぁ?」

車「俺達、三戦の様子を見に来たんだ」

老人「ほう…あの子を」

剣道「三戦さんを知っている、あなたは?」

老人「なに…この家ゆかりの者じゃよ」

451 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/11(日) 20:28:27 ID:4gjsXDQ7O
刃物「そういえば三戦さんの父親は秘剣伝授って言ってたよな」

剣道「虎眼流の秘剣…流れ星」

老人「あの子の流れ星はまだ未完。 本人が一番わかっとるはずじゃ」

車「だから、父親と戦って技を完成させようとしていたのか…」

ススッー

手品・曲芸「終わったよ、今は寝てる」

長刀「あんた達誰と喋ってたの?」

刃物「ああ、このおじいさんと…あれ? 居ない!」

車種・メーカー「どうなってるんだ?」

剣道(気配ごと消えた…何者なんだ)

手品・曲芸「それはそうとどうしよう? プリントは渡したけど」

452 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/11(日) 20:29:40 ID:4gjsXDQ7O
機械・工学「車君は残るとして…」

車「なんでだよ」

機械・工学「サーキットでの事忘れた?」

車「う…///」

手品・曲芸「なら決を採ります。 残る人は手を上げてねっ」




刃物「結局全員残った件」

車種・メーカー「くくく、まったく俺達ときたら…」

長刀「いいんじゃない? 明日は休みだし」

剣道「そういう事。 車はどこだ?」

機械・工学「さ〜、どこかな?」



車(あのツナギ眼鏡め…無理矢理この部屋に押し込められたぜ…)

三戦「…すぅ……」

車「………」

453 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/11(日) 20:31:03 ID:4gjsXDQ7O
車「三戦…無茶しやがって…」

三戦「…すぅ」

車(腕はアザだらけ、手はマメが潰れてる。 ボロボロじゃないか)

三戦「………」

車「起こしちゃったか?」

三戦「いや、いい…それより」

すっく

車「また親父と戦うのか?」

三戦「時間が無い」

車「どうしてそこまでするんだ」

三戦「できる事ならわたしも続けたくない。 少なくとも1年前なら父と立ち合う事すらためらった…」

車「ならなおさら…」

三戦「もうみんなの苦しむ所を見たくないのだ…!」

454 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/11(日) 20:33:30 ID:4gjsXDQ7O
三戦「以前の部活抗争しかり、遊園地の一件もしかり。
酷い実害が出てる…今度はわたし達のクラス全体が狙われるかもしれない」

車「………」

三戦「わたし達の学校はわたし達で守らねばならない……」

ぎゅっ!

車「さ、三戦///」

三戦「今からもう一度父に立ち合いを挑む。
しばらくこのままで…心が折れてしまいそうだ…」

車「ああ…俺でよかったら」

三戦「ありがとう…車」

*中庭

父「そろそろ来ると思っていた」

三戦「父上、今一度立ち合いを」

父「剣を抜け…真剣だ」

455 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/11(日) 20:34:25 ID:4gjsXDQ7O
三戦「わかりました」

チキッ…シャ…

父「………」

カッ…ズズズズッ…

長刀「真剣での立ち合いなんて…」

車種・メーカー「車、止めなくていいのかヨ!」

車「俺は三戦を信じる。 サーキットで信じてくれたように」

父「菊一文字則宗…参る」

ズン…!

刃物「菊一文字則宗…大業物だ…」

三戦「銘こそありませんが…父上の刀には負けません!」

ザッ…!

手品・曲芸「もう止められない…」

機械・工学「三戦さん…」

父「おまえの無明逆流れ、すでに見切られている事を忘れるな」

456 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/11(日) 20:36:35 ID:4gjsXDQ7O
三戦(無明逆流れは迎撃用の技…さっきは父上の素早い鍔迫り合いに負けた。
受け太刀で勝ち目はない)

スッ…!

剣道(三戦から仕掛けた)

フッ! ヒュッ! フンッ!

長刀(お互いにギリギリのところでかわしてる…)

ザザッ…ドヒュッ!

三戦「……っ」

ブンッ! ザッ!

車種・メーカー「とんでもないスピードだ、目で追えないナ…」

車「………」

父「そうだ。 斬撃はぶつけずかわすもの…」

三戦(逆流れと同等以上の速さの攻め太刀…それが真の秘剣…)

父(三戦、その齢でここまでやれる事をわたしは誇りに思うぞ)

457 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/11(日) 20:37:50 ID:4gjsXDQ7O
父(しかしおまえは若すぎる。 無理なのだ…)

三戦(逆流れは縦軌道のでこぴんだった。 横軌道ならば…)

父(だが、さっきとは比べものにならないほどの気迫…見せてやろう…)

スススッ……


狂ほしく 血のごとき 月はのぼれり 秘めおきし 魔剣 いずこぞや


チャキッ!

一同「!!」

長刀「同じ構えだ…左手の指で刀身を挟み込んで…」



━━━*・゚゚・*・.。.:・*・゚゚・*・.。.:・*・゚。━━━



父「…………」

タンタンタン……

車「三戦っ!」

三戦「終わった。 秘剣流れ星…確かに受け取りました…」

458 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/11(日) 20:39:16 ID:4gjsXDQ7O
剣道「恐ろしい速さで剣先が交差したように見えた」

手品・曲芸「何が何やらさっぱり…」

車種・メーカー「ひとまずこれで一件落着だナ」

カチャッ

刃物「刃こぼれは無いな、打ち合ってないから当然だけど」

機械・工学「よくわかんないけど疲れたなぁ」

三戦「みんな遅くまでありがとう…」

車「気にするなよ、俺達友d(ry」

ゴッ!

車「いってぇ!」

車種・メーカー「くくく、友達? 笑わせるぜ」

機械・工学「今度それ言ったらこれで叩くよ」

車「もう叩かれてるっての…いてて」

剣道「それウチの看板!」

459 :抜いたら負けかなと思っている :2005/10/11(日) 20:42:14 ID:4gjsXDQ7O
手品・曲芸「柱みたいな木刀を片手で…」

機械・工学「ボク力持ちだから♪」

ぶんぶんっ

刃物「危ないからやめてくれぇ」

三戦「………///」
車「……う///」

車種・メーカー「まぁナンだ、仲良くナ」



ピキッ…パキンッ!

父「菊一文字が形無しです」

老人「三戦は良い友達に恵まれた」

父「まさか教えるでもなく流れ星を会得するとは思いもよりませんでした」

老人「あの子は物が違う、ワシらよりも血が濃いやもしれんな…」

父「そうですな、父上…」



三戦(アウトローの作戦とこの秘太刀で、みんなを守る…!)




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