| こんにちは、いかがお過ごしでしょうか。 イタリアは、今日の25日は解放記念日、5月1日はメーデー、と祭日続き。日本のゴールデン・ウィークほどではありませんが、ちょっとした飛び石連休です。既に夏の水不足が心配されるほどのお天気続きなこともあり、例年以上に「どこかへお出かけ」するイタリア人が多いようです。
大人と子ども
少し前のことです。こんなところで、危ないな、と思った矢先でした。ヴェネツィアではむしろ広いくらいの路地とはいえ、工事中で道の半分がふさがっている上、残りの半分は、すのこを渡した状態。そこで男の子が2人、ローラーブレードで遊んでいました。後ろから、ローラーブレードが追っかけてくる激しい音がしたと思った途端、ちょうど少し傾いた板の上を滑ったのでしょう、私の足元に向かって、1人ががしゃんと、勢いよく倒れてきたのです。
きゃ!痛いというよりは、びっくりして声を挙げた私。聞こえてきたのは、数メートル先の、やはり路上に椅子を置いて座っていたおばあさんの「大丈夫?」という声。いえ、私に向かって聞いているのではないのです。「ほんとに大丈夫なの!?アモーレ?」私の足元に滑り込んだ、自分の孫を心配して声をかけていたのでした。ちょっと・・・まずは私に大丈夫かと聞いて、子どもには「ごめんなさい」と言わせるのが礼儀ってものでは?促すように、じっとおばあさんを見つめてみたものの、全く気づきもしない。もちろん子どもも、何も言わずに立ち上がってさっさと行ってしまう。ほんとなら、私も一言言うべきなのだろうけど、まったくイタリア人はいつもこうなんだから、と少々あきれながら、その場を後にしました。
飛び石連休のスタートにあたる先週末、電車で遠出をしました。さすがに、満席以上の混雑、予約しておいてよかったとほっとしながら席に座ると、6人用コンパートメントに一緒に乗り混んできたのは、子ども連れのご家族。電車の中で一眠り、と目論んでいた私は、正直のところぎょっ。人数が多くて、2つのコンパートメントに分かれて乗ったようなのですが、よく見ると、大人2人に対し、小学校低学年から幼稚園未満まで、男の子が4人に女の子が2人もいる・・・。どうやら子供たちはいとこ同士のよう。ただでさえ、ともかく電車など公共の場で、大人が煩いイタリア。仲間うちでの会話、携帯電話、果ては見ず知らずの他人のはずの同乗者とのおしゃべり・・・傍若無人もはなはだしく、コンパートメントでなるべく一緒になりたくないのがイタリア人。そしてまた、普段から子どもに甘いのもイタリア人。このたくさんの子供たちが、いつものように自由闊達にこの狭い空間ではしゃぎまわるのかと思ったら、それだけでめまいがしました。
ところがどっこい。
この子供たちの、お行儀が断然いいのです。もちろん、小さな子供たち、みんなでめずらしく電車に乗っているわけで、ちょろちょろはする。ですが、なにしろ静か。もちろん彼ら同士でしゃべったりはしているのですが、私と、もう1人いた別の同乗者に気を使って、ひそひそ声で話しているし、あちこち動いても、絶対にこちらの領域を侵してこない。そうっと動いて、間違っても手や足がぶつかったりしないよう、気を使っているのがわかるのです。
へえ、っと思いました。イタリアでも、きちんとしつけをしている家族もあるんだ、と。決して青白くかしこまっているわけではありません。自分達同士で、あれこれ楽しく遊んでいるけど、他人にメイワクをかけない。そして、疲れて居眠りをしているお父さんを、そっとしておく心遣いも。
電車の2等で移動しているくらいだから、それほど特別なご家族というわけではないでしょう。といっても、子供たちにも指定席をとっていたから、まあまあそれなりに余裕のあることは間違いありません。一昔前の日本で言うところの「中の上」なのでしょうか。今のイタリアは、物質的には「中の上」と思われる人が増えているけれども、内面まで行き届いているかというと疑問。
そうして、乗り換えた先で、コンパートメントで一緒になったのはまたもやお子様連れのご家族。今度は女の子2人、やはり別のもう一家族と一緒で出かけたらしく、隣のコンパートメントに、やはりお子様、男女1人ずつ。
ところがこれがまた、きちんとしたご家族だったのです。3歳くらいでしょうか、疲れて、ぐずり始めている下の女の子にご両親が、静かにするよう、おとなしくするよう、それも声を決して荒げることなく、根気よくずっと諭しているのです。おまけに、その子が椅子から降りる度に、足が私の靴にあたるのをお父さんが気にして、「XX、この方の足に気をつけなさい。」「ほら、足を踏んだら失礼、とあやまりなさい」。私も何も言われなければ頭に来るけど、小さな子どものことだし、「大丈夫ですよ」と声をかけたのですが、しきりに気にされている。
改めてよくよく観察してみると、どちらの家族も、大人も子どもも、きちんとした服装をしていました。Tシャツやポロシャツにパンツ、程度だけれども、ほとんどが無地で落ち着いた色合い、シンプルな形のもの。キャラクターものや、過度に流行のものは全く身に付けていない上に、そういえば、そういう雑多なおもちゃ類や、スナック、駄菓子類なども一切持っていませんでした。イタリアにも、こういう家族と子供たちがいるのかと思い、なんだかほっとした気分。
最初の家族はミラノ、次の家族はヴェローナとパドヴァで降りていきました。
ヴェネツィアに着いて、家に帰るために乗った水上バス。人にぶつかるのもお構いなし、我先に乗り込んで座席を自分達で占領し、大声で話し始めた、地元の家族。一気に、いつものイタリアの現実に引き戻されました。でもまさかこれ、ヴェネツィアだからというわけではないよね?・・・と思いつつ・・・。
長くなりました。
みなさまもよい連休をお過ごしください。
ではまた。
Fumie
25
aprile 2007
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